公務員定年後のライフプラン!年金・健康保険・再雇用等について徹底解説

公務員 定年後ライフプランニング
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相談者
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公務員は定年後どうしている人が多いのだろうか?

年金や健康保険、再雇用等に関してはどうすれば?

2021年6月4日、国家公務員の定年を2023年から2031年まで2年ごとに60歳から65歳まで、引き上げる法案が可決されました。

とはいえ人生100年時代といわれるように、65歳以降も数十年という期間があります。

人によっては、再就職等を検討されている方も多いのが現状です。

現時点で公務員として働かれている多くの人が、定年後の身の振り方に悩んでいる、といっても過言ではありません。

この記事では公務員の定年後のライフプランニングとして、その後の働き方や年金をはじめとしたお金事業に関して、分かりやすく解説しています。

担当FP
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公務員定年後のライフプランニングを行うためにも、必要な情報収集を早めに行いましょう。

公務員 定年後
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公務員定年後は約8割の人が生活費のために働いている

公務員定年後
出典:人事院給与局生涯設計課「平成29年度退職公務員生活状況調査」

人事院の調べによると、公務員の84.8%が「定年退職後も働きたい」と回答しています。

定年後も働きたいと思った理由として、次のような回答が挙げられました。

  • 生活費が必要:88.3%
  • 健康に良い:31.8%
  • 将来に備えて蓄える:30.0%
  • 仕事を通して社会に貢献したい:27.0%
  • 子供や他の家族に負担をかけたくない:24.2%
  • 自分の自由になる収入を得る:18.3%
  • 仕事に生きがいを感じる:15.4%
  • その他:5.2%

出典:人事院給与局生涯設計課「平成29年度退職公務員生活状況調査」

大半の公務員が定年後も生活費のために働きたいと回答しており、その内「フルタイム勤務で働きたい」と回答した割合が55.7%でした。

「何歳まで働きたいか」という質問に対しては、65歳が55.3%と過半数を占めており、次いで70歳が15.6%という結果です。

また最も働きたい就労先としては、国の機関が78.5%と圧倒的に多く、次いで民間企業が5.7%という回答割合となりました。

再任用職員として働きたい理由としては、「在職中の知識や経験等を活用したい」が79.5%、次いで「慣れ親しんだ職場で働きたい」が60.4%という回答結果です。

担当FP
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公務員であっても60歳から新しい環境で働くのは、ハードルが高く感じる人が多いようです。

公務員定年後のライフプラン!主な3つの選択肢

公務員 定年後

公務員定年後のライフプランとしての選択肢は、主に3つ挙げられます。

  • 定年後も定年延長・再任用(再雇用)してもらう
  • 定年後は民間企業に就職する
  • 定年後は本当にやりたいことをやる
担当FP
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定年後のライフプランを具体的に考え、早めに行動している人とそうでない人とでは、大きな差が出てきます。

定年後も定年延長・再任用(再雇用)してもらう

公務員には再任用制度が設けてあり、定年(60歳)後も継続して65歳まで働けるようになっています。

再任用制度の対象者は、次の通りです。

  1. 定年退職者
  2. 勤務延長により勤務した後、退職した者
  3. 定年退職日以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職した者で、退職後5年以内の者(ただし、定年の年齢に達していることが必要)
  4. ③に該当するものとして再任用されたことのある者

出典:再任用を希望される皆様へ – 内閣官房

再任用された人は、一年以内を任期として定められ、フルタイム勤務と短時間勤務の二つのタイプから働き方が選べます。

給料面に関しては現役の公務員とは異なり、再任用された場合は改めて格付けが行われます。

定年後は民間企業に就職する

公務員が定年退職後に民間企業へ就職するのは、年齢によってはかなりハードルが高いです。

特定の資格や専門スキル等を保有している人であれば、意外とすんなり就職できるかも知れません。

しかしながら、一般公務員が定年退職後にゼロから民間企業へ就職するのは、かなり厳しいのが現状です。

20代30代等の早期退職であれば、民間企業への就職もハードルが低いですが、30代後半を過ぎると極端に就職が厳しくなります。

定年退職後に民間企業への就職を希望される方は、一度転職エージェントに無料相談してみてはいかがでしょうか。

転職エージェントでは、あなた自身の市場価値の分析を行ったり、足りない要素などを分かりやすく洗い出してくれます。

一人で悩んでないで、まずは専門家に相談しましょう。

定年後は本当にやりたいことをやる

公務員定年後にこれまでできなかった、自分が本当にやりたかった趣味や仕事を始める人も、一定数います。

例えば都会から田舎に地方移住して、農業を営みながら自給自足で生活し、夫婦でゆっくりとスローライフを送るのも一つの選択肢でしょう。

地方移住が合わない方は、物価が安い海外に移住するのもありです。

また公務員を定年退職した後に、料理学校へ通い個人でカフェやレストラン等の飲食店を開業する人も、中にはいらっしゃいます。

定年後の人生の選択肢は非常に多いため、できるだけ公務員として働いている間に、具体的なライフプランを考えておくことをおすすめします。

公務員が定年退職前に知っておきたいお金事情

公務員 定年後

公務員が定年退職後に後悔する項目として、お金事情がよく挙げられます。

特に年金や健康保険、失業保険、資産運用、税金・相続等に関して、もっと詳しく勉強しておけば良かったと後悔する人が多いです。

定年後に後悔しては遅いため、現役公務員として働いている間に基礎的な知識は、しっかりと身につけておきましょう。

担当FP
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公務員の方は定年退職を迎える前に、しっかりとお金事情に関しても情報収集を行いましょう。

年金・健康保険

厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和2年度)の資料によると、公務員がもらえる月々の老齢厚生年金の平均受給額は男性が16.4万円、女性が10.3万円

詳しい年金受給額に関しては、「ねんきんネット」から気軽に確認できるため、気になる方は確認してみてください。

退職金に関しては、内閣官房のデータによると国家公務員が約2,142万円、自己都合退職の場合は約1,023万円。

総務省のデータによると地方公務員だと、約2,109万円という結果です。地方公務員に関しては、勤務先によって金額が異なります。

一時期、老後2,000万円問題が話題となりましたが、実際に年金と退職金だけではその後の生活をやりくりするのは難しいでしょう。

老後資金の対策としては、少額からでも老後生活に向けた資産運用を行うことです。

また健康保険に関しては、任意継続するか国民健康保険に切り替えるかの、主に2つの方法が挙げられます。

双方、メリット・デメリットがありますので、詳細を確認した上で判断するようにしましょう。

失業保険(失業手当)

会社員であれば退職後にハローワークで申請すれば失業保険が受け取れますが、公務員は残念ながら失業保険が受け取れません

公務員は会社員と比較して失業するリスクが低く、安定した職業であることから、雇用保険法の対象外となっているからです。

保険というワードが含まれている通り、失業保険はあくまでも失業リスクに備えるものです。

失業保険の代わりに公務員は、退職手当が受け取れるようになっています。

資産運用(iDeCoやNISA制度等)

公務員定年後の生活に備えて、毎月少額からでも資産運用を行いましょう。

現在は、iDeCoやつみたてNISA等の税制優遇処置が受けられる、大変便利な制度があります。

既存の制度をうまく活用して、早期に積立投資をはじめることで、老後生活に必要な資金を余裕を持って準備できます。

公務員でも気軽に利用できる制度ですので、詳細を十分理解した上でまずは無理のない範囲内から、少しづつ資産運用に取り組みましょう。

税金・相続

公務員が行える節税対策としては、主に次のような項目が挙げられます。

  • ふるさと納税
  • 配偶者控除
  • 生命保険料控除
  • 住宅ローン控除
  • 医療費控除

税金控除の制度は、知っているか知らないかの問題ですので、損しないようにしっかりと把握しておきましょう。

実際に利用する際には、必ず控除制度の内容を理解した上で使うようにしてください。

また相続に関しては、別途カテゴリーとして分かりやすくまとめていますので、そちらを参考にしてみてください。

公務員定年後の再就職に役立つおすすめの資格5選

公務員 定年後

公務員定年後の再就職に役立つおすすめの資格を、5つに厳選してご紹介します。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)
  • 行政書士
  • 日商簿記検定
  • 宅地建物取引士
  • 情報処理技術者試験(ITパスポート)

資格はあくまでも知識の証明に過ぎないため、それだけで就職できる訳ではありません。

資格と実務経験が伴ってはじめて企業から評価されるようになりますので、資格自体が目的にならないようにくれぐれも注意しましょう。

担当FP
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これまでのキャリアと相性の良い資格の取得を目指しましょう。

FP(ファイナンシャル・プランナー)

出典:日本FP協会

FP(ファイナンシャル・プランナー)とは、家計に関わる金融や税制、不動産、保険、教育資金、年金制度等に関する知識を幅広く学べる資格です。

将来設計を考える上でお金事情に関しては、必ず誰もが考慮すべき項目でしょう。

特に私たちの暮らしに関係性が高い資産運用や社会保険制度の仕組みに関して、体系的に学べるのがFP資格の大きなメリットです。

最近は受験者も多くFP3級であれば、合格のハードルもそこまで高くありません。

FPは、定年後のライフプランニングを行う上でも、最初に取得しておきたい資格といえます。

行政書士

行政書士
出典:行政書士試験研究センター

行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格の一つであり、主に官公署(市役所や村役場など)に提出する申請書類の作成や提出手続代理等を行う職業です。

行政書士になるためには行政書士試験に合格する必要があり、難易度はご紹介している資格の中でも、難しい部類に分けられます。

公務員と行政書士の相性はとてもよく、実際に公務員定年後に行政書士を目指す人も意外に多いです。

公務員の場合は、行政書士試験に合格する意外にも、行政書士になるための特認制度が活用できます。

特認制度とは、国家公務員(または地方公務員)として行政事務に17年以上勤めた人が、行政書士の資格取得が認められる制度です。

日商簿記検定

出典:日商簿記|商工会議所

日商簿記検定とは、その名の通り簿記に関する技能を試す試験です。

公務員の方だと既に3級を取得している人が非常に多いですが、簿記は2級以上でないと就活の際に評価対象とならないケースが多いです。

合格率10%前後といわれる簿記1級に合格すると、会計のスペシャリストとして独立も視野に入れた活動ができるようになります。

簿記は非常に歴史の長い資格試験の一つであり、誰もが持っていて損はない資格です。

宅地建物取引士

出典:一般財団法人|不動産適正取引推進機構

宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に基づいた国家資格の一つです。

毎年20万人前後の受験者が全国各地で受験しており、日本では非常に人気が高い資格に分けられます。

宅地建物取引士に合格すると宅建士として不動産に関わる「重要事項の説明」や「35条書面(重要事項書面)への記名」等が行えます。

これらは宅建士だけに許された独占業務であり、企業への就職活動を行う際には、強力なアピール材料となるでしょう。

もちろん宅建士として、独立することを視野に入れた活動も行えます。

情報処理技術者試験(ITパスポート)

ITパスポート
出典:ITパスポート試験

ITパスポートとは、情報処理の促進に関する法律に基づき経済産業大臣が実施している、国家資格の一つです。

試験自体は2009年から実施されており、比較的新しい資格だといえるでしょう。

経済産業省の調べによると、日本では2030年までに約79万人のIT人材が不足するといわれています。

IT人材は分野に関係なくほぼ全ての企業で求められており、ITに関する知識や技術の証明として、資格取得を目指す人も少なくありません。

ただし、IT分野では資格だけではなく実務経験も同時に求められるため、資格を取得すれば就職できる、という訳ではありません。

公務員定年後に関するよくあるQ&A

公務員の定年後に関する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、回答を分かりやすくまとめてみました。

担当FP
担当FP

職場の先輩方にどうするつもりなのか、直接聞いてみるのも一つの方法です。

Q.公務員は定年後に天下りで働けたりしますか?

キャリア官僚と呼ばれる一部の公務員には、天下りでの再就職がありますが、一般の公務員にはほぼ天下りでの再就職はありません。

Q.公務員は定年後どのくらい年金が受け取れますか?

日本年金機構が運営するサイト「ねんきんネット」で、簡単に将来の年金受給額がシミュレーションできます。

気になる方は一度、試しに活用してみてください。

Q.公務員定年後に再任用されると給料はどのくらい減りますか?

公務員の再任用制度を活用される方は、業務形態(フルタイム・短時間勤務)や格付けによって、もらえる給与額が変動します。

現役公務員よりも給料が増えるというケースは稀であり、大半の再任用者が現役時よりも給料が減っています。

詳しい給料額が知りたい方は、資料「地方公務員の再任用制度と年金」をご参考ください。

Q.なぜ自衛官だけ他の公務員より定年が早いのですか?

自衛官の定年は53歳と、他の公務員や会社員等と比較するとかなり早いです。

その理由は、自衛隊だけに適応される「若年定年制」が、設けてあるからに他なりません。

そもそも自衛隊は、日本国民を守るのが本来の仕事であり、主に災害活動や防衛を担っている組織です。

防衛をはじめとした自衛隊の業務は身体が資本となるため、主に若い世代でないと務まらない、というのが具体的な理由になります。

Q.公務員定年後の再就職先としてはどんな仕事がありますか?

再就職先としては、本人の能力や経験によって異なるため、一概にこれといった職業や企業等を挙げるのは難しいでしょう。

単に公務員といってもその業務内容はさまざまであり、業務を通して培ったスキルや知識等を活かせる企業へと、再就職するのが王道だといえます。

例えば経理関係の業務を行なっていた人であれば、それまでの経理の知識や経験を活かして、民間企業でも経理担当者として活躍できます。

まとめ

公務員定年後は、全体の約8割がその後も働いていると述べました。

定年後は田舎でスローライフを送るのも一つの選択肢ですが、お金の面を考慮すると働かざるを得ないのが一般的な見解です。

人によっては早期に資産運用を行い、老後資金をしっかりと準備して自己実現させている方もいらっしゃいます。

公務員の方は、定年後のライフプランニングを早めに立てた上で、計画的に行動していくことをおすすめします。

担当FP
担当FP

公務員定年後のライフプランニングでお困りの方は、お気軽にFPへご相談ください。

この記事を書いた人

セブ島在住のキャリアアドバイザー|フリーランス・Webライター歴7年|保有資格:FP2級・簿記3級 など|得意分野:資産運用,税金,副業 など|個人でも積み立てNISAや米国ETF、仮想通貨などで資産運用中|暮らしに役立つ情報を、分かりやすくお伝えします。

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