仮想通貨は、ネズミ講とポンジスキームを掛け合わせた詐欺なのでしょうか?
仮想通貨投資に関するマルチ商法が多いのはなぜですか?
仮想通貨とは、そもそも中央管理者がいない、完全に独立したデジタル通貨を指します。
仮想通貨自体が詐欺という訳ではなく、仮想通貨に関連した詐欺師が横行したことにより、誤った認識を持つ人が増えたのが要因です。
日本でも仮想通貨に投資する人が年々増加傾向にあり、それに伴い関連性の高い詐欺被害も年々増えてきています。
ニュースなどでも度々取り上げられることが多く、国内取引所も今では29社が、金融庁の「暗号資産交換業者」に登録されています。
この記事では、仮想通貨に関連するネズミ講やポンジスキームなどの詐欺事例を紹介すると共に、万が一、詐欺被害にあった際の相談先や、対処法などを解説しています。
仮想通貨関連の詐欺被害は増えているため、事前にどのような手口で行われているのかを、しっかりと把握して予防に努めましょう。
仮想通貨とネズミ講の違い
日本でも仮想通貨投資により、短期的に一攫千金を叶えた人が多数排出されました。
他の金融商品と比較して圧倒的にボラティリティが高く、短期間で大きな利益が狙える反面、逆に短期間で大きく資産を減らしてしまう可能性もあります。
一種の博打のような仮想通貨投資ですが、「短期間で大金が稼げる」という話題性だけが先行してしまい、投資に対して誤った認識を持ってしまう人も少なくありません。
仮想通貨投資を始める際には、必ず基本的な知識を身につけた上で、取り組むようにしてください。「とりあえず」でやるのは、とても危険性が高いです。
\ 仮想通貨に関して詳しく知りたい方はこちら /
ネズミ講の仕組み
ネズミ講とは、その名の通りネズミの家系図のようなピラミッド型の組織構造になっており、日本では法律で禁止(無限連鎖講の防止に関する法律)されている行為です。
ネズミ講の具体的な手口としては、会員制となっている組織に第三者を加入させて、入会金を徴収することで、その何割かが組織の上の人間に入る仕組みです。
新規加入した会員は、また新たに第三者を勧誘して組織に加入させ、入会金を徴収する訳です。
マルチ商法であれば、商品やサービスを提供した後に金銭の受け渡しがありますが、ネズミ講の場合は金銭の受け渡しのみになります。
ちなみにマルチ商法は、ネズミ講とは異なり、厳しい規制があるものの法律では禁止されていません。
ポンジスキームの仕組み
ポンジスキームとは、1910年ごろに大規模な投資詐欺を働いた、詐欺師「チャールズ・ポンジ」氏の名前からきている詐欺行為です。
日本でも度々投資に関するポンジスキーム詐欺被害が、ニュースや新聞などで話題となっています。
ポンジスキームの具体的な手口としては、最初に高利回りである投資案件を投資家に持ち掛け、高い配当金を支払うことを約束し、その後集めたお金を持ち去る訳です。
巷ではよく「うまい話にはウラがある」と言われますが、投資に関するうまい話には、決して安易に乗らないようにしましょう。
あまりにも詐欺被害が多いため、金融庁でも度々注意喚起が行われています。
\ 仮想通貨投資に興味がる人は要チェック /
仮想通貨への投資を持ちかけるマルチ商法が増えている理由
マルチ商法による被害者が増えている理由に関しては、さまざま挙げられます。
- 投資や副業などに関する知識が浅い
- 「簡単に稼げる」などの怪しいコピーに騙されてしまう
- 詐欺師は若者をターゲットにしている
詐欺師側は、副業や投資などの話題性が高いものに紐付けて、マルチ商法で巧みに消費者を騙そうとしてくるため、くれぐれも注意してください。
マルチ商法による国民生活センターへの相談件数は、毎年約1万件前後を推移しており、一回の契約金の金額もかなりの大金です。
大体、一回あたりの契約金が30〜50万円台を推移しており、大学生が仮想通貨に関するツールやサービスを消費者金融を利用して、契約するケースも珍しくありません。
特に若者が狙われやすいため、少しでも怪しいと感じた場合は、信頼できる人に必ず一度相談してください。
\ もっと詳しく知りたい /
仮想通貨に関するネズミ講やポンジスキーム等の詐欺事例
実際にあった仮想通貨に関する詐欺事例を3つに絞って、それぞれ分かりやすくご紹介します。
どれもよくあるケースですので、仮想通貨投資に少しでも興味がある人は、詐欺被害に遭わないように参考にしてみてください。
事前に事例を把握していれば、未然に詐欺被害を予防できます。
身元不明の海外アカウントからの勧誘
画像投稿のSNSで外国人女性と知り合った。無料通話アプリのIDを交換し、頻繁に連絡を取り合うようになった。
暗号資産への投資でもうけられると勧められ、指示に従って国内の暗号資産交換業者に自身の口座を開設し、330万円をクレジットカードで決済し入金した。(以下省略)
出典:国民生活センター
SNSを通じた海外アカウントからの勧誘は、かなり被害が多いため注意が必要です。
特にTwitterを通じての被害が後を絶たず、知らないアカウントからDMが来たことをきっかけに、詐欺に巻き込まれるケースが非常に多いです。
全てのDMが詐欺目的という訳ではありませんが、基本的に知らないアカウントからの連絡は、安易に信用しないようにしましょう。
同僚からの仮想通貨投資に関する誘い
職場の同僚に「AIが判断して暗号資産に投資するシステムでもうかっている。一緒にやらないか」と誘われたあと、セミナーでも契約を促された。
資金がないと言うと「消費者金融で借りてもすぐに返せる」と2つの消費者金融で借金するよう指示された。60万円を借りてそのまま同僚に手渡した。(以下省略)
出典:国民生活センター
信頼性が高い同僚や友人、知人からの投資や副業等に関する勧誘は、意外に断り難いものです。
普段から顔を合わせている知り合いからの勧誘であれば、尚更無視する訳にもいかず、ついつい話だけでも聞いてしまう人も多いです。
しかし、仮想通貨に関する上手い話の大半は、詐欺である可能性が高いため、安易に入金や契約などを行わないようにしてください。
ネット広告からの誘導によるマイニングサービスの販売
リードは、インターネット上の広告に「仮想通貨で稼げる」などと掲載し、毎月30万円を受け取り続けるためにはLINE登録が必要などとして、SNSのLINEにおいて、リードが運営するビットコインジャパンプロジェクトのアカウントを友だち登録させます。(以下省略)
出典:消費者庁
LINEやメルマガへの誘導から徐々に読者と信頼関係を深めた上で、最終的に高額な情報商材やツール、サービスなどを購入させる手口は、立派なマーケティング戦略の一つです。
しかし、全く中身のない情報商材やツールなどを、掴まされることも珍しくありません。
インターネット上には、確かに有力な情報も多いですが、それと同時に怪しい情報もかなり多いため、安易に信頼して登録や契約などをしないようにしましょう。
\ 合わせて読むべき記事 /
日本政府の仮想通貨に対する見解【2023年時点】
日本政府は、仮想通貨を取り巻く状況を見つつ、適切な規制を施すことで仮想通貨の利用を促進しています。
消費者保護を図るとともに、マネーロンダリングやテロ資金の流通を防止することを目的として、仮想通貨に対する見解を発表しています。
最新の見解としては、2022年4月に発表された「仮想通貨に係る政策に関する検討会報告書」が挙げられるでしょう。
この中では、仮想通貨をより一層普及させるために、次のような取り組みが提言されています。
- 仮想通貨取引所に対する規制を強化する
- 仮想通貨に係る税制を整備する
- 仮想通貨を利用する金融サービスを拡充する
また日本政府は、仮想通貨に係るリスクについても警鐘を鳴らしています。
特に投資リスクやセキュリティリスク、法的リスクなどについては、消費者が自己責任を持って理解し、適切に対処することが求められるでしょう。
日本政府としては、仮想通貨に関して否定的ではなく、前向きに実社会への浸透を考えているといった感じです。
仮想通貨の詐欺被害にあった際の相談先と対処法
万が一、仮想通貨に関する詐欺被害にあった際には、次の窓口に一度相談してみてください。
- 金融サービス利用者相談室:0570-016811
- 消費者ホットライン:局番なしの188(いやや!)
- 警察相談専用電話:#9110
もしくは最寄りの警察署に連絡して、事情を説明しましょう。
被害者の中には、慌てて失ったお金を取り返そうとして、見ず知らずの第三者に相談して二次被害に遭うケースも珍しくありません。
二次被害に遭わないためにも、必ず公的な相談窓口を活用してください。
詐欺被害にあってもまずは落ち着いて状況を整理し、公的な相談窓口を活用して、その後の対策を立てるようにしましょう。
\ 各相談窓口の公式サイト /
まとめ
仮想通貨自体は決して詐欺という訳ではありませんが、関連したツールやサービス等を活用した詐欺事例は非常に多いです。
既に多くの被害が出ているため、これから仮想通貨投資をはじめようかと検討している人は、より一層の注意が必要です。
自分に限ってそのようなことに巻き込まれることはない、と思っている人ほど騙されやすいため、事例を把握した上で予防に努めましょう。
「簡単に稼げる」などの甘い言葉に踊らされないように、くれぐれも注意してください。
コメント