ハローワークで公共職業訓練を受ける条件とは?求職者支援訓練との違いも

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ハローワークの職業訓練は無料で受講でき資格が取れる講座もあることから、受講を希望する方が多いです。
一定の要件を満たす事で、職業訓練給付金を受給する事も可能です。

職業訓練には公共職業訓練と求職者支援制度がありますが、一体どのような違いがあるのでしょうか?訓練を受けるためにはどのような要件をクリアする必要があるのでしょうか?

本記事では職業訓練とは、公共職業訓練と求職者支援制度との違い、訓練を受ける条件や職業訓練給付金について解説していきます。

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職業訓練とは?公共職業訓練と求職者支援制度との違い

職業訓練とは「ハロートレーニング(ハロトレ)」とも呼ばれる国・都道府県が実施する訓練制度です。

「公共職業訓練(離職者支援)」と「求職者支援制度」があり、公共職業訓練は主に離職して雇用保険を受給している求職者の方を対象とした制度です。
公共職業訓練でのスキルアップを通じて早期の再就職を支援しており、条件を満たす方は職業訓練給付金を受給できます。

求職者支援制度は離職して雇用保険を受給できない、収入が一定額以下の在職者の方などが、一定の要件を満たす場合月10万円の給付金を受給しながら無料で職業訓練を受けられます。

基本的に離職して雇用保険を受給している方は公共職業訓練、雇用保険を受給していない方は求職者支援制度を利用します。

なお、管轄のハローワークによっては民間の教育訓練機関に委託する訓練を受ける事も可能で、東京都では情報、福祉・医療、営業サービス・事務などの講座が充実しています。

訓練を受けたい科目によっては民間の委託事業を選ぶ方もおり、公共職業訓練と同様に一定の要件を満たす場合には職業訓練給付金を受け取る事が可能です。
雇用保険の受給資格がある方もしくは受給中の方は、公共職業安定所長の受講指示を受けて受講する場合は雇用保険の失業給付も受給できます。

職業訓練を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。

公共職業訓練・求職者支援制度を利用するための要件とは?

公共職業訓練を受けるためには、以下の5つの要件を満たす必要があります。

  1. 雇用保険の失業給付を受給している
  2. ハローワークに登録している求職者
  3. 離職者である
  4. 週20時間以上仕事をしていない
  5. 公共職業訓練に申し込み、筆記・面接試験に合格した

受講までの流れを確認しておきましょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/harrowtraining.pdf

受講あっせんは、「ハローワークでの職業相談で受講が適職につくために必要である、訓練を受けるために必要な能力があること」を認められた方に実施します。

訓練の受講代はテキスト代(1~2万円程度)を除き無料で、3か月~2年の間で就職に役立つ技能・知識を学びます。

機械・建築・造園などものづくりの科目が充実していますが、介護・事務・電気設備・エンジニアなどの訓練コースがあり、資格取得を目指す事も可能です。
訓練のコースの例の一部は以下の通りです。

訓練コースの例取得を目指せる資格
溶接科溶接技能者評価試験・ 被覆アーク溶接・半自動溶接(MAG溶接)・ステンレス鋼溶接・アルミニウム溶接など 
配管科給水装置主任技術者・2級管工事施工管理技士など
電気設備技術科第二種電気工事士、第一種電気工事士、消防設備士
OA事務科簿記検定・表計算検定・ワープロ検定など
ICTエンジニア科ITパスポート、基本情報技術者、LPICレベル1など
スマート情報システム科基本情報技術者、ウェブデザイン技能検定など


上記の他にも様々なジャンルの科目があります。管轄のハローワークで調べてみましょう。

求職者支援制度を受けるための条件

求職者支援制度を利用するためには以下の4点全てを満たすことが条件です。

  1. ハローワークに求職の申し込みをしている
  2. 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者ではない
  3. 労働の意思と能力がある
  4. 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークに判断され、筆記・面接試験に合格した

受講までの流れは公共職業訓練と同じで、ハローワークに求職者として登録、受講を申し込んだ後に面接・筆記試験に合格し、面接あっせんを受けて訓練を受けます。

https://www.mhlw.go.jp/content/000918492.pdf

訓練コースには主に上記の科目があり、訓練期間は2か月から6か月でシフト制の在職者などを対象とするコースは2週間からの短期間もあります。

職業訓練給付金の受給要件とは?

公共職業訓練・民間委託の職業訓練では、条件を満たすことで教育訓練給付金を受給できます。教育訓練給付金は雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した方に受講費用の一部を支給する制度です。

求職者支援訓練でも職業訓練給付金をもらうことが可能です。

教育訓練給付金は、中長期的キャリア形成を支援する専門実践教育訓練・速やかな再就職及び早期のキャリア形成を目的とした特定一般教育訓練・その他の雇用の安定・就職の促進に対する一般教育訓練のいずれかを受ける事が要件の1つです。
教育訓練の種類によって給付金の金額が異なります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000800408.pdf

対象の教育訓練は約14,000講座で、「教育訓練給付制度検索システム」で検索できます。

給付の条件は以下の7点です。

  1. 収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月25万円以下
  3. 世帯全体の金融資産が300万円以下
  4. 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  5. 全ての訓練実施日に出席している
  6. 世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

上記の条件をクリアしているかの判定は、支給単位期間ごとに確認されます。
なお、新型コロナウイルスの影響で2023年3月31日まで職業訓練受講給付金と訓練対象者の要件を緩和する特例措置が設けられました。

<職業訓練給付金>
1.収入が月8万円以下→月 12 万円以下
2.世帯全体の収入が月25万円以下→40万円以下
5.全ての訓練実施日に出席→訓練の 8 割以上。やむを得ない理由以外の欠席日の給付金は日割りで減額

<求職者支援訓練対象者の特例>
再就職や転職を目指して訓練を受講する方→働きながら訓練を受けて社内での正社員転換などを目指す、今の仕事に役立つ能力を身に付けようとする方など

新しい分野の仕事がしたい方、キャリアアップを目指している方は、公共職業訓練・求職者支援訓練制度を利用するをおすすめします。

まとめ

公共職業訓練と求職者支援制度の概要、訓練を受ける条件、職業訓練給付金の受給についてお伝えしてきました。

公共職業訓練・求職者支援制度のメリットは無料で知識や能力を身に付けられる点です。面接・筆記試験に合格しなくてはいけませんが、スキルアップや転職のために利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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