50代からフリーランスとして独立することは、出来るのでしょうか?
仕事の取り方やおすすめの職業などがあれば、教えて欲しいです。
日本政府が公開している資料によると、フリーランス人口全体の11.2%を50代が占めています。
そもそもフリーランスは会社員や公務員などとは異なり、定年という概念がないため、年齢はさほど問題にはなりません。
しかし、50代から未経験の職業にフリーランスとして挑戦するのは、かなり厳しい選択だといえます。
50代からフリーランスになるのであれば、これまで培った経験や知識、スキル等が活かしやすい職業を選ぶのが賢明です。
この記事では、50代からフリーランスを検討されている方のために、具体的なリスクやおすすめの職業などを分かりやすく解説しています。
50代の方は、フリーランスのリスクを十分把握した上でしっかりと準備を行い、万全の状態で独立開業を目指しましょう。
50代のフリーランスが増えている3つの理由
50代のフリーランスが増えている理由としては、次のような項目が挙げられます。
- 少子高齢化社会によりシニア層が増加している
- 人件費の削減により各企業が早期退職を促している
- 働き方の多様化によりフリーランスを選ぶ人が増えている
企業側の要請あり、あってもともと専門性が高い役職にいた人は、持ち前のスキルを活かしてフリーランスという働き方を選ぶ傾向にあります。
少子高齢化社会によりシニア層が増加している
近年、日本は少子高齢化社会となっており、40代50代の人口が増加しています。
これに伴い、40代50代のフリーランスも増加しているといえます。
少子高齢化社会が進む中で、40代50代の人たちは、退職や再就職に対する不安があるかもしれません。
また、定年退職を迎えた人たちは、まだまだ働きたいと考える人が多いです。
そのため、フリーランスとして働くことで、自分で仕事を選んで自分にあったライフスタイルを送ることができる、と考えられています。
自身でビジネスプランを立てることで、起業を考える人も増えています。
40代50代の人たちは、豊富な経験を積んでいるため、独立してビジネスを立ち上げることもできるでしょう。
人件費の削減により各企業が早期退職を促している
人件費の削減が求められている理由には、様々なものがあります。
ただし、その一つとして、各企業が経営環境の悪化に対応するために、人件費の削減を図ることが挙げられます。
企業側は、早期退職を促すことで退職者の勤務年数が短くなるため、年金や退職手当などの費用を削減できるでしょう。
ただし、早期退職を促すことには、退職者側からすると、再就職や退職後のキャリアプランを検討する必要があるというデメリットもあります。
会社都合により仕方なくフリーランスを選択するという50代もいれば、早期退職制度をうまく利用して、持ち前の技術力を活かしフリーランスとして独立する人もいる訳です。
働き方の多様化によりフリーランスを選ぶ人が増えている
現在は、働き方の多様化が進んでおり、50代の中でもフリーランスという働き方を選ぶ人が増えています。
具体的な理由としては、主に次のような項目が挙げられます。
●ライフスタイルの選択肢が広がった
働き方の多様化により、フリーランスとして働くことで、自分で仕事を選んで自分にあったライフスタイルを送ることができるようになりました。
ワークライフバランスを重要視して、現在の会社員や公務員という働き方に終止符を打ち、フリーランスという働き方を選ぶ人も年齢に関係なく増えています。
●リモートワークが普及した
リモートワークが普及したことで、自宅でも仕事ができるようになりました。
世界的なウィルスの蔓延をきっかけに各企業では、リモートワークやテレワークを採用し、自宅はもとより地方や海外からでも仕事ができるようになりました。
リモートワークを行なっていた会社員の中には、そのままフリーランスとして独立した方も珍しくありません。
●副業解禁などの働き方改革の影響
終身雇用制度の崩壊により、各企業では副業が解禁され会社員自ら収入を上げる行為が、徐々に許されるようになってきました。
政府が打ち出している働き方改革の影響も大きく、会社員の中には副業が本業の収入を超えている人も決して珍しくありません。
50代という節目を迎えたタイミングで、会社員を辞めて副業を本業にする人も多いです。
50代からフリーランスになるメリット
50代からフリーランスになるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- これまで培った経験や知識・スキルなどが活かせる
- 独立した仕事ができる
- よりスキルや知識を磨くことができる
- 仕事に対するモチベーションを保つことができる
50代からフリーランスになる一番のメリットは、これまで培った経験を活かして仕事ができる点です。
これまで培った経験や知識・スキルなどが活かせる
50代からフリーランスになる場合は、一見すると30代40代のフリーランスと比較して、不利に思えます。
しかし、これまで培った経験や知識、スキルなどは他の年代の比ではなく、それらの経験を活かして仕事の獲得などが目指せます。
ある意味他の年代よりも、有利に仕事を獲得できる可能性があるということです。
独立した仕事ができる
フリーランスは会社員とは違い、仕事に対する裁量権が100%あなた自身にあるため、成功も失敗も全て自己責任になります。
会社員の場合は、各部署ごとに仕事が割り振られていますが、フリーランスの場合は、すべての作業をあなた自身でこなす必要があります。
そのため、仕事のやりがいに関しては、会社員よりもフリーランスの方が高く感じる、という人も少なくありません。
ライフワークバランスも保ちやすいため、自己管理能力が元から高い人にとっては、最適な働き方と感じるはずです。
よりスキルや知識を磨くことができる
フリーランスとして働くことで、より現在の自分に足りない知識やスキルが、業務を通して見えてくるはずです。
必要に応じて新たに学習をすべき分野や項目などが明確となり、より自分自身のスキルや知識を磨くことに繋がるはずです。
世界最高齢プログラマーとして有名な若宮正子 氏は、81歳でスマホアプリを開発しました。
本人いわく「何かを学ぶのに年齢は関係はない」と述べられており、50代から新しいことを学ぶのは決して遅いことではありません。
仕事に対するモチベーションを保つことができる
50代会社員ともなると、ある程度の役職についている人が殆どであり、長年勤めていると普段の業務に対してのモチベーションが低い人が意外と多いです。
しかし、フリーランスとして独立することで、仕事に対するモチベーションを保つことができる、きっかけに繋がるかも知れません。
フリーランスは、自分自身で興味のある仕事を選んで取り組めるため、やる気や向上心が湧きやすい傾向にあります。
50代からフリーランスになるデメリット
50代からフリーランスになるデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 社会保障がない
- 手当や福利厚生がない
- 仕事がない時期がある・収入が安定しない
- キャリアアップが難しい
- 健康面に対する不安を感じやすい
50代フリーランスは、特に健康面に配慮する必要があります。
定期的に健康診断を受けるなどして、自身の健康状態を把握しましょう。
社会保障がない
フリーランスとして働くことで、社会保険や年金、労働基準法による労働条件の保証がなくなります。
健康保険や国民年金などの保険に加入する必要がありますが、これらは個人で負担することになります。
その他、住民税や所得税、消費税などの支払い負担も生じるため、税金面の学習が少なからず必要になるでしょう。
会社員とは異なり、年末調整により税務申告を誰かが行なってくれる訳ではないため、あなた自身で確定申告を行わなければいけません。
手当や福利厚生がない
フリーランスとして働くことで、通常の会社員が受けられる手当や福利厚生がなくなります。
あなた自身が何らかの健康障害により、作業できなくなると当然ながら、収入が途絶えてしまうリスクが発生します。
ただし、現在はフリーランス向けの保険も充実してきているため、外部のサービスをうまく活用して保証を自身で確保する必要があるでしょう。
仕事がない時期がある・収入が安定しない
フリーランスとして働くことで、仕事がない時期があることもあります。
仕事がない時期には収入がなくなるため、財政的に追い込まれる可能性も予め考慮しておかなければいけません。
会社員とは異なり、月末に決まった給料の入金などはありませんので、独立する前に半年から1年間無収入でも過ごせるような生活防衛費が必要です。
キャリアアップが難しい
フリーランスとして働くことで、会社内でのキャリアアップが難しくなることもあります。
会社内でのキャリアアップには、上司や同僚からの評価が大きく関わってきますが、フリーランスとして働くことでは、このような評価を得ることができません。
そのため、フリーランスとして独立する前にある程度キャリアプランを練った上で、戦略的に実績を積み上げていく必要があるでしょう。
健康面に対する不安を感じやすい
50代ともなると人によっては、何かしらの持病を持ちやすくなります。中には、すでに生活習慣病に悩まされている人もいるかも知れません。
フリーランスになると会社員とは異なり、万が一病気や怪我を負っても使える保障がないため、基本的にはすべて自己負担になります。
その上、病気などで業務ができないとなると、収入まで途絶えてしまいます。
50代からフリーランスとして独立する人におすすめの職業
おすすめの職業は人それぞれですが、フリーランスとして独立するには、以下のような職業が考えられます。
- デザイナー
- コンサルタント・講師業
- プログラマー
- ライター
- フォトグラファー
50代といえどこれまでどのような経歴や実績を積んできたかによって、取り上げている職業との相性が良かったり悪かったりします。
そのため、一概に未経験だからといって気になる職業を諦めるのは、時期尚早です。
デザイナー
グラフィックデザインやWebデザインなどのスキルを持っている方は、フリーランスデザイナーとして活動できます。
特にwebデザインに対する需要は高く、企業のサービスや商品のLP制作や、公式サイトのデザインなどを任されることが多いです。
webデザイン単体のスキルでは案件の単価が低いため、コピーライティングやwebマーケティング等のスキルと掛け合わせた提案ができると尚良いでしょう。
コンサルタント・講師業
ビジネスやマーケティングなどの分野で経験を積んでいる方は、フリーランスコンサルタントとして活動できます。
50代ともなると特定の業界や業種に関して、既に専門家と言っても過言ではないほどの知識や、スキルを有している可能性が高いです。
持っている知識やスキルを活かして、企業や個人に対してコンサルティングサービスを提供するのも、一つの手段に数えられます。
実際に50代でフリーランスを目指す方の中には、コンサルティング事業を展開する人が、意外に多い傾向にあります。
プログラマー
コンピューター関連のスキルを持っている方は、フリーランスプログラマーとして活動できます。
会社員時代にプログラマーやエンジニアとして活躍していた人は、フリーランスとして独立することで、年収アップが狙える可能性があります。
経済産業省の資料によると、日本では2030年には約80万人のIT人材不足になると予想されており、既にプログラマーのスキルを持っている人は非常に需要が高いです。
ライター
文章を書くことが得意な方は、フリーランスライターとして活動できます。
特にWebライターは参入ハードルが低く、50代未経験でも十分活躍できる可能性があります。
最近は、AIライティングツールも非常に機能性が上がってきており、既存のツールを活用して効率的に業務をこなすこともできるでしょう。
初期はある程度の学習が必要ですが、ライティングに慣れてくると安定的な収入にも繋がるはずです。
フォトグラファー
写真を撮ることが得意な方は、フリーランスフォトグラファーとして活動できます。
フォトグラファー単体だと案件獲得が難しいため、撮影ができる取材ライターとして活動するのも良い方法です。
撮影した写真は、フリー素材サイトにアップロードすることで、ちょっとした収入源にもなります。
その他、ココナラなどのスキル販売サイトで、プロフィール用の写真撮影サービスなどを商品として、販売するのも一つの方法です。
\ 動画編集という選択肢もあり /
50代からフリーランスとして独立する前に考えておきたいこと
フリーランスとして独立するにあたり、まずは自分に合ったスキルや経験を持っていることを確認することが大切です。
独立を考えるにあたり、以下の点も検討するとよいでしょう。
- マーケティング戦略
- ネットワークの構築
- ビジネスプランの策定
当たり前ですが、フリーランスは仕事がないと収入に繋がりません。
予めセールスやマーケティングに関しては、十分戦略を練っておく必要があります。
マーケティング戦略
独立する前に、自分が提供するサービスや商品を、どのようにアピールするかを考えましょう。
マーケティング戦略を立てることで、独立してからも自分のサービスや商品をアピールするための方法を準備できます。
最近は、YouTubeやTikTokなどの動画系SNSを有効活用して、LINEやメルマガなどに誘導し、顧客リストを集める手法がメジャーです。
公式サイトを作成して終わりではなく、どうすれば自身の商品やサービスを購入してもらえるか、そこまでの動線設計なども考慮しておきましょう。
ネットワークの構築
独立する前に、自分が提供するサービスや商品を求める可能性のあるクライアントや、パートナーとのコンタクトを構築しておくことが大切です。
独立を考える上では、既存のネットワークを活用することができるかどうかも、検討しておくべきでしょう。
また、フリーランスとしていざ活動するタイミングで、手元に何も仕事がない状態だと、いきなり路頭に迷うことになります。
そうならないで良いように事前にネットワークを構築し、副業として小さく取り組み実績を作るなどして、独立の準備を始めておくのが無難です。
ビジネスプランの策定
独立を考えるにあたり、自分が提供するサービスや商品の価値や特徴、さらにはビジネスの成功に必要な資金や人材などを考慮して、ビジネスプランを策定しておくことが大切です。
独立する前に、ビジネスプランを立てることで、独立してからのビジネスをスムーズに進めることができます。
50代のフリーランスが案件を獲得する方法
50代のフリーランスが案件を獲得するには、次のような方法が挙げられます。
- これまでの経験や築き上げてきた人脈を活かす
- エージェントやクラウドソーシングサイトを活用する
案件獲得のためには、クライアントにアピールできる実績が必要となるため、会社員のうちに副業として実績作りに励むことをおすすめします。
これまでの経験や築き上げてきた人脈を活かす
50代フリーランスとして案件獲得を狙うのであれば、まずは以前の勤め先などから案件が直接もらえないか、交渉するのが得策です。
勤め先から業務委託契約を締結してもらい、直接案件がもらえればそのまま会社員時代と同じような業務を、フリーランスとしてこなせます。
その際には、単価交渉などを適切に行い、フリーランスの価格帯で契約する必要があります。
エージェントやクラウドソーシングサイトを活用する
現在は、フリーランスを対象としたエージェントサイトやクラウドソーシングサイトも多数存在しますので、まずは登録しておくと良いでしょう。
クラウドソーシングサイトとは、ランサーズやクラウドワークなどのマッチングサイトを指しており、発注者と受注者を仲介するサイトです。
既に膨大な案件が公開されているため、需要の高いスキルや知識を備えている人であれば、容易に案件獲得が行えるはずです。
50代のフリーランスに関するよくあるQ&A
50代のフリーランスに関する多くの質問の中から、特に話題性の高い内容だけに絞って、それぞれ回答を分かりやすくまとめました。
同じ内容で気になっている人は、ぜひとも回答を参考にしてみてください。
現時点で気になっている悩みや疑問などは、フリーランスとして独立する前に解消しておきましょう。
Q.50代未経験からフリーランスのプログラマーは目指せますか?
50代になってからフリーランスのプログラマーを目指すことは、可能です。
年齢によっては、経験や知識が豊富であることもありますので、その点はメリットと言えます。
ただし、50代になってからプログラマーを目指す場合、若い人たちと同じように簡単にはいかないかもしれません。
場合によっては、若い人たちと競合することもあるかもしれません。
プログラマーに必要なスキルは、常に進化しており、新しい技術や言語を学ぶ必要があります。そのため、以前に習ったスキルや知識を更新しなければなりません。
50代になってからプログラマーを目指すことは困難ですが、自分が持つスキルや経験を生かしたビジネスを選ぶことで、成功する可能性があります。
Q.50代でフリーランスになる場合、失業保険は受け取れますか?
日本では、50代でフリーランスになる場合、失業保険は受け取ることができません。
失業保険は、労働者が会社を退職した場合や、会社から解雇された場合に、一時的に生活を営むために支払われる給付金です。
失業保険は、会社員であることを前提に制度が設けられているため、独立しているフリーランスは失業保険の対象となりません。
Q.どのようにモチベーション管理しているのでしょうか?
既に50代でフリーランスとして活動している方々は、様々な方法でモチベーションを管理を行なっています。
以下に、いくつか参考例をご紹介します。
●ワークライフバランスを保つ
ワークライフバランスを保つことで、ストレスを減らし、モチベーションを高める方法があります。
フリーランスは自分でスケジュールを立てることができるため、自分に合ったワークライフバランスを保つことができます。
●自己啓発やスキルアップを行う
自己啓発やスキルアップをすることで、モチベーションを高めることができます。
●人脈・ネットワークを広げる
ネットワークを広げることで、新しい機会や仕事を得ることができ、モチベーションを高めることができます。
フリーランスは、自分で仕事をするため、自分のビジネスを広めることが大切です。
そのためには、仕事に関する情報や、同じようなビジネスを展開している方々との交流も重要です。
●自己管理に徹する
自己管理をすることで、モチベーションを維持することができます。フリーランスは、自分で仕事をするため、自己管理能力が高められることが期待されます。
Q.みなさん老後の生活に関しては、どのように考えているのでしょうか?
50代のフリーランスの方々は、老後生活に関して様々な考え方を持っているかもしれません。
一部の方は、フリーランスとしてのキャリアを積んだ後も、仕事を続けることを考えているかもしれません。
そのような方々は、フリーランスとしてのキャリアを重視しており、老後においても自分が持つスキルや知識を活かすことで、生活を営んでいくことを目指しています。
フリーランスとしてのキャリアを積んだ後は、仕事を辞め趣味や旅行などを楽しんで、老後を過ごす人もいます。
その他、フリーランスとしてのキャリアを積んだ後は、自分でビジネスを立ち上げることで、老後を支えることを考えている人もいるでしょう。
老後に関して考える際には、自分の目標や生活スタイルを考え、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
まとめ
50代からフリーランスとして活動するのは可能ですが、未経験の業界や職業だと苦労する可能性が高いです。
そのため、フリーランスという働き方を選択するのであれば、これまで培った経験や実績が活かしやすい職業を選ぶ必要があるでしょう。
既に50代のフリーランスとして、活動している人も多数存在します。不安な方は知人や友人の先輩フリーランスに、直接意見をもらうのも良い方法です。
フリーランスのキャリアプランニングに関しては、FPへお気軽にお問い合わせください。
まずは状況を一度整理した上で、事業戦略を練り副業規模から小さく挑戦し、実績や経験値を貯めるのが得策です。
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