公務員になるのはリスクが高いって本当ですか?
公務員の将来性に関して具体的に知りたいです。
民間企業を中心に働き方改革が進められている中で、公務員に関しても徐々に労働環境の整備が行われています。
とはいえ民間企業とは異なり、公務員の場合は法律から改正しなければいけない項目も多く、働き方に対する変化の速度が遅いなどの欠点が挙げられます。
その上、働き方に対する多様性が会社員よりも低く、流行りの副業やサイドビジネスなどは基本的に公務員は行えません。
「公務員=安定」といわれていたのは遠い過去の話であり、現在においては主体的に自ら行動しなければ安定とはほど遠い将来が待ち構えています。
この記事では、公務員はリスクが高いといわれる理由や、その将来性に関して分かりやすく解説しています。
これからは時代に合わせた働き方の選択が、より重要になってきます。
公務員を目指すのはリスクが高い!といわれる理由とは
「公務員を目指すのはリスクが高い」といわれる理由としては、次のような項目が挙げられます。
- 給料が低い
- 市場価値が上がらない
- 副業が禁止されている
- 国家公務員の人材流出が増えている
- 専門的なスキルや知識が身に付きにくい
- 嫌な上司や同僚がいてもリストラされない
- 転職する際にアピールできるような実績がない
円安が加速度的に進む中で、公務員の給料が今後上がる見込みがないのが、一番の懸念材料でしょう。
日本では労働人口が年々減少しており、その背景には少子高齢化問題がよく挙げられます。
公務員の給料は国民の税金により賄われており、税収が少なくなれば当然受け取れる給料額にも少なからず影響が出てきます。
また公務員は、転職市場においては長年勤めていても市場価値が上がり難い特徴を持っており、いざ転職しようとすると不利な状況に陥りやすいです。
働いている間に何かしら有効な資格を取得している人は、まだ転職できる可能性があります。
しかし、そうでない人は転職活動でなかなか転職先が決まらず、アルバイトやパートとして働かざるを得ない状況になる可能性もあります。
現代社会において公務員という働き方自体が、時代に上手く適していないといえるでしょう。
公務員には”将来性がない”といわれる理由
公務員には将来性がないといわれる理由としては、次のような項目がよく挙げられます。
- AIに仕事がとられる
- 実際に給料が減っている
- 少子高齢化により税収が減る
- 人員削減で一人当たりの労働量が増える
AIをはじめとした新しいテクノロジーによる業務効率化により、業務の大半が自動化される可能性が考えられます。
特にお役所仕事は事務的な作業が大半を占めており、将来的にはAIに置き換えて役所の人的リソースを減らす目論見が練られています。
加えて人員削減が起きれば当然、一人当たりの労働量も増える可能性が高いため、人によっては今以上に忙しくなるでしょう。
将来的には公務員であっても、プログラミングやITなどに関する知識やスキルが、必要不可欠になる時代がくる可能性が高いです。
公務員の”将来性が明るい”といえる理由
逆に公務員の将来性が明るいといえる理由としては、次のような項目がよく挙げられます。
- 倒産がない
- 労働環境の整備が行われている
- 意外に自動化できない仕事は多い
- 民間企業よりも雇用が安定している
公務員の将来性が明るい最大の理由は、何といっても雇用の安定でしょう。
世界的なパンデミックを引き起こしたコロナ禍であっても、公務員は景気に左右されず安定して働き続けることができました。
対して会社員の場合、会社の業績がいきなり傾いたことにより、多くの人が職を失いました。
公務員に関しては、社会がどれだけ変化しようとも毎月の給料とボーナスが約束されていますので、過度に不安を感じる必要はありません。
世界的な不景気がやってきても、公務員であればどんなカタチであれ生き残れる、というのが最大の特徴です。
公務員として働くメリット・デメリット
公務員として働く具体的なメリットとデメリットには、次のような項目が挙げられます。
メリット | デメリット |
---|---|
・子育てが行いやすい ・減給やリストラがない ・休暇制度が整っている ・社会的な信用度が高い ・将来設計が立てやすい ・年功序列で給料が上がる ・福利厚生が充実している ・ボーナスが確実に支給される ・カレンダー通りに休みが取れる | ・残業が多い ・副業が行えない ・仕事がつまらない ・頑張っても給料は上がらない |
待遇面だけでみると会社員よりも圧倒的に公務員の方が、良い条件であるケースが大半です。
特に将来設計︎(ライフプラン)が立てやすいのが大きなメリットでしょう。
会社員とは異なり途中で解雇されることはまず考えられない上に、いきなり大きな減給を受ける可能性もかなり低いです。
その上、どれだけ社会が不景気であっても必ずボーナスが毎年2回支払われますので、自宅や車などのローンが組みやすいです。
社会的な信用度に関しても公務員の方が圧倒的に高いため、銀行からの借入に関しても容易に行えます。
実際に将来公務員になりたいというニーズは、今も昔も変わらず高い傾向にあります。
公務員の安定性は今後も継続するのか
人事院の調べによると全体の約80%が再任用制度を利用して、継続して65歳まで働いているという調査結果が出ています。
公的年金の支給年齢が65歳からなので、仮に公務員として65歳まで働けばその後は、年金を受け取りながら生活できる訳です。
しかしながら、現在は年金だけでは生活することが困難なため、現職中にiDeCoやつみたてNISAなどを活用して資産形成する必要があります。
現役公務員として働きながらしっかりと老後資金を確保できれば、老後まで安定したライフプランを立てられるといっても過言ではありません。
公務員の安定性は、既存の制度をうまく活用することでより強固なものとなる、というのが結論になります。
公務員という働き方に関するよくあるQ&A
公務員という働き方に関する多くの質問や悩みの中から、特に多かった内容にだけ絞って質問形式で、分かりやすくまとめてみました。
選択肢に迷った際には、第三者の意見を取り入れてみることも大切です。
Q.公務員になる道のりはリスクが高いのでしょうか?
まずはなぜ公務員になりたいのかその目的を明確にした上で、試験勉強に多くの時間をかける価値があるのか判断しましょう。
たとえば総合職試験(大卒程度)などになると、合格率が約8%とかなりの狭き門なので、それなりの学習時間が必要になるでしょう。
どのような公務員を目指すかによっても、必要な学習時間や採用枠が異なるため、単に公務員の道のりはリスクが高いとは言い切れません。
Q.公務員の共働き最強説は現在も健在ですか?
夫婦共に公務員だと雇用や収入面ではかなり安定性が高く、お金で困るという場面が会社員と比較して少なくなります。
予算が少ない自治体の地方公務員などになると、安月給で苦労している夫婦もいますが、そもそも地方と都会だと必要な生活コストが異なります。
金銭面で苦労する可能性は低いですが、他の面で問題が起きる可能性がありますので、詳細が気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
Q.公務員がいまだに人気なのはなぜですか?
公務員の人気がいまだに高いのは、次のような理由がよく挙げられます。
- 雇用が安定している
- 福利厚生が充実している
- 社会的な信用度が高い
特にコロナショックなどの影響により、雇用の安定性を求める若者が多いのが、一つの要因となっています。
ただし、漠然とした安定を求めると理想と現実のギャップに悩まされることになるため、実際に就職先を選ぶ際には慎重に判断べきです。
Q.公務員と民間人の決定的な働き方の違いは何ですか?
結論からいうと、公務員と民間人では働く目的が全く異なります。
たとえば民間企業は、全体の活動を通してお金を稼ぐことが最大の目的になります。
対して公務員は営利を目的とせず、あくまでも社会をより良くするために働くのが主な目的です。
会社員の場合は、会社が儲かれば給料が上がる可能性が高いでしょう。
しかし、公務員の場合は頑張って社会が良くなっても、給料は上がり難いです。
Q.公務員を諦めて民間に就職するメリットは何ですか?
民間企業で働く主なメリットは、次のような項目が挙げられます。
- 高い収入が望める可能性がある
- 副業に取り組める
対してデメリットとしては、倒産のリスクが伴う、競争社会であるなどの項目がよく挙げられます。
とはいえ、一概にメリットとデメリットだけで判断できるものではありません。
まずはあなたの適性を踏まえた上で、働く目的に適した就職先をみつけるのが得策です。
まとめ
公務員はリスクが高いといわれる理由としては、次のような項目が挙げられました。
- 給料が低い
- 市場価値が上がらない
- 副業が禁止されている
- 国家公務員の人材流出が増えている
- 専門的なスキルや知識が身に付きにくい
- 嫌な上司や同僚がいてもリストラされない
- 転職する際にアピールできるような実績がない
公務員は法律で副業が禁止されているため、仮に給料が低くてもあなた自身の能力で増やす、という手段が取れない点も大きなリスク要因です。
とはいえ、公務員の安定性は会社員とは比べものになりませんので、あなたの目的に適した働き方が一体どちらであるか、慎重に判断しましょう。
キャリアプランやライフプランなどで悩んでいる方は、専門家であるFPへお気軽にご相談ください。
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