奨学金制度の申し込み期限を過ぎたらどうなるの?
奨学金制度にはどんな種類があるの?
基本的には奨学金制度の申し込み期限を過ぎてしまうと、その後の申し込みはできないようになっています。
しかし、学校側で奨学金制度の申し込みに間に合うように設定されているため、申し込み期限が近づく前にアナウンスしてくれるはずです。
申し込みが間に合わない例としては、子供が申込書を自宅に持ち帰って親に渡した時に、親が見過ごしてしまうケースです。
仮に一度申し込み期限を過ぎてしまった場合は、学校側に一度相談してみるのが得策でしょう。
この記事では奨学金制度の代表的な4つの種類と、それぞれの申し込み期限等に関して、分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、奨学金制度に関して正しく理解することができるでしょう。
制度を正しく理解した上で、利用するようにしましょう。
奨学金制度の主な4つ種類と申し込み期限
奨学金制度の種類としては、主に4つ挙げられます。
- 日本学生支援機構(JASSO)
- 大学独自の奨学金制度
- 地方自治体の奨学金制度
- 各種団体・そのほかの奨学金制度
奨学金制度は、主に給付型と貸与型の2つの種類に分かれており、給付型の奨学金は返還する必要はありません。
しかし、貸与型の奨学金は返還する義務があります。
それぞれの奨学金制度によって奨学金を受けられる基準が異なるほか、地方自治体によっても利用できる制度が異なります。
特に奨学金の返還義務がない給付型の奨学金制度は、定員数が少ない上に条件が厳しいです。
給付型と貸与型のどちらであるか、キッチンと理解した上で利用しましょう。
日本学生支援機構(JASSO)
“日本学生支援機構(JASSO)”は、もっとも一般的な奨学金制度です。
申し込み方法は、在学採用と予約採用の2つに分かれており、それぞれ特徴が異なります。
在学採用 | 予約採用 | |
---|---|---|
概要 | ・大学、専門学校へ入学した後に申し込む ・募集時期は原則「春」の1回のみ | ・高校3年生の時点で申し込む ・進路が未定でも申し込み可能 ・卒業後2年目までも申し込み可能 ・募集は年に2回 |
メリット | ・授業料が収入から特別控除される | ・初回の振り込みが早い ・最終手続きで変更可能 ・最終的に辞退することもできる |
また、日本学生支援機構の奨学金制度を利用する際の注意点としては、どちらの採用タイプで申し込んだとしても、実際に支給が開始されるのは進学後の5月以降となります。
そのため、入学金や前期分の授業料などの入学金費用は、奨学金では賄うことができません。
入学金費用に関しては、親と子どもでしっかりと話し合って、対応していく必要があります。
どうしても支払いが難しい場合は、銀行機関等の教育ローンを活用するのも一つの手でしょう。
親の失業や破綻、病気、死亡、災害等により家計が急変した際には、”緊急採用・応急採用“を活用することができます。
大学独自の奨学金制度
各大学では、独自に奨学金制度を学生に対して提供しています。
大学の奨学金を受けるためには、入学試験での成績や在学中での成績などが、ある程度の規定に達していなければいけません。
基本的には授業料の一部や全額免除(給付)する制度が代表的です。
各大学の奨学金制度は、「学校独自の奨学金制度(給付型)」で確認することができます。
地方自治体の奨学金制度
地方自治体の奨学金制度は、その自治体の住民であることが主な条件となります。
基本的には給付型ではなく、貸与型が大半です。
その他、地方自治体の奨学金制度は、他の奨学金制度と併用して活用することができない場合が多いのも、一つの特徴といえます。
各地方自治体の奨学金制度の詳細に関しては、「日本学生支援機構のサイト」から確認することができます。
各種団体・そのほかの奨学金制度
- あしなが育英会
- 教育ローン(国や地方の銀行機関など)
- 新聞奨学生制度
各種団体によるその他の奨学金制度としても、かなりの数があるため、実際に活用する際には自身で内容を把握した上で、申し込みを行うようにしましょう。
中でも有名なのは、あしなが育英会や地方の国や地方の銀行機関等が提供している、教育ローン等が挙げられます。
日本学生支援機構の奨学金制度の主な4つの種類
日本学生支援機構の奨学金制度の種類としては、主に4つ挙げられます。
- 第一種奨学金(無利子)
- 第二種奨学金(有利子)
- 入学時特別増額貸与奨学金
- 給付型奨学金
多くの学生が利用している、日本学生支援機構の奨学金制度に関する、主な4つのタイプを分かりやすくご紹介します。
2020年4月からは新たに、給付型奨学金も提供されるようになったので、基準に達している学生の方は、学費を無償で受け取ることが可能です。
ただし、給付型の場合は審査基準が厳しいため、誰もが受け取れる訳ではありません。
基本的には、貸与型を利用する学生が多いです。
第一種奨学金(無利子)
項目 | 詳細 |
---|---|
対象者 | 国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程) に在学する学生・生徒が対象です。 |
利子 | 無利子です。 |
選考基準 | 特に優れた学生及び生徒で経済的理由により 著しく修学困難な人に貸与します。 |
貸与額 | 学校種別(大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程))、 設置者(国立・公立・私立)、入学年度、通学形態(自宅通学・自宅外通学) によって定められた貸与月額のいずれかを選択します。 |
返還方式 | ・定額返還方式 ・所得連動返還方式 |
日本学生支援機構の奨学金制度の中で、無利子で活用できるのが”第一種奨学金”になります。
選考基準は学生成績が、特に優れた生徒でなければいけないことと、経済的な理由により著しく修学が困難な人に限られています。
第二種奨学金(有利子)
対象者 | 国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校(4・5年生) ・専修学校(専門課程)の学生・生徒が対象です。 |
利子 | 年(365日あたり)3%を上限とする利子付です。 なお、在学中は無利子です。 |
選考基準 | 第一種奨学金よりゆるやかな基準 によって選考された人に貸与します。 |
貸与額 | 大学院においては5種類の貸与月額から、 大学・短期大学・高等専門学校(4・5年生) ・専修学校(専門課程)においては 11種類の貸与月額から、それぞれ自由に選択できます。 |
返還方式 | ・定額返還方式 ・所得連動返還方式 |
日本学生支援機構の奨学金制度の中でも、もっとも多くの学生が利用しているのが”第二種奨学金”です。
第一種と比較して奨学金に対して、利子が発生するのが大きな違いになります。
また、選考基準としては第一種よりもゆるくなっており、成績が平均点以上であれば比較的誰でも受けることが可能です。
選考基準の詳細に関しては、日本学生支援機構のサイトからご確認いただけます。
入学時特別増額貸与奨学金
項目 | 詳細 |
---|---|
対象者 | 第一種奨学金又は第二種奨学金の申込者 |
貸与額 | 10万円・20万円・30万円・40万円・50万円 |
選考基準 | 本人の収入(定職、アルバイト、父母等からの給付、奨学金、 その他の収入により本人が1年間に得た金額) と配偶者の定職収入の金額の合計額が、120万円以下であること。 |
“入学時特別増額貸与奨学金”は、申込者の希望により入学月にプラスして、貸与額を増やすことができる制度です。
選考基準は、本人と配偶者の収入額となっているため、該当するためには収入面を工夫する必要がある人も多いです。
個人で判定するのが難しい場合は、直接”日本学生支援機構”に問い合わせてみてください。
もちろん、FPに相談してみるのも一つの手でしょう。
給付型奨学金
対象者 | 国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程) に在学する学生・生徒が対象です。 |
選考基準 | ・世帯年収や資産要件を満たしていること ・進学先で学ぶ意欲がある学生であること |
給付額 | 月々17,500円〜66,700円(※区分や通学手段によって異なる) |
“給付型奨学金”は、2020年4月から開始された返済義務がない奨学金制度です。
選考自体は成績だけでは判断されず、希望生徒のレポート内容なども考慮されます。
貸与型とは違い奨学金に返済義務がないため、申込者も多く実際に給付を受けるには、かなり難しい場合もあります。
日本学生支援機構の奨学金制度の申し込み手続きのやり方
日本学生支援機構の奨学金制度の申し込み手続きとしては、次の通りです。
- 学校から必要書類を受け取り、記載後に学校へ提出
- インターネット(スカラネット)で申込みを行う
- マイナンバーを所定の様式により機構へ直接郵送
- 高等学校等を通じて「採用候補者決定通知」等必要な書類を交付
- 進学先の大学等に必要書類(給付奨学生採用候補者決定通知)を提出
- 進学後にインターネットで「進学届」の提出を行う
- 正式に給付奨学生となり、奨学金の振込みが始まる
上記は高校生を対象とした申し込み手順ですが、基本的な流れに関しては、大学生の申し込み手順も変わりありません。
日本学生支援機構の奨学金制度を活用する際には、必ずマイナンバーカードが必要となります。
毎年申し込み期限が定められているため、学校側からのアナウンスを聞き逃して申し込み出来なかった、とならないように注意してください。
奨学金制度を活用する際の主な3つの注意点
奨学金制度を活用する際の主な注意点を、3つご紹介します。
- 申し込み期限が定められている
- 貸与奨学金は卒業後に全額返済しなければならない
- 定期的に学業に関する審査が行われる
奨学金制度を活用して学費を賄おうと考えている方は、主に3つの注意点を抑えておきましょう。
どの奨学金制度を利用するにしても、申し込み期限が定められているため、すでに活用することが決まっている場合は早めに動いた方が得策です。
貸与型の奨学金は、卒業後に全額返済しなければならないことも、考慮しておきましょう。
申し込み期限が定められている
国や銀行機関等の教育ローンであれば、365日いつでも申し込みが可能ですが、日本学生支援機構などの奨学金制度は、必ず申し込み期限が設けてあります。
基本的には所属している学校側から申し込み時期になると、学生を通して各家庭に通知がいくようになっています。
しかしながら、親子間のコミュニケーションミスで通知書が親の手に渡らず、申し込み期限を過ぎてしまうこともよくあることです。
貸与奨学金は卒業後に全額返済しなければならない
日本学生支援機構等の貸与奨学金を利用した方は、卒業後に全額返済の義務が生まれます。
返済方式としては、”定額返還方式”と”所得連動返還方式”の、どちらか選べるようになっています。
また、日本学生支援機構の”第二種奨学金”を利用している人は、卒業後から利子も発生しますので、必ず把握しておきましょう。
万が一、返済が困難な場合は、”減額返還制度”などが利用できるようになっているため、早期に申請するようにしてください。
貸与型の奨学金は返済義務があるため、卒業後は借金として残ります。
将来自身で返済することも考えて、できる限り必要以上の金額は借りないようにしてください。
定期的に学業に関する審査が行われる
日本学生支援機構等の奨学金制度では、定期的に学業に関する審査が行われます。
学生生活の全般を通して、奨学生に相応しくないと判断された場合は、最悪途中で奨学金の支給が止められる恐れがあります。
日本学生支援機構では、毎年1回”奨学金継続願”を提出するようになっており、適格認定で”継続”以外の廃止・停止・警告を受けた人は、学校より通知書が交付されるでしょう。
奨学金制度に関するよくあるQ&A
奨学金制度に関する多くの質問や悩みの中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ分かりやすくまとめてみました。
奨学金制度で同じように悩んでいる人は、参考にしてみてください。
取り上げていない内容で気になることがある方は、FPに一度相談してみるのも一つの方法です。
Q.奨学金を卒業後に返済できるか不安です…
日本では「借金=悪」と受け取る風潮がありますが、奨学金などの借入金はあくまでも、将来のお金の前借りと考えて利用するものです。
なので奨学金を活用すること自体を、恐れることはありません。
実際に奨学金制度を利用した人の完済率は、約9割以上ととても高いです。
貸与型の奨学金は返済義務がありますので、卒業後の返済シミュレーションをしっかりと行った上で、利用することをおすすめします。
Q.奨学金制度は在学中に申請することはできますか?
日本学生支援機構の奨学金制度は、高等学校在学中でも予約採用を活用することで申請が可能です。
ただし、実際に奨学金が支給されるタイミングは、大学へ入学した後なのでその点を考慮した上で、申請するようにしましょう。
Q.奨学金制度は海外の大学へ進学する際も活用できますか?
日本学生支援機構には、海外へ進学する人にも奨学金制度を提供しています。
海外の学校への進学で利用する場合は、通常と適用条件が異なるため、必ず詳細を確認した上で活用するようにしてください。
Q.大学へ進学する為に利用する奨学金制度はどこがおすすめ?
現状だと大学生の過半数が、日本学生支援機構の奨学金制度を利用しています。
ただし、その他にもさまざまな奨学金制度がありますので、一度ご自身でも調べた上で検討するのが良いでしょう。
まとめ
日本学生支援機構の奨学金制度は、基本的には申し込み期限を過ぎてしまうと、その後の申し込みは出来ないと解説しました。
その他の奨学金制度も毎年申し込み期限が設けられているため、利用する際には予め申し込み時期を確認した上で、早めに動くことが大切です。
その他、奨学金制度に関することで悩んでいる方は、一度学校側に相談するか、FPに相談してみると良いでしょう。
奨学金制度の利用は、慎重に判断しましょう。
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