仮想通貨とFXの違いは何なのでしょうか?
仮想通貨やFXには、どんなリスクが伴いますか?
仮想通貨とは、普段利用している円やドルなどの法定通貨とは異なり、中央で管理する人がいないデジタルな通貨を指します。
現在では、ビットコインをはじめとした様々な仮想通貨が開発されていますが、仮想通貨によってそれぞれ用途や特徴が異なるのも違いの一つです。
対してFXとは、「Foreign Exchange(外国為替証拠金取引)」の略称であり、仮想通貨とは全く異なります。
正式な名称だけみても、通貨(仮想通貨)と取引(FX)なので、その違いは一目瞭然でしょう。
この記事では、そんな仮想通貨とFXに潜むリスクや特徴をはじめ、仮想通貨FXなどに関しても触れています。
仮想通貨やFXは、非常にボラティリティが高く短期的な投資になりやすいため、基本的には初心者におすすめしていません。
仮想通貨とFX(外国為替証拠金取引)の違い
仮想通貨とFXはどちらも取引するものが数字であるという点で似ていますが、それ以外には大きく異なります。
仮想通貨は暗号技術を用いたデジタル通貨であり、一部の国では法定通貨としての承認を得ています。
一方で、FXは通貨ペアを取引することで利益を得る外国為替証拠金取引です。
FXは、現物取引やスワップ取引など複数の種類があり、外国為替市場で行われる取引になります。
ポイントは、仮想通貨はデジタル通貨であり、FX取引で扱うのは法定通貨だという点です。
双方、全く意味が異なる言葉なので注意しましょう。
仮想通貨とFXはどっちが儲かるのか
仮想通貨とFXはどちらもリスクが伴いますので、どちらが儲かるかは時期や市況によって異なります。
仮想通貨は少額でも取引できるため、初心者にも手軽に取り組めるという利点があります。
対して、FXは証拠金を持たなければ取引できませんので、初めから大きな資金を投資する必要があります。
また、仮想通貨はその価値が高騰することもあれば、急落することもありますので、リスクが大きいです。
一方で、FXは投資先の通貨の経済状況や政治情勢などをよく調べることで、リスクを少しでも減らすことができます。
\ 仮想通貨投資のリスクを把握しよう /
仮想通貨と株式投資はどっちが儲かるのか
どちらが儲かるかは投資の目的やリスク承受度合い、投資期間などによって異なりますので、自分に合った投資方法を選択することが大切です。
たとえば投資初心者であれば、まずはつみたてNISAやiDeCo等を活用して、株式投資から始めるのがおすすめです。
最初から仮想通貨投資を行なっても、価格変動リスクが高すぎる上に、チャートが気になり過ぎてしまい、本業に悪影響が出かねません。
短期間で売買するトレーダーのような真似をしても、大半がお金を失ってしまいますので、あくまでもお金を増やすのであれば本業に注力しましょう。
仮想通貨FXとは?FXや現物取引との違いやその特徴
\ 仮想通貨FXとFXの違い /
項目 | 仮想通貨FX | FX |
---|---|---|
投機対象 | 仮想通貨 (ビットコインやイーサリアム等) | 法定通貨 (円やドル等) |
最大レバレッジ | 2倍(日本) | 25倍 |
強制ロスカット | ○ | ○ |
税金面 | 総合課税 | 申告分離課税 |
最高ボラティリティ | ビットコイン/円(約34%) | 米ドル/円(約1.6%) |
実は、仮想通貨でもFX取引は可能となっており、コインチェックやDMMビットコインなどの国内の仮想通貨取引所でもFX取引が行えます。
業界では、仮想通貨でFX取引を行うことを、仮想通貨FXと呼びます。
仮想通貨FXとは、外国為替証拠金取引の一種であり、仮想通貨を取引することで利益を得ようとする取引です。
対して現物取引とは、実際の通貨を取引することで利益を得ようとする取引を指します。現物取引では、実際に保有している通貨を活用して取引を行うのが一般的です。
仮想通貨FXとの大きな違いは、レバレッジ取引が行えるかどうかであり、現物取引では手持ちの金額以上の取引は行えません。
日本の仮想通貨取引所の場合、最大レバレッジ数は2倍までとなっています。
仮に100万円分のビットコインでレバレッジ取引を行う際、レバレッジを2倍にすれば200万円分の取引が行える訳です。
レバレッジを掛けている分、大きなリターンが期待できる反面、当然ながらリスクも最大化されます。
短期間で儲けようと考えてしまい、身の丈に合わないレバレッジ数を掛けて、破綻してしまう人も珍しくありません。
仮想通貨FXに潜む5つリスク!初心者が手を出してはいけない理由
仮想通貨FXは、現物取引とは異なり大変ハイリスク・ハイリターンな取引です。
投資に慣れていない初心者が、なんとなく手を出してしまうと大きな損失を招きかねませんので、くれぐれも注意しましょう。
具体的なリスクとしては、次の通りです。
- 短時間で大きな損失を出す可能性がある
- 強制ロスカットにより損失が確定してしまう
- 追加資金が必要になる場合もある
- チャートが気になり本業に集中できなくなる
- 長期保有を前提にしている人には向いていない
仮想通貨FXは、投資の初心者が手を出して良い取引ではありません。
短時間で大きな損失を出す可能性がある
仮想通貨FXでは、現物取引とは異なり手元のお金が少なくても、レバレッジを掛けることで大きな金額の取引が行えます。
仮想通貨の価格予測が思い通りいけば、短時間で大きなお金を手に入れることができるでしょう。
しかし、裏を返せば価格予測が外れたら、短時間で投資額以上のお金を失う可能性がある、という訳です。
仮想通貨FXは、価格変動リスクが高過ぎて最早、投資ではなく投機といっても過言ではありません。
強制ロスカットにより損失が確定してしまう
仮想通貨FXでは、強制ロスカットという仕組みがあります。
強制ロスカットとは、損失が一定以上になった場合に、自動的にポジションを決済する仕組みです。
そのため、予期せぬ価格変動が生じた場合、損失が出ているにも関わらず自動的に決済が行われてしまい、損失が確定してしまう場合もあります。
強制ロスカットのリスクを理解していないと、知らない間に大きな損失を抱えてしまっていた、というパターンも珍しくありません。
追加資金が必要になる場合もある
仮想通貨FXには、追証(おいしょう)という制度が導入されており、追証になると追加の証拠金が必要になります。
証拠金とは、仮想通貨FXで取引を行う際に担保となるお金を指します。証拠金がないと、仮想通貨FXでの取引が行えません。
たとえば100万円の証拠金を活用して、2倍のレバレッジをかけて200万円の取引を行った場合、100万円を上回る含み損が出てしまうと追証が発生します。
追証が発生するとユーザーはすぐに、必要証拠金を定められた日時までに入金しなければいけません。
入金を拒否してしまうと、維持していたポジションが強制ロスカットされてしまい、その時点で損失が確定してしまいます。
仮想通貨FXにおける追証は、いわば借金と言っても過言ではなく、払えないとなると金融機関から直接請求が届くようになります。
最悪、裁判所からの通達が来るようになるため、くれぐれも注意しましょう。
チャートが気になり本業に集中できなくなる
仮想通貨FXでは、チャートや価格の変動が気になり、本業に集中できなくなることがあります。
仮想通貨の価格は、日々の変動が激しいため、常にチャートを見て取引する必要があるでしょう。
そのため、人によっては本業に集中できず、プライベートや仕事に支障をきたす場合があります。
実際に副業として仮想通貨取引を行なっていた公務員や会社員が、業務中に取引を行なっていたとして、処罰を下されている事例があがっています。
長期保有を前提にしている人には向いていない
仮想通貨FXは、長期保有を前提にしている人には向いていません。
長期保有を前提にしている人は、仮想通貨を長期的に保有して、価値の上昇を狙うことができます。
一方で、仮想通貨FXでは、短期間での取引が多いため、長期保有を前提にしている人には向いていません。
長期保有を前提にしている人は、仮想通貨を直接保有する方法(現物取引)や、投資信託などで投資するのがおすすめです。
仮想通貨FXを行う4つのメリット
仮想通貨FXには、次のようなメリットが挙げられます。
- 少額資金からでも気軽にはじめられる
- レバレッジ取引で少額でも大きなリターンが狙える
- 相場が下がっていても売りからエントリーできる
- 24時間365日いつでも取引が可能である
株式投資とは異なり、仮想通貨FXでは24時間365日いつでも取引が可能であり、少額からでも気軽に取引できるのが大きな特徴です。
少額資金からでも気軽にはじめられる
仮想通貨FXでは、少額資金からでも気軽にはじめることができます。
仮想通貨FXでは、証拠金を持たなければ取引できませんが、必要な証拠金の額は比較的少ないため、少額資金からでも気軽に取引をはじめられます。
レバレッジ取引で少額でも大きなリターンが狙える
仮想通貨FXでは、レバレッジ取引が可能です。
レバレッジ取引とは、証拠金を倍増させることで、大きなリターンを狙える取引のことを指します。
国内の仮想通貨取引所では、最大レバレッジ数2倍までですので、仮に少額の証拠金であってもその額の2倍までは取引ができる訳です。
相場が下がっていても売りからエントリーできる
仮想通貨FXでは、相場が下がっていても売りからエントリーすることができます。
つまり、仮想通貨の価値が下がることを予想し、売りに出ることで利益を得ることができます。
仮想通貨FXでは、相場の変化に応じて、買いも売りも行うことができる訳です。
24時間365日いつでも取引が可能である
仮想通貨FXでは、24時間365日いつでも取引が可能です。
仮想通貨は、世界中で取引されているため、日本だけでなく海外のマーケットでも取引が行えます。
そのため、日本時間の夜間でも、いつでも取引ができるのが行える訳です。
また、仮想通貨FXでは、オンラインでの取引が一般的であるため、場所を問わずいつでも取引ができるという利点があります。
海外の仮想通貨FXはレバレッジ上限が高いので注意が必要
仮想通貨FXでは、国内取引所だけではなく海外の取引所を利用して、取引することも可能です。
ただし、海外取引所では国内とは異なり、最大レバレッジ数が300〜800倍という驚愕の倍数となっており、かなりリスクの高い取引になりがちです。
その上、金融庁に無登録の仮想通貨取引所が多いため、厳正な審査なども当然行われておらず、中には怪しい取引所も含まれています。
その反面、海外取引所には「追証がない」というメリットがありますので、仮に大きな価格変動により強制ロスカットを受けたとしても、口座残高を0円に留めてくれます。
「リスクを完璧にコントロールできる」という自信がある人は、海外取引所でも上手くFX取引ができるでしょう。
当然、投資をはじめたばかりの初心者には、おすすめできるものではありません。
予期せぬトラブルにより、海外取引所で失ったお金は戻ってくる可能性がほぼ0であるため、必ずリスクを把握した上で利用するようにしてください。
最近だと、海外大手の仮想通貨取引所であった、FTXの破綻問題が良い例です。
どうしても仮想通貨FXをやりたい方への3つのアドバイス
仮想通貨FXは、リスクが高い取引であり、損失を出す可能性が高いです。
どうしても仮想通貨FXをやりたい方は、次の3つの要点を抑えた上で取り組むようにしましょう。
- 余剰資金(失っても良いお金)だけで行う
- 最初に取引ルールを定める
- 基礎知識やリスクを十分学んだ上で取引する
仮想通貨FXに限らず、どのような投資(もしくは投機)であっても、必ず余剰資金で行うよう心がけてください。
余剰資金(失っても良いお金)だけで行う
仮想通貨FXでは、損失を出す可能性があります。
そのため、仮想通貨FXを行う場合には、余剰資金(失っても良いお金)だけを使うことが大切です。
必要な資金や生活費を巻き込んでしまうと、損失を出した場合に大きな被害を受ける可能性があります。
投資はあくまでも将来のお金を確保するための一つの手段であり、プロの投資家の真似事をして投資自体でお金を増やそうとすると、大半がお金を失うことでしょう。
最初に取引ルールを定める
仮想通貨FXを行う場合には、最初に取引ルールを定めることが大切です。
取引ルールとは、取引する資金の額や、リスクを抑えるためのロスカットのレベルなどを定めることを指します。
取引ルールを定めることで、自分で自分自身を制限することができます。
基礎知識やリスクを十分学んだ上で取引する
基礎知識やリスクを十分に理解することで、仮想通貨FXの取引において、自分が犯すべきでないミスを未然に防げます。
たとえばロスカットのレベルを正しく設定していれば、予想外の大きな損出を防げるでしょう。
また、基礎知識を学ぶことで、仮想通貨FXにおける基本的な用語や仕組みを理解することができるため、取引の現場で迷わないようになります。
仮想通貨FXを行う上で抑えておきたい税金の知識
仮想通貨FXの税金面に関してもう少し深掘りすると、従来の国内FXや株式投資とは異なり、仮想通貨FXは総合課税に分類されます。
これは海外の仮想通貨FXで取引を行なっている場合も、同じ扱いです。
総合課税では、あなたが仮想通貨FXで得られた所得に対して、累進課税方式により税率が定められます。
累進課税方式の場合、最高税率は住民税と合わせて55%となっており、節税対策を講じないことには大半が税金となってしまうでしょう。
とはいえ、多くの投資家が仮想通貨FXで、年間4,000万円以上の所得を上げている訳ではないため、最高税率はそれほど気にする必要はありません。
また、所得区分に関しては雑所得扱いとなるため、他の所得との損益通算や、翌年への損失の繰越などが行えません。
\ 累進課税方式による適応税率の一覧表 /
同年の雑所得同士であれば損益通算が可能ですが、他の所得とはできない点に注意が必要です。
仮想通貨FXに関するよくあるQ&A
仮想通貨FXに関する多くの質問や悩みの中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ初心者にも分かりやすくまとめてみました。
分からない単語や用語が出てきた際には、必ずご自身でも調べる癖をつけておきましょう。
Q.仮想通貨、株、FXだと初心者は、どれからはじめた方が良いですか?
全くの投資初心者であれば、まずはつみたてNISAやiDeCo等を活用した、投資信託(ファンド)への投資から始めるのが一般的です。
投資対象は、自身で自由に選べるようになっている上に、対象となる金融商品は金融庁が厳選しているため、よっぽど酷い金融商品は事前に省かれています。
間違ってもいきなり初心者が一攫千金を狙って、仮想通貨やFXでお金を増やそうとしてはいけません。
Q.仮想通貨もFXも短期間で儲けるのは難しいですか?
短期間で儲けるのは、仮想通貨やFXでも難しいといえます。
仮想通貨に関しては、ボラティリティが非常に高く、短期間で大きな損失を被る可能性があります。
価格変動リスクを考えると、とてもではありませんが、短期でのトレードは初心者にはおすすめできないでしょう。
一方でFX市場では、経済や政治的なニュースによって、通貨の為替レートが変動することが多々あります。
短期FX取引をする場合には、常に市場の情勢を注意深く観察し、リスクを分散するなど考慮する項目が非常に多いため、初心者向きではありません。
Q.仮想通貨FXの取引所は、金融庁の登録が必要なのでしょうか?
日本の仮想通貨取引所は、金融庁から「仮想通貨交換業者」という特別届出を受けて、運営することができるようになっています。
登録には厳しい審査基準が設けてあるため、信頼性の低い仮想通貨取引所だと、許可が降りずに日本で仮想通貨事業を行うことができません。
金融庁への登録後は、仮想通貨交換業者に対する監督も同時に行われますので、利用者側からしたら大変安全性が高いといえます。
逆に登録されていない仮想通貨取引所の利用は、極力避けるようにしましょう。
Q.仮想通貨やFXで儲けるには、本を読んで勉強すべきですか?
仮想通貨やFXで儲ける為には、本を読んで勉強することは有効です。
仮想通貨やFXは、専門的な知識が必要なため、本を読んで勉強すれば体系的に理解できるようになるでしょう。
市場や投資の仕組みなどを理解することで、より良い判断をすることができるようになります。
ただし、本を読んで勉強するだけでは、必ずしも儲けることができるとは限りません。
市場は、様々な要因によって変動するため、そのような要因を考慮した上で判断する必要があります。
Q.仮想通貨FXで利益が出た場合は、確定申告が必要ですか?
仮想通貨FXでは、年間の所得額が20万円を超えた時点で、確定申告が必要になります。
所得の計算を行う際の注意点としては、仮想通貨同士の取引であっても、所得として換算されてしまう点です。
日本円で利益確定している場合も、当然その年の所得として計上されますので、計算が難しい場合は一度税理士に相談してみてください。
まとめ
仮想通貨とFX取引は、全く異なるものであると解説してきました。
仮想通貨とは、その名の通り通貨を指しており、FXは取引の方法の一つを指しています。
ただし、仮想通貨でもFXのような取引は可能となっており、そのような取引を「仮想通貨FX」としてご紹介しました。
仮想通貨FXは、従来のFXよりも投機性が高く、初心者が容易に取引を行なって良いものではありません。
実際に取引を行う際には、十分基礎を学んだ上で少額から取り組むようにしてください。
どのような投資であっても、十分な知識がないままはじめてしまうと、思わぬトラブルになりかねませんのでくれぐれも注意しましょう。
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