会社員で副業を行っている人は、どうやって確定申告したらいい?
仮に確定申告をしなければどうなる?
会社員で副業を行っている人は、年間の所得が20万円以上ある場合は必ず確定申告が必要になります。
仮に確定申告が必要な人が無申告だった場合、摘発された際に税務署からペナルティを課せられます。
(確定申告しなくてもバレないだろう…)と思っている方は、摘発された際により多くの税金を支払う羽目になるため、必ず申告するようにしてください。
この記事では会社員の副業に関する確定申告のやり方や、確定申告を行うメリットとデメリット等に関して分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、初めて確定申告する方もで迷わず取り組めるはずです。
確定申告自体は、それほど難しいことではありません。
今はスマホでも簡単に行えますので、面倒に思わずに取り組んでみてください。
会社員の副業で確定申告が必要なケース
会社員の副業で確定申告が必要になるケースは、年間所得が20万円を超えている場合です。
所得とは、副業で稼いだ収入ではなく収入からかかった経費を差し引いいた金額を指します。
※所得の計算式:収入 ー 経費 = 所得
仮に副業で100万円稼いだ上で経費が20万円かかっている場合、80万円が副業から発生した所得になります。
また所得税は累進課税制度により、課税所得に応じて税率が異なります。
例えば課税所得が80万円だった場合、所得税の税率は5%が該当し、「80万円 × 5%」で4万円の所得税を納税しなければいけません。
※所得税の計算式:課税所得 × 税率 ー 控除額 = 納税額
確定申告の必要がなくても、住民税の申告が必要なケースもあるため、その点も抑えておきましょう。
詳しくは、お近くの行政機関(市役所や区役所など)でお確かめください。
副業で稼いでいる会社員の確定申告のやり方
副業を行っている会社員が確定申告書を作成し、税務署に提出する方法としては主に4つ挙げられます。
最も簡単な提出方法は、「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」です。
スマホとマイナンバーカードが手元にあれば簡単に確定申告書を作成し、インターネット経由で税務署に提出できます。
また、確定申告には白色申告と青色申告の2種類が存在し、青色申告特別控除(10〜65万円)を利用したい方は、青色申告を行う必要があります。
種類 | 白色申告 | 青色申告 (10万円控除) | 青色申告 (最大65万円控除) |
届出 | 不要 | ・開業届 ・青色申告承認申請書 | ・開業届 ・青色申告承認申請書 |
記帳方法 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
提出書類 | ・確定申告書B ・収支内訳書 | ・確定申告書B ・青色申告決算書 | ・確定申告書B ・青色申告決算書 ・貸借対照表 |
節税効果 | なし | 10万円控除 | 最大65万円控除 ※e-Taxで申請した場合65万円控除 それ以外の方法は55万円控除 |
青色申告特別控除とは、所得から特別に差し引くことができる金額です。
青色申告は白色申告よりも帳簿の付け方が面倒な分、特別控除額という大きなメリットがあります。
副業を行っている会社員の方は、できるだけ青色申告を行いましょう。
確定申告は、書類を作成して税務署へ提出し、納税するまでが一通りの流れになります。
また納税の必要がない人は、還付金(払い過ぎた税金)が戻ってくる可能性があります。
パソコンで確定申告するやり方
会社員の方でパソコンでe-Taxを利用して確定申告を行う場合は、最初に利用者識別番号(半角16桁の番号)の取得を行います。
マイナンバーカードを既に取得している人は、スマホでマイナンバーカードを読み取れば、簡単に利用者識別番号を取得できます。
その後は、e-Taxの公式サイトを開いて手順に従って確定申告書を作成し、そのまま管轄の税務署にインターネット経由で送信すれば完了です。
万が一、記載事項に問題がある場合は、税務署から直接連絡がきますので、落ち着いて修正申告を行いましょう。
スマホで確定申告するやり方
スマホで確定申告する際の主な流れとしては、以下の通りです。
- マイナポータルアプリとe-Taxを連携させる(利用者識別番号を取得)
- e-Taxで確定申告書の作成を行う
- 電子申告を行う
事業所得に対しては現時点では未対応となっていますが、会社員であればスマホからの確定申告でも十分行えます。
副業はもとより医療費控除やふるさと納税、住宅ローンなどで確定申告が必要な会社員でも、スマホで簡単に確定申告が可能です。
ただし、スマホで確定申告を行う際には必ずマイナンバーカードと、マイナポータルアプリのインストールが必要になります。
副業を行っている会社員が確定申告をしないデメリット
副業で稼いでいる会社員で確定申告の必要がある人が、故意的に確定申告を行わなかった場合、税務署からペナルティが課せられます。
主なペナルティの内容は、以下の通りです。
- 無申告加算税:納税義務がある人が確定申告をしなかった場合、納税額の15〜20%が加算
- 重加算税:過度に悪質なケースだった場合、無申告加算税の代わりに最大40%が加算
- 遅延税:納税期間を過ぎてから税金を支払った場合、最大で年利14.6%が加算
仮に1億円以上の脱税が摘発された上で、過度に悪質だと検察庁に判断された場合は、刑事事件として処理され有罪判決になる可能性もあります。
脱税は違法行為ですので納税額がある人は速やかに確定申告を行い、税金の支払いを済ませましょう。
納税額が少額だからといって、決して税務署にバレない訳ではありません。
税務署は最大過去7年遡って税務調査を行うことができますので、くれぐれも無申告等は行わないようにしましょう。
副業を行っている会社員が確定申告をするメリット
副業を行っている会社員が確定申告を行うメリットは、大きく分けて2つ挙げられます。
- 損益通算できる
- 最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
損益通算とは、他の所得の損益を合算して、課税所得を算出することを指します。
一般的に会社員の副業収入は雑所得とみなされるため、損失が出たとしても他の所得とは損益を合算できません。
しかし、副業を事業所得として申告すれば、給与所得やその他の所得と損益通算が行えます。
また青色申告を行うためには、予め開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
手間はかかりますが節税効果は非常に大きいので、副業を行っている会社員で確定申告の必要性がある人は、青色申告を行いましょう。
会社員で副業を行われている人は、個人事業主として事業所得で確定申告を行うと、大きな節税効果が期待できます。
副業で稼いでいる会社員の確定申告に関するQ&A
副業で稼いでいる会社員の確定申告に関する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、回答をわかりやすくまとめてみました。
該当する内容で悩んでいる方は、回答を参考にしてみてください。
副業はライフプランニングの観点からも、非常に重要な取り組みだといえます。
FPに無料相談してみるのも一つの手段ですので、悩んでいる方はお気軽にご連絡ください。
Q.副業の確定申告ではいくら払うのでしょうか?
確定申告では必ず納税しなければならない、という訳ではなく課税所得に対して納税額がある人が税金を支払います。
逆に払い過ぎた税金がある場合は、還付金としてお金が戻ってきます。
確定申告を行う目的は人によって異なり、納税のために行う人もいれば、還付金を受け取るために行う人もいるという訳です。
Q.確定申告で副業が会社にバレない方法はありますか?
会社で副業が禁止されている人は、確定申告の際に住民税に関する事項がありますので、「自分で交付」の欄にマルを付けましょう。
会社員の場合、副業で得た収入がある人は住民税もその分高くなりますので、副業分は自分で収める手続きをしないとすぐに会社にバレてしまいます。
基本的には年末調整により会社がまとめて住民税を支払っているため、いきなり住民税が高くなっていると、経理担当が疑問に感じてしまいます。
Q.副業の確定申告はしていない人が多いのでしょうか?
無申告者の割合は、はっきりとは分かりません。
副業で20万円以上の所得がない人であれば、確定申告は原則必要ありません。
ただし、20万円以下であっても源泉徴収を多く取られている人や、初めて住宅ローンを受けたりする人などは、確定申告を行うことで所得税の還付を受けれます。
最終的に確定申告すべきかどうかは個人の判断になりますが、必要であれば必ず行うようにしましょう。
Q.本業と副業の確定申告は別々に行う必要がありますか?
本業と副業の確定申告は、一緒に行います。
分けて行ってしまうと基礎控除などが、二重控除になってしまうからです。
そのため、副業で稼ぎがある会社員が確定申告する場合は、給与所得と副業の所得を合算して確定申告を行います。
仮に年末調整を行った後に確定申告した場合は、後の確定申告した金額が優先されます。
Q.マイナンバー制度で確定申告していない人はすぐにバレますか?
そもそもマイナンバー制度は強制ではないため、マイナンバーを理由に確定申告していない人が割り出せるとは限りません。
総務大臣の発表によると、2021年11月の段階で全人口の39.5%しか、マイナンバー登録を行っていません。
利用者が過半数にも満たない制度を活用して、確定申告していない人を割り出すのは難しいといえます。
まとめ
基本的に会社員は年末調整があるため、確定申告の必要性はありません。
ただし、副業を行っている人で年間所得が、20万円以上ある方は確定申告が必要です。
今はスマホやパソコンからe-Taxを利用して、簡単に確定申告が行えます。
確定申告自体は決して難しいものではありませんので、本記事を参考にしながら少しずつ、取り組んでみてください。
今は副業ブームで多くの会社員が副業に取り組んでいますが、稼ぐことと同じくらい税金に関する知識も重要です。
せっかく副業で苦労して稼いだお金の多くを、税金で持っていかれては本末転倒です。
そのため、しっかりと確定申告の仕組みに関して理解し、節税対策を行いましょう。
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