結婚が「くだらない」といわれるのはなぜ?
恋愛しない方が幸せな人生を送れるって本当!?
国立社会保障・人口問題研究所の資料によると、日本では50歳までに一度も結婚しない男性の割合が25.7%、女性だと16.4%を占めています。
男女別の数値は2020年時点での統計データとなっており、今後も結婚しない人の割合は増えていくと予想されています。
現代の若者が結婚をしない理由としては、金銭的な問題や趣味や娯楽に時間を費やしたい、といった意見が多いです。
一部では「結婚はくだらない」といった声も上がっており、結婚に対する価値観が問われているといっても過言ではありません。
この記事では、結婚がくだらないといわれる理由をはじめ、結婚や恋愛に対する価値観の変化に関して分かりやすく解説しています。
結婚は男女ともに人生において、大きなライフイベントです。
結婚離れが進んできている日本
日本では年々「結婚離れ」が進んできており、2021年には結婚率が戦後最少を更新するなど、結婚に対して否定的です。
現代人の多くが(いつかは結婚したい)と思いながらも、さまざまな理由により独身を貫いているといっても過言ではありません。
男性の4人に1人、女性の6人に1人が生涯独身を選ぶ現代社会において、若者を中心に大きく結婚に対する価値観が変化しています。
結婚や恋愛に対する男女の価値観の変化は、現代人のライフスタイルの変化に大きく影響されています。
結婚しない人が増えている理由
結婚しない人が増えている主な理由としては、次のような項目が挙げられます。
- 金銭的な問題により結婚できない
- 家事・育児で自由な時間がなくなるのが嫌
- 異性と出会う機会が減った
- 一人で遊べるような娯楽(スマホゲームや動画など)が以前よりも増えた
- 結婚よりも趣味を優先するようになった
中でもよく挙げられる理由としては、男性側の金銭的な問題です。
日本では若者の貧困問題が叫ばれている中で、結婚するハードルが非常に高くなった、と感じている人も少なくありません。
妻子を養うためには、ある程度の貯蓄や収入がなければいけないと考える男性が多く、現状では結婚できないと判断する人が多いのです。
独身者が男女ともに増えた背景には、そういった金銭的な問題や社会的な変化が、大きく影響しているといえます。
日本と世界の結婚・恋愛事情
日本では未婚化が問題視されている中、たとえ結婚したとしても3組に1組が離婚しているのが現状です。
離婚率がこれほどまでに高いと、結婚するのを躊躇する人も中には出てくるでしょう。
結婚の割合が上がらないと当然、少子化にも拍車がかかります。
総務省の調べによると2060年には、日本の人口が8,674万人まで減少すると予測されています。
対してアメリカでは、結婚率は全体の53%(2019年時点)ほどであり、離婚率に関しては約50%とかなり高い割合です。
恋愛により結婚に発展する割合でみても、他の諸外国と比較して日本は確率が低く、出生率に関しても減少傾向にあります。
日本では、未婚化や少子化問題に対する対策として、結婚したら最大で60万円がもらえる結婚助成金や、子育て支援制度を導入しています。
結婚が「くだらない」といわれる5つの理由
結婚が「くだらない」といわれる主な理由としては、次のような項目が挙げられます。
- 自由な時間がなくなる
- 子供と結婚を結びつけている
- 仕事への悪影響やキャリアへの障害となる
- パートナーの家族や親族との付き合いが面倒
- 結婚と幸せが結びつかない
社会の変化に伴い、結婚への価値観が大きく変化しているといえます。
自由な時間がなくなる
独身であればお金も時間も自由に使うことができますが、結婚してしまうと当然家族を優先しなければいけません。
結婚して子供ができたりすると、教育費にお金がかかるほか、育児や家事等の負担も大きくなります。
最近は、男性側が育休を取得して子育てを行う家庭も増えてきましたが、あくまでもそれは少数派に過ぎません。
男性の育休を許可している会社はまだまだ少なく、どうしても女性の負担が大きくなるリスクが高いです。
子供と結婚を結びつけている
「結婚 = 子供を作らなければいけない」と、誤った認識を持っている人も少なくありません。
結婚はしたいけど子供は欲していないという人がいると、どうしても男女間で価値観の違いが生まれてしまい、最終的に結婚に至らないのです。
結婚に対する価値観は人それぞれですが、安易に「結婚 = 子供を作る」とは考えずに、まずはお互いに価値観の共有を行うべきです。
結婚してから考えが合わなかったとなっては遅いため、恋愛している間にお互いの考えに関して、十分理解を深める必要があります。
仕事への悪影響やキャリアへの障害となる
(結婚すると仕事が続けられなくなる…)といった不安は、妊娠・出産の可能性がある女性が抱きがちな悩みです。
妊娠や出産を理由に仕事から一時的に離れてしまうと、どうしても他の同僚とキャリア面で差が出てきてしまいます。
妊娠や出産により、勤めている会社を退職する人も少なくない上に、その後再就職するのも一苦労です。
キャリア面で不利な立場になるのであれば、わざわざ危険を犯してまで結婚する必要はない、と判断する女性も珍しくありません。
パートナーの家族や親族との付き合いが面倒
結婚すると当然、パートナーの家族や親戚等との付き合いが発生します。
お盆やお正月などのイベント時は、パートナーの実家へ出向き挨拶まわりを行ったり、義理家族からお金の相談をされる可能性もあります。
万が一、あなたのパートナーが自分の家族とうまく付き合いができなかったりしたら、あなたとパートナーの関係性も悪くなるかも知れません。
結婚すると良くも悪くも人付き合いが増えるため、人付き合いが苦手だという人には、大きな負担になるでしょう。
結婚と幸せが結びつかない
「結婚 = 人生の幸せ」という考え方は、既に古い価値観だと捉えている若者は意外に多いです。
日本では3組に1組が離婚している事実からも、結婚したからといって必ずしも誰もが幸せになるとは限りません。
特に現代社会では、独身でも楽しめる娯楽や趣味がかなり増えてきたいるため、わざわざリスクを犯してまで結婚しようと考える人が少ないのです。
最終的に独身生活で味わえる幸せの方が、より手軽でリスクも小さいと考えている訳です。
結婚するメリット・デメリット【男女別】
男女共通の結婚するメリットやデメリットは、次の通りです。
男女の共通事項 | |
---|---|
メリット | ・子供が授かれる ・幸せを分かち合える ・老後生活を夫婦で支えられる ・好きな人と家族になれる ・共働きにより経済的に安定する ・家賃や生活費の負担が減る ・人として成長できる ・精神的な安心感を得られる ・社会的な信用が得られる |
デメリット | ・教育費がかかる ・家事育児の負担が増える ・趣味や娯楽を楽しむ時間がなくなる ・義理家族との付き合いが生じる ・離婚のリスクが発生する |
表は、男女に共通するメリットとデメリットですが、男女別にみると特有の違いがハッキリと分かれています。
男性と女性では結婚に対する認識が若干異なるほか、結婚することで双方にどのような影響が出るのかを、十分把握しておきましょう。
結婚は男性・女性に関わらず、これまでの生活に大きな影響を及ぼします。
男性の場合
メリット | デメリット |
---|---|
・仕事に対するモチベーション維持に繋がる ・配偶者控除等の税制優遇が受けられる | ・経済的な負担が増える |
男性の場合は、結婚を一つのステータスだと捉えている人も少なくありません。
結婚することで社会的な信用を得られる他、仕事に対するモチベーションの向上にも繋がることでしょう。
ただし、結婚すれば家計を支えなければいけない、という焦りや不安が生まれる上に、経済的な負担が増えるのは確かでしょう。
いまだに男性の多くは、自分が一家の大黒柱だと考えている人が大半であり、過度に自分を追い込み過ぎてしまう人も珍しくありません。
共働きが当たり前とされる現代社会においては、男性が働いて家族を養うというよりも、夫婦で家計を支える方が得策です。
女性の場合
メリット | デメリット |
---|---|
・出産や妊娠の基盤を作れる ・扶養控除等の税制優遇が受けられる | ・苗字が変わる ・家事の負担が増える ・結婚により仕事が続けなくなる |
結婚に対するリスクは、男性よりも女性の方が圧倒的に高いです。
なぜなら、女性の場合は結婚により仕事に悪影響が出るほか、それまでのキャリアが途絶えてしまう可能性があるからです。
その他にも夫婦によっては、夫が家事や育児に協力的でないケースも考えられます。
総合的なリスクを考えると結婚に対しては、男性よりも女性の方がより慎重にならざるを得ません。
メリットとしては、結婚することで夫が家庭を支えてくれるため、出産や妊娠の基盤を作ることができます。
女性の中には、安心して子供を産める環境が確保できなければ、結婚に至らないという考えを持っている人も少なくありません。
多様化した結婚観や恋愛観が進んでいる現代社会
最近は、法律的な結婚(法律婚)ではなく、事実婚を選択するカップルも増えてきています。
事実婚とは、夫婦関係でありながら婚姻届を役所に提出していない状態を指します。
事実婚が認められる条件としては、次の通りです。
- 共同生活を送っている
- お互いに夫婦だと認め合っている
- 周りの人たちも夫婦であると認めている
法律的な縛りはないものの、お互いと周りの認識がないと事実婚であると認められません。
事実婚は法律的な結婚ではないため、夫婦別姓でもOKな上に関係が終了しても、戸籍に何も影響がない点が大きなメリットです。
ただし、デメリットとしては親権が持てない上に、法律上は夫婦として認められませんので、控除等が使えずに税制面で不利になります。
男女にとって法律的な結婚が難しい場合は、事実婚などの第二の選択肢も考慮した上で、お互いに納得のいく関係性を築くのも一つの方法です。
結婚がくだらないと感じている方は、事実婚という選択肢があることも覚えておきましょう。
結婚に関するよくあるQ&A
結婚に関する多くの質問や疑問等の中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ回答を分かりやすくまとめてみました。
結婚に関して悩んでいる方は、結婚相談所や専門のカウンセラーに一度、相談してみるのもおすすめです。
Q.本当に賢い人は結婚しないのでしょうか?
賢い人は結婚しないのではなく、結婚したくても何かしらの理由でできないでいる場合が多いです。
例えば金銭的な問題や、出会いのなさなどが挙げられます。
人によっては必要性を感じていなかったり、恋愛よりも仕事に打ち込んでいる方など、結婚しない(もしくはできない)理由はさまざまです。
一概に賢い人は結婚しないと判断するのは、間違った認識になりかねません。
Q.結婚しない方が幸せではないですか?
幸せのカタチは人それぞれであり、あなたが結婚に何を求めるかによって異なります。
例えば結婚している人の中には、次のような項目に幸せを感じる方が多いです。
- 日常を共有できる
- 老後生活を支え合える
- 孤独感を感じない
一生孤独で生活するのも一つの幸せかも知れませんが、信じ合えるパートナーと一緒に歩むのも、また一つの幸せではないでしょうか。
Q.結婚したら趣味をやめるべきですか?
結婚したら必ずしも、趣味を辞めなければいけない訳ではありません。
夫婦間でよく話し合った上で、一緒に趣味を楽しむ選択肢もあります。
もちろんお金や時間等の問題により、趣味を辞めなければいけないタイミングが、いつかはくるかも知れません。
その時は、できる範囲内でまた新しい趣味を見つけるか、今の趣味との関わり方を変えるなどの工夫をすれば良いだけのことです。
Q.結婚しないと世間では半人前なのでしょうか?
昭和の頃は「結婚して一人前」といわれることが多かったですが、令和においては既に時代錯誤といえるでしょう。
結婚や恋愛に対する価値観は時代と共に変化しており、現代において結婚に対する考え方は、千差万別といっても過言ではありません。
独身か結婚かではなく、あなた自身がどのような人生を歩みたいかで判断しましょう。
まとめ
結婚が「くだらない」といわれる主な5つの理由に関して、分かりやすく解説しました。
- 自由な時間がなくなる
- 子供と結婚を結びつけている
- 仕事への悪影響やキャリアへの障害となる
- パートナーの家族や親族との付き合いが面倒
- 結婚と幸せが結びつかない
未婚化、晩婚化が進む現代社会において、結婚に対する考え方は人それぞれです。
中には結婚したくてもできない人もいらっしゃいます。
既に付き合っているパートナーがいる場合は、一度お互いの結婚観に関して話し合ってみてはいかがでしょうか。
もしかしたらあなたの結婚観が、変わるきっかけになるかも知れません。
結婚は人生における一大イベントですので、「くだらない」と最初から決めつけずに、まずは気の合うパートナーを探してみましょう。
コメント