不動産取引で事前にもらう重要事項説明書とは?概要や記載事項を解説

お金のはなし
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不動産の売買や賃貸などの場面で事前にもらう書類の1つに「重要事項説明書」があります。

重要事項説明書とは一体どのような書類なのでしょうか?どんな項目がどのような目的で記載されているのでしょうか?

重要事項説明書は取引においてトラブルを防ぐために作成され、不動産の判断材料の1つとなる重要な書類です。

この記事では重要事項説明書の概要と記載項目、注意すべき事項などを解説していきます。
不動産の勉強をしている方、不動産取引に関わる方、重要事項説明書に関して知りたい方はぜひご覧ください。

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重要事項説明書とは

重要事項説明書とは、不動産(土地・建物)の売買や交換・賃借の判断材料として宅建業者が取引を希望する相手に重要事項の説明を行うために交付する書類です。

重要事項の説明を行う目的は取引のトラブルを防ぐことで、不動産の詳細や取引に関する説明をおこなうことによりお互いにとって不測の損害から守る役割があります。

記載する事項は以下の通りになります。

物件に関する事項1 不動産の表示、売主に関する内容
2 登記された権利
3 法令に基づく制限(都市計画法や建築基準法など)
4 私道に関する負担に関する事項
5 水道・ガス・電気などのインフラ施設、排水施設等の整備状況
6 土砂災害警戒区域内・造成宅地防災区域内・津波災害警戒区域内である場合は記載
7 石綿使用調査、耐震診断の有無、建物状況調査(インスペクション)に関する事項など
取引条件に関する事項8 代金・交換の差額以外に金銭の受け渡しを行う場合の額、目的(日割清算金など)
9 契約の解除に関する事項
10 損害賠償額の予定・違約金に関する事項
11 手付金・支払金・預り金の措置
12 ローンの金利、返済方法、ローンが不成立になった時の措置など
13 契約不適合責任履行に関する保証保険契約の締結など
14 割賦販売(分割払い)契約の際の金額や支払方法

1の不動産の表示では登記内容にもとづいた登記名義人や不動産の所在地、地番などを記載します。法令に基づく制限では、物件の位置する地域が住宅街や工業地帯などの用途、建築基準法や都市計画法に基づく建築や転用の制限などを説明します。

インフラ施設は生活する上で非常に重要となるため、整備が行われているか否かを示す必要があります。未整備の場合は整備予定が記載されています。

5の土砂災害警戒区域内・造成宅地防災区域内・津波災害警戒区域内を記す事は国土交通省令・内閣府令で定められていますので、該当する場合は書かれていることを確認しておきましょう。

建物の場合は石綿使用調査、耐震診断の有無、中古物件は建物状況調査(インスペクション)の実施有無を記載する必要があります。

取引条件に関する事項は売買代金以外の金銭の授受などに加え、契約解除や損害賠償などトラブルに関する事柄を記載します。

ローンを利用する場合には金利や返済方法などの条件、融資が受けられなかった時の措置について説明します。

「契約不適合責任履行に関する保証保険契約の締結など」は、土地・建物が契約の内容に適合しない時に負う責任の履行に関して、保証保険契約を締結するか否かなどの事項です。
契約不適合責任は主に不動産の売主が負う責任となります。

また売買代金を分割で支払う時には、販売価格や頭金、支払い方法などを記載します。

重要事項説明書で注意すべき事項

重要事項説明書では書類を受け取るタイミングに注意しましょう。
契約を結ぶ前に説明を行う義務がありますので、契約前の段階で書類の話が出ない場合には相手に確認しておきましょう。

また区分マンションの場合は上記と別に記載しなければならない項目があります。併せてチェックを行いましょう。

1.重要事項説明書を受け取るタイミング・場所

重要事項説明書は契約が成立する前に渡し、宅建業者が説明を行う必要があります。
説明を行う際には宅地建物取引士の証明書を提示し、書類に記名押印することが義務付けられています。

複数の業者が取引に関係する場合、全ての業者に説明の義務がありますが、1つの業者が代表して説明することや分担して説明を行う事が可能です。
ただし全ての業者が共同で責任を負う事になります。

なお説明を行う場所に定めはありません。不動産会社で行われる場合もあれば、喫茶店やレストランなどでも問題ありません。

2.区分マンションの場合

マンションの1室を購入・賃貸する際には「区分所有者」となり、上記の重要事項説明書に加え、追加の記載事項があります。

  1. 敷地に関する権利の種類・内容
  2. 共用部分に関する規約・内容
  3. 専有部分の用途、利用の制限がある時の規約
  4. 専用使用権に関する規約
  5. 修繕維持のための費用、管理費用、減免がある際は規約
  6. 修繕積立金がある場合の規約、内容・金額など
  7. 区分所有者が負担する通常の管理費用の額
  8. 管理が委託されている時には委託先の氏名・住所など
  9. 維持修繕の実施状況の記録

区分マンションでチェックすべき主なポイントとしては、敷地や共用部分に関する規約が正しく記載されているかの確認、修繕費や修繕積立金、管理費の費用となります。

専用部分の用途が居住用に限定されている場合は、事務所やコワーキングスペース・個人サロンなど事業用の利用は控えましょう。

修繕積立金は大規模な修繕のために積み立てられるお金で、新築時が最も安く年々金額が上がっていくケースが多いです。
将来的に上がる可能性も含めて検討しましょう。

管理費は毎月かかる費用であり、事前にチェックすべき項目の1つとなっています。

まとめ

重要事項説明書は不動産の売買や賃貸など取引の場面で契約前にもらう書類で、物件の判断材料の1つとなります。

宅建業者から書類の提示が無い場合には確認し、書類の内容と物件の概要説明に違いは無いか、知らないことや不明な記載は無いかチェックを行いましょう。

特に不動産の売買は高額な取引となりますので、重要事項説明書だけではなく他の書類にも必ず目を通し、内容を把握した上で契約を行う事を心がけましょう。

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