定年退職はいつがいい?知らないと損する定年前の失業給付に関する話

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定年退職するタイミングは、いつがいいのだろうか…。

世間では早期退職者を募っている企業も多いですが、退職後の生活を考えるとなかなか退職のタイミングが図りずらいです。

そもそも定年とは、高齢者雇用安定法によると原則65歳まで働くことを指します。

とはいえ、定年退職の年齢は所属している会社によって異なります。

厚生労働省「就労条件総合調査」によると、定年を60歳と定めている企業は全体の8割であり、残りの約2割は65歳と定めているようです。

定年退職するタイミングは個人の状況によっても異なりますが、失業給付金をより多くもらいたいと考えるのであれば、話は別です。

定年退職するタイミングが悪いと受け取る金額も少なくなりますので、これから定年退職を検討されている人は知っておいて損はないでしょう。

この記事では定年退職はいつがいいのかに関する回答や、定年前に知っておきたい制度やお金等に関する情報を、分かりやすくまとめています。

最後まで読んでいただくことで、あなたのベストな定年退職の時期が把握できるはずです。

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定年退職する会社員は全体の約15%と少ない

厚生労働省「令和元年 高年齢者の雇用状況」調査によると、定年退職を希望する会社員は全体の約15%とかなり少ないです。

ほとんどの方が継続雇用の制度を活用して働くことを選択しており、会社が定めている定年退職の年齢ですんなりと退職する人は稀だといえます。

また、内閣府が発表した「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」では、50代の約20%が「年金を受け取れる年齢になるまで働きたい」と回答しています。

人生100年時代と呼ばれる昨今ですが、老後生活のことを考えるとなかなか定年で退職することを踏み切れない人が多いのが、現状だといえるでしょう。

“高年齢雇用継続給付金”は段階的に廃止される方針である

高年齢雇用継続給付“とは、企業に再雇用される60歳以降の人で受け取る賃金が以前の75%未満になった場合、最大で賃金の15%が支給される制度です。

継続雇用を選択した人からすると大変ありがたい制度ではありますが、日本政府は制度の見直しを行い、今後は段階的に廃止するような方針を打ち出しています。

実際に令和7年4月1日からは、給付率が15%から10%に縮小する予定です。

給付率が縮小されるとなると、継続雇用を選択した場合の手取りは、もちろん少なくなることが予想されます。

そのため、現時点で定年退職を検討されている方は、制度の改正情報などもしっかりと把握しておかなければいけません。

担当FP

定年退職する際には、周辺制度の改正により状況が変化することも十分に考えられます。

自身でも十分に調べた上で、判断するようにしましょう。

“失業給付金”を多く貰うためには「64歳11カ月」までの退職が望ましい

多くの人の場合は65歳を迎えた月に退職することが多いですが、65歳を迎えた月に退職すると、雇用保険の失業手当の金額が大きく変わってきます

具体的には65歳以上で退職した人は、”失業手当”ではなく”高年齢求職者給付金“が支給されるようになっており、失業給付をもらえる時期が3倍も異なります。

  • 失業手当:最大で150日間給付される
  • 高年齢求職者給付金:最大で50日間給付される

失業給付金をできるだけ長い期間多く受け取るためには、65歳の月に定年退職するのではなく、64歳11ヶ月までに退職しなければいけません。

また、老齢年金と失業手当は64歳までは、どちらか一方しか受け取ることができたないため、仮に失業手当の手続きを64歳の時点で行ってしまうと、年金がストップします。

そのため、ベストな方法としては64歳11ヶ月のタイミングで会社を退職して、失業手当がもらえる状態にしておき、その後65歳になってからハローワークで、失業手当の手続きを行うのがおすすめです。

注意点としては、退職日を変更するなどの会社側の調整が必要だということです。

最悪の場合、退職日を変更したことで退職金や給与が減額されたり、自己都合での退職扱いにされたりしてしまいかねません。

会社側の調整が難しいようであれば、無理に退職日を変更することは避けた方が良いでしょう。

65歳を超えて頻繁に”高年齢求職者給付金”を受ける人もいる

余談になりますが、2017年に雇用保険の制度改正が行われたことで、雇用保険に加入できる年齢が65歳以上でも可能となりました。

それまでは65歳で定年退職した後に、一度「高年齢求職者給付金」を受け取ると、その後は再就職先を退職しても、受け取ることはできませんでした。

しかし、制度の改正が行われたことで、以降は条件さえ満たせば何度でも「高年齢求職者給付金」が受け取れます。

具体的な受給条件は、退職日以前の1年間で合計6ヵ月以上、”雇用保険”に加入していることです。

そのため、高齢者の中には何度も制度を利用して、「高年齢求職者給付金」を受け取っている人も実際にいるようです。

担当FP

勤め先によっては制度の改正を知らずに、65歳以上の雇用保険への加入手続きを行っていないところもあるため、自身でもしっかりと確認しましょう。

また、雇用保険は過去2年分までは、さかのぼって加入することもできます。

定年退職後の失業保険(失業給付金)のもらい方【簡単6ステップ】

  1. 住所地にあるハローワークで求職申込を行い、「雇用保険被保険者離職票」等を提出する
  2. 不備がなければ「雇用保険受給者初回説明会」への案内通知が届く
  3. 待機期間(7日間)後に「雇用保険受給者初回説明会」が開かれる
  4. 「第1回失業認定日」まで各自で求職活動を行う
  5. 「第1回失業認定日」の際に「失業認定報告書」を提出する
  6. 書類に不備がなければその後1週間以内に、指定口座に入金される

失業認定は4週間に1度開催されるため、その都度にハローワークまで通わなければなりません。

合わせて”失業認定日”には、毎回求職活動に関する報告を行う必要があります。

また、退職理由よって失業給付金の支給日が、異なる点も把握しておきましょう。

  • 自己都合退職:待機期間(7日間)に加えて2ヶ月後に給付開始
  • 会社都合退職:待機期間後に給付開始

定年退職した場合は、自己都合退職ではなく”会社都合退職”扱いになります。

そのため、7日間の待機期間後には、失業給付金が指定口座に入金されます。

担当FP

失業給付金の申し込み方法の詳細に関しては、ハローワークインターネットサービスからご確認いただけます。

その他、最寄りのハローワークへ、直接問い合わせても良いでしょう。

定年退職する際の”退職金”は一般的に一時金で受け取るのがお得

定年退職を検討されている方は、退職金の受け取り方に関しても、考慮しなければなりません。

退職金の受け取り方には2つの方法があります。

一つは”一時金”として一括で受け取る方法、もう一つは年金として”分割”で受け取る方法です。

一般的に退職金は一時金として受け取る方法を選ぶ人が多く、理由としては税金面で優遇されていることが挙げられます。

退職所得の計算式
  • 勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数
  • 勤続年数20年超:800 + 70万円 × (勤続年数 ー 20)

一時金で受け取ることで給与所得ではなく、退職所得として扱われ税金面でかなり優遇が受けられるということです。

また、一時金として退職金を受け取る際には、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出することで、所得税は源泉徴収され確定申告が不要になります。

担当FP

退職金を分割で受け取る場合は、税金面で損することになりますが、終身年金として受け取ることができれば長生きするだけお得になります。

双方、特徴が異なりますので、一度勤めている会社の経理担当者に相談してみると良いでしょう。

まとめ

定年退職を行うタイミングに関して、詳しく解説してきました。

雇用保険をうまく活用して、失業給付金をより多く受け取りたいのであれば、64歳11ヶ月の時点で退職するのが良いでしょう。

しかし、実際には個々に状況が異なるため、一概にはいつ辞めるかはハッキリとは言い難いのが本音です。

万が一、ここまで読んでも自身では定年退職するタイミングが分からないという方は、一度FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談してみることをおすすめします。

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