40代独身女性の老後資金は、どのくらい必要なの?
他の人たちはどのくらいの貯蓄を蓄えているのかしら。
内閣府が発表している”少子化社会対策白書“によると、女性の生涯未婚率の割合は年々増加傾向にあり、2020年の時点で全体の約2割近くが、生涯未婚であることが分かっています。
老後に対する不安は皆同じく抱えており、40代独身女性も例外ではありません。
基本的には40代から老後に対する備えを、始めるのがベストとされています。
これから始めようと考えている人は、決して遅くはありませんので安心してください。
この記事では40代独身女性に的を絞った老後資金に関する情報や、平均貯蓄額、老後のリスク等を分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、老後生活の不安を解消することができるでしょう。
40代独身女性の平均年収と平均貯蓄額
平均年収 | 約399万円 |
金融資産残高 | 約799万円 |
金融負債残高 | 約446万円 |
総務省の調査によると、40代独身女性の平均年収は約399万円であり、貯蓄に関しては平均799万円という結果が出ています。
40代で独身ということもあり、結婚して子育てを行っている人と比較すると、個人でしっかりと貯蓄している人が多い印象です。
また、金融広報中央委員会の調査によると、40代全体の約5割は”貯蓄なし”と回答しています。
金融広報中央委員会のデータは、あくまでも40代全体の統計なので、子育てやマイホームの購入といったライフイベントを考慮すると、貯蓄がない人が多いのも理解できます。
女性の場合は男性よりも結婚に対して慎重な人が多く、最近は生涯独身を選択する人も増えてきています。
働き方の多様化により、昔と比較して女性の社会進出がより積極的になってきているのも、要因の一つです。
独身女性が将来受け取れる公的年金の金額
公的年金や退職金だけでは老後資金としては不十分ですが、その具体的な金額を把握しておくことはとても重要なことです。
実際にどの程度の金額を将来受給できるのかが把握できれば、足りない金額をどのような手段で補填すれば良いのか考えやすくなります。
公的年金の受給額に関しては、「ねんきんネット」のサイトから必要な数値を入力するだけで、簡単に将来の年金受給額を算出することが可能です。
公的年金の受給額は個人によって異なりますので、把握できていない方はシミュレーションを行ってみてください。
40代独身女性の1ヶ月の生活費は約18万円
総務省の調査によると、40代独身女性の平均的な1ヶ月間の生活費は、約18万円という結果が出ています。
生活費の内訳としては、主に家賃や交通費・通信費、食費等が大部分を占めており、交通費が多いことからもアクティブに活動している人が多い印象です。
その他、40代にもなると老後のことを考えて、持家か賃貸かといった悩みを持つ人も多く、老後は田舎で古民家を購入することを検討している人も一定数います。
住宅に関しては、どちらが良いかはケースバイケースなので、慎重に判断する必要があるでしょう。
仮に持家を選択したとしても、それなりにまとまったお金が必要となりますので、一度FPなどの専門家に相談することをおすすめします。
40代の多くが老後生活に対する”お金の不安”を抱えている
順位 | 不安に感じること | 割合 |
1位 | 老後の生活設計 | 72.5% |
2位 | 自身の健康 | 54.0% |
3位 | 住まいにかかる費用 住まいのあり方 | 49.5% |
4位 | 年金 | 43.5% |
5位 | 親などの介護 | 41.5% |
6位 | 家族の健康 | 41.0% |
7位 | 老後の仕事、再就職 | 30.0% |
日本FP協会の調べによると、40代がもっとも不安に感じていることは、“老後の生活設計”に関してでした。
老後どのような生活を送れば良いのかや、老後資金としてどの程度のお金が必要なのか、などに関して大半の40代が悩みを抱えています。
しかし、お金に関しては40代からしっかりと資産運用に取り組むことで、問題を解決することが可能です。
対して、”自身の健康”に関しては、自己管理能力が強く問われる他、どれだけ気をつけていても病気や怪我のリスクは、100%回避するのは不可能です。
老後の備えとしてお金以外にも”健康”や”人脈”が欠かせない
老後の備えとして一番にお金の心配が上がりますが、”健康”や”人脈”なども老後生活には欠かせません。
いくら多くのお金を所持していても、身体が健康でなければ、老後生活を快適に過ごすことはできないでしょう。
また、多くの人が定年退職後も、働く前提で考えなければいけませんので、現役時代の人脈作りは大変重要になってきます。
お金、健康、人脈の3つの項目は、老後生活においてはなくてはならないものです。
40代独身女性が考えておくべきリスク
- 女性特有の病気や怪我
- 収入の減少
40代独身女性の老後生活で考えられるリスクは、主に2つ挙げられます。
中でも、女性特有の病気や怪我等は、年齢が高くなるとリスクも比例して高くなりますので、注意が必要です。
国立がん研究センターがん対策情報センターの調査によると、女性の12人に1人が乳がんになっているようです。
その他、収入の減少なども考慮しなければなりません。
女性特有の病気や怪我
女性特有の病気や怪我等に関しては数多くの挙げられますが、その中でも注意して欲しいのが乳がんや子宮がん、卵巣がんなどです。
幸い、日本は公的保険が手厚いため、万が一高額な医療費を請求されたとしても、3割負担ですみます。
しかし、がんなどの重い病気は、公的保険だけではカバーすることが難しいため、がん保険等を活用する人も少なくありません。
その他、”高額療養費制度“も積極的に活用すべきでしょう。
女性に限らず独身者は、病気や怪我等に対して1人で対処しなければならないため、万が一のリスクに対しては、しっかりと備えておくことが重要になります。
収入の減少
収入の減少に関しては、どの年齢の人でも必ず考えておかなければいけません。
特に近年は変化の激しい社会環境となっているため、いつ状況が変化してもおかしくないでしょう。
万が一、今の収入が0になったとしても、最低でも半年から1年間は暮らしていけるような、”生活防衛資金”を確保しておくべきです。
また、定年退職後には高確率で現役よりも収入が減少しますので、その点も考慮しておきたいところです。
40代独身女性が賢く貯金する3つの方法
- 現状を整理して無駄な支出を無くす
- 固定費の見直しを行う(保険や家賃、通信費など)
- 先取り貯金を行う
40代独身女性の中には、貯金が苦手な人もいるはずです。
貯金が苦手な人でも3つのことに取り組むだけで、簡単に貯蓄を作ることができます。
まずは現状を整理して、自身がどのようなモノやサービスにお金を活用しているのかを、しっかり把握しましょう。
現状を整理して無駄な支出を無くす
何にどの程度毎月お金をかけているかに関しては、人によって異なります。
そのため、まずは収支管理を行うためにも、家計簿をつける習慣を持つことが大切です。
毎月数字で分かりやすく見える化することで、どのような項目がいわゆる”無駄使い”に該当するのか、冷静に判断できます。
とはいえ、あまりにも切り詰めてしまうと、精神的なストレスに繋がりかねませんので、無理なく取り組むことが大切です。
固定費の見直しを行う(保険や家賃、通信費など)
毎月の出費の中でも特に大きな割合を占めているのが、家賃や保険、通信費などの固定費になります。
そのため、節約を行う際にはまずは、固定費の見直しを行う必要があります。
独身であればそれほど広い部屋を借りて住む必要性もありませんし、保険等に関しては最小限で十分です。
また、通信費に関しても格安SIM等を活用することで、大幅な出費の削減に繋がります。
その他、毎月の支払いを1枚のクレジットカードに一元化することで、より収支管理が効率化されます。
先取り貯金を行う
“先取り貯金”とは、毎月支払われる給与から自動的に、貯蓄する金額を差し引く方法を指します。
月末に余った金額を貯金するのではなく、月初に自動的に口座(もしくは給与)から差し引かれるため、貯金が苦手な方でもしっかりと貯蓄を増やすことができるでしょう。
また、先取り貯金を行うにあたり、おすすめの制度としては主に5つ挙げられます。
- 自動積立定期預金:毎月決まった金額を自動積立
- 社内預金:給与天引きで会社に預金
- 財形貯蓄:給与天引きで目的にあわせて貯蓄
- つみたてNISA:自動で積立投資
- iDeCo:節税しながら老後資金を貯蓄
それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の状況や目的に適した制度を活用して、先取り貯金を行ってみてください。
40代から取り組みたい老後資金作りのための資産運用
老後資金が不安な人は、40代から”つみたてNISA”や”iDeCo”等を活用した、資産運用に取り組むことをおすすめします。
長期的なスパンで積立投資を行うことで、毎月少額から始めることができる上に、税制優遇も受けられるためかなりメリットは大きいです。
また、国が推進している制度なので信頼性も高く、すでにインターネット上にも多くの情報が出回っています。
超低金利時代において、銀行預金だけでは不十分ですので、老後に備えて個人で資産を運用する必要があります。
とはいえ、その仕組み自体をしっかりと理解していないと不安が残るため、まずは自身で制度の内容を調べることから始めてみてください。
40代独身女性の老後資金に関するよくあるQ&A
40代独身女性の老後資金に関する多くの質問や悩みの中から、特に多かった内容だけに絞って、回答を分かりやすくまとめました。
該当する内容で自身も気になっている方は、参考にしてみてください。
また、取り上げていない内容で気になっている人は、ライフプランニングの専門家であるFPに、直接相談するのも一つの方法です。
Q.同じ40代独身女性の他の人の生活が気になります
不安になると周りが気になるのは、誰もが感じることです。
しかし、同じ40代独身女性でもそれぞれ置かれている状況が異なるため、仮に他の人の話を聞いたとしても、あまり参考にはならないでしょう。
それよりも自身の状況をしっかりと把握し、将来どのような人生を歩みたいのかを本気で考えて、今できることや目の前のことに集中することです。
Q.老後不安は男性よりも女性の方が、圧倒的に強いのでしょうか
確かにいくら女性が働きやすい社会になったといっても、実際には男性よりも女性の方が給料は低いですし、生涯年収もまだまだ男性の方が上です。
そのため、老後の不安に関しては独身男性よりも独身女性の方が、強いかも知れません。
しかし、早期に対策を打つことで、問題は解決できるものばかりなので、直前になって考えるのではなく、今からコツコツと準備することが大切です。
Q.よく聞く”老後2,000万円問題”が気になり、自身の老後が不安です
結論からいうと、老後2,000万円問題はあくまでも一つの仮定に基づいた話なので、必ずしも全員に当てはまる問題ではありません。
しかし、少子高齢化による年金問題や退職金の減少、人生100年時代など、挙げられている根拠としては、どれも軽視できません。
解決策としては個人で資産運用を行い、長期的に老後のための資産形成を行う必要があるといえます。
Q.老後資金500万円の運用方法に関して悩んでいます
現時点で老後資金として、500万円を確保しているのであれば、より元手を増やすような資産運用を行うことをおすすめします。
例えば”つみたてNISA”や”iDeCo”等を活用して、いきなり全部を投資に回すのではなく、徐々に積み立てていく方法がおすすめです。
まとまったお金があると、ついつい一括投資を行いたくなりますが、リスクが高いため基本的にはおすすめしません。
まとめ
40代独身女性の老後資金はいくらあれば安心なのか、に関して分かりやすく解説してきました。
結論をいうと、老後資金は自身の数字に置き変えて算出する必要があるため、具体的にどのくらい必要であるとは言い難いです。
より具体的な老後資金を算出したいのであれば、まずはどのような老後生活を送りたいのかを、先に考えましょう。
その上で、将来受け取る公的年金や退職金を割り出し、足りない金額を”つみたてNISA”や”iDeCo”等を活用して、確保するのが得策です。
より具体的な老後のライフプランを計画したいのであれば、ライフプランニングの専門家であるFPに相談してみてください。
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