定年退職後の生活には、どのくらいのお金が必要なのかしら…
周りがどのような定年後の生活を、送っているのかも気になるわ。
定年退職後の生活に不安を感じている人は、なにもあなただけではありません。
日本政府は”高年齢者雇用安定法“により、65歳まで定年を引き上げる法整備を行いました。
そのため、2025年4月からは全ての企業で、65歳定年制が義務化されます。
65歳まで働くと仮定した際に、その後の生活に関して50代でしっかりとイメージすることが、とても大切です。
この記事では定年退職後の生活に必要なお金や、充実した暮らしを実現させるために必要な考え方に関して、分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、定年退職後の生活に対する不安を、解消することができるでしょう。
定年退職後に夫婦で今と同じ生活をする為には月22万円必要
生命保険文化センターの調べによると、定年退職後の生活に最低限必要な生活費としては、平均して月額22.1万円という調査結果が出ています。
月額22.1万円は夫婦2人で生活した場合ですので、独身の方はそれ以下の生活費でも、暮らせる可能性が高いです。
とはいえ、月22.1万円の生活費は最低限の生活を維持するための金額なので、ゆとりある定年後の生活を望んでいる人には心許ないでしょう。
休日は夫婦で旅行に出かけたり、趣味の語学学習等を楽しんだりするためには、平均して月々36.1万円が必要という調査結果が出ています。
“最低生活費”と比較すると、プラス14万円は月々必要になる計算です。
ゆとりある定年後の生活を送るためには、しっかりと40代50代の時点で老後生活を具体的にイメージし、早期に備えることが大切になります。
定年退職後は”公的年金”と”企業年金”だけでは生活が厳しい
厚生労働省の調査結果によると、日本人の平均寿命は2019年の時点では、男性81歳、女性は87歳となっています。
「人生100年時代」と呼ばれるように、定年後の生活がどの程度長くなるかは、誰にも予測がつきません。
とはいえ、最低でも定年してから20年は続くと仮定した際に、とてもではありませんが公的年金や企業年金だけでは、生活するのが難しいでしょう。
厚生労働省「2019年(令和元年) 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の平均所得は約312万となっています。
月に換算すると26万円の所得となりますので、最低限の生活はできそうですが、ゆとりある定年後の生活を実現するのは難しいといえます。
30代40代のうちからしっかりと資産運用を行い、老後生活に備えることが大切です。
銀行預金だけでは不十分ですので、つみたてNISAやiDeCo等を活用して積極的に、資産を運用し増やすことを考えましょう。
定年退職後の生活を充実させるために必要な3つのこと
- 生きがいを見つける
- 生活に運動を取り入れ健康管理を怠らない
- 定年退職後の生活にスムーズに移行できるよう50代から準備する
定年退職後の生活をより充実したものにするためには、生きがいとなる具体的な目標や、目的を持つことが大切です。
仮に定年退職したとしても、その後も再就職することはできますし、趣味やボランティア活動に精力的に参加することもできます。
一定期間何もしないというのも一つの選択ですが、人間はよりアクティブに活動した方が、より良い人生を送れるものです。
生きがいを見つける(趣味や仕事など)
定年退職後に豊かな生活を送るためにも、自身が没頭できる仕事や趣味等を見つけること、が重要になります。
定年後にただボーと過ごすことが多くなると、早々にボケてしまったり、アクティブに活動している同年齢と比較して老いて見えたりします。
想像してみてください。
定年後もボランティア活動として、20代と一緒にアクティブに活動している人と、自宅で毎日テレビや新聞だけをみて、ゴロゴロ過ごしている人とでは、全く生活の充実度が異なるはずです。
生活に運動を取り入れ健康管理を怠らない
定年退職後の生活をより充実したものにするためには、健康な身体が必要になります。
年齢が高くなればなるほど、病気や怪我のリスクは高まりますので、若い時のような無茶はできなくなることでしょう。
人によっては若い時に無茶をし過ぎて、定年時期になってから身体に不調が出てきた、という人も少なくありません。
また、定年退職後の生活になってから、毎日の活動量が減ったことで、体重が今よりも増加したり、運動不足に陥ってしまったりする人も多いです。
定年退職後の生活にスムーズに移行できるよう50代から準備する
目的や目標を達成させるためには、何事も準備が大切です。
定年退職後の生活に関しても同じで、より充実したゆとりのある生活を送るためには、50代のうちからしっかりと準備しておきましょう。
例えば定年退職後は、地方で一戸建ての一軒家を購入し夫婦で静かに暮らしたい、と考えているのであれば、早期に物件を探しておくことです。
また、地方で物件を探していることを、周りの友人・知人に話してみたり、周りがどのような定年後の生活を考えているのか、直接聞いてみたりするのも良い方法です。
より早く動くことで、あなたの定年後の生活に関する選択肢が増えるはずです。
定年退職後の生活で覚えておきたい老後の3大リスク
- 定年前の水準より収入が減少する
- 仕事中心の人間関係から大きく変化する
- 生活習慣病などの病気や怪我のリスクが高くなる
定年退職後の生活には、これまでにないような大きなリスクが3つ伴います。
特に収入面に関しては現役引退したことにより、大きく減少することになる上に、退職金や年金等だけでは生活を続けていくのは困難な場合が多いです。
そのため、人によっては生活費の確保のために、その後も新しい仕事に就くことが大半です。
定年前の水準より収入が減少する
定年退職後の選択として、元の会社で働く継続雇用を選択する人が大変多いです。
ハローワークや派遣会社を通じて、再就職する人も一定数いますが、就職先が簡単に見つかるとは限りません。
仮に継続雇用を選択した人は、現役の時よりも給料は減少しますが、働く環境は変わらないので、気持ち的には楽に感じることでしょう。
仕事中心の人間関係から大きく変化する
定年退職後の生活になると、これまで仕事中心だった人間関係がなくなり、社会との繋がりをなくしてしまう人も多いです。
そのため、人によっては社会との繋がりを保つ為に再就職したり、ボランティア活動に参加したりする人も多いです。
社会との繋がりや地域のコミュニティへの参加は、自身の生きがいにも繋がりますので、ある程度は確保するように努めましょう。
生活習慣病などの病気や怪我のリスクが高くなる
65歳以上になると日本では、”高齢者”扱いになります。
20代30代の若々しい時期とは異なり、65歳にもなると身体にも何かしらの影響が出始め、人によっては持病を抱えている人も少なくありません。
病気や怪我に関するリスクは高齢者になると、誰もがぶつかる問題です。
リスクに備えて保険商品を利用するか、早期に医療費を確保し万が一に備えるか、などの対策が必要になります。
定年退職後の生活に関するよくあるQ&A
定年退職後の生活に関する多くの疑問や悩みの中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ分かりやすく回答をまとめてみました。
該当する内容で同じように悩んでいる人は、是非とも参考にしてみてください。
また、取り上げていない内容で気になることがある人は、FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談するのも一つの方法です。
定年退職にあたり必要な手続きはありますか?
定年退職後の必要な手続きとしては、主に4つ挙げられます。
- 年金:支給開始年齢に達する3ヶ月前に、年金申請書が届くので必要書類と一緒に送付する
- 健康保険:国民健康保険への加入手続きを、最寄りの市役所等で行う
- 雇用保険:会社から離職票を受け取り、最寄りのハローワークに提出することで、失業手当がもらえる
- 税金:定年退職後に再就職しない場合は、確定申告が必要になる
それぞれの手続きの詳細に関しては、自身でインターネットを活用して調べるか、最寄りの市役所等に直接問い合わせてみてください。
定年退職後は、何年ほど生きることになりますか?
厚生労働省の調べによると、平均寿命は男性で81歳、女性で87歳となっているため、最低でも定年後から15年間は生きることになります。
あくまでも平均寿命なので、定年(65歳)後の生活が20年間あると仮定し、余裕を持って準備するのが得策でしょう。
定年退職後の働き口は、どうやって見つければよいのでしょうか?
定年退職後の働き口の探し方としては、主に4つ挙げられます。
- 再雇用制度を活用して継続雇用を選択する
- ハローワークを活用して求人情報から選ぶ
- 高齢者に特化した派遣会社や転職サイトを活用する
- 友人や知人に紹介してもらう
高齢者になると就職先を一から探すのは難しいため、50代の時点で早期に次の仕事に関しての情報を、集めておくようにしましょう。
定年退職後に他の人は、どのようなことをやっているのでしょうか?
過半数以上の人が定年退職後も、何かしら仕事をしている場合が多いです。
その理由としては、生活費に問題があるからに他なりません。
とはいえ、定年退職後の仕事が、生きがいになっていると答える人も多いです。
新しい仕事に就くことで、仕事や人間関係などに心機一転して取り組めるのが、一番の魅力でしょう。
定年退職後に住み替えるなら、田舎の一戸建ての方がよいのでしょうか?
定年退職後はどこに住むか、を考える人は意外に多いです。
実際に住み替える場合は、理想と現実のバランスをよく考えて、慎重に選択しなければなりません。
地方に一戸建てを購入するよりも、賃貸でマンションやアパートに住む方が良い場合もあります。
双方、メリット・デメリットがある上に、人によっても向き不向きが変わりますので、一度FP等に相談してみてください。
まとめ
定年退職後の生活が不安な人は、50代のうちからしっかりと準備することをおすすめします。
どこでどんな生活を送りたいのかや、定年退職後は再就職するのかなど、具体的にどうしたいのか決めておくことが大切です。
また、老後資金に関しては、30代40代のうちから”つみたてNISA”や”iDeCo”等を活用して、資産運用していれば問題無いでしょう。
50代からでもNISAを活用して、資産運用することは可能です。
その時になってから慌てて行動するよりも、今から少しづつ準備することで、無駄な不安を抱えないでよくなります。
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