
公務員でもローン審査で落ちることはあるのでしょうか?
審査に落ちるとしたら、どのような原因が考えられますか?
公務員は社会的信用度が高いことからも、ローン審査に落ちることはほぼありません。
しかし、既に複数の金融機関から借入を行なっていたり、明らかに収入よりも何倍も多い金額でローンを組もうとした時などには、審査が通らない場合があります。
特にブラックリスト入り(個人信用情報に登録されている人)している場合は、共済貸付以外の金融機関では、ローン審査が通らない可能性が高いです。
対して共済貸付は、公務員の給料や退職金を担保にお金を貸す制度ですので、仮にブラックリスト入りしていたとしても利用は可能です。
この記事では、公務員がローン審査で落ちてしまう原因や、再申請のタイミング等に関して分かりやすく解説しています。

ローン審査に通るか不安な方は、まずは共済貸付の利用を検討してみてください。

公務員がローン審査で落ちる5つの原因と改善策

公務員がローン審査で落ちる原因としては、次のような項目が挙げられます。
- 過去に返済遅延した経験がある
- 過去に債務整理したことがある
- 年収の3分の1以上の金額を借入申請した
- 既に多くの借入件数を抱えている
- 申込書類に不備があった
これらの原因を避けるためには、事前に十分な準備をして、必要書類や情報を正確に提出することが大切です。
借入金額や返済計画については、自分の収支をしっかりと把握し、無理のない範囲内で計画を立てるようにしましょう。

公務員は安定した職業ですが、ローン審査においても責任を持って審査を受ける必要があることを忘れないでください。
過去に返済遅延した経験がある
過去に返済遅延した経験がある場合、審査に不利になります。
返済遅延があると本人の返済能力に疑問符がつき、借入先からの信用を落とすことに繋がるからです。
一般的には、90日以上の延滞がある場合には、信用情報機関に情報が登録され、ブラックリストに載ることになります。
ブラックリストに載ると、審査で不利になるだけでなく、他のローン商品の申請や、クレジットカードの申請にも影響を与える可能性があります。
過去に債務整理したことがある
「債務整理」とは、借入金の返済が困難になった場合に債務者が債権者との交渉によって借金を減額したり、返済計画を変更する手続きのことです。
公務員でも、過去に債務整理をしたことがある場合、その情報は信用情報機関に登録され、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
債務整理は、借金の返済が困難になってしまった場合に行う手続きであり、金融機関からすると返済能力が低いと判断されるためです。
具体的には、過去に債務整理を行ったことがある場合、信用情報機関に登録されるため、クレジットスコアが低下する可能性があります。
信用情報機関に登録される期間は、一般的には5年から10年程度であり、その期間中は審査に悪影響を及ぼすことがあります。
ただし、過去に債務整理を行ったからといって、必ずしもローン審査で落ちるわけではありません。
債務整理後に一定期間、返済能力を示すことができれば、審査に通る可能性があります。
債務整理を行った経験がある人は、申し込み前に事前に金融機関に相談するようにしましょう。
年収の3分の1以上の金額を借入申請した
公務員は安定した職業であり、年収も一般的な企業に比べて高いため、多くの方がローン審査に合格しやすいと思われがちです。
ローン審査では、申請者の返済能力も重要なポイントの一つとして見られます。
年収の3分の1以上の金額を借入申請する場合、返済能力に対する不安が出てしまう可能性があります。
そのため、年収の範囲内で借入額を設定し、返済計画を明確にすることが大切です。
既に多くの借入件数を抱えている
ローン審査では、借入件数も審査ポイントの一つとして見られます。
多数の借入件数を抱えている場合、それだけ返済負担が大きくなり、返済能力に不安が出てしまう可能性があります。
既に多数の借入件数を抱えている場合は、返済能力を示すことができるように、可能な限り早急に借入件数を減らすように努めましょう。
申込書類に不備があった
ローン審査では、提出された申込書類が正確かつ完全であることが求められます。
公務員であっても、必要書類を不備なく提出できていなかったり、申込書に記入漏れや誤りがあった場合には審査に影響が及びます。
提出書類が遅延してしまったり、不備があった場合には再提出を求められるため、再確認を怠らないように注意しましょう。
公務員がローン審査に落ちた後の再チャレンジの流れとタイミング

公務員がローン審査に落ちた場合、すぐに再チャレンジするのではなく、審査落ちの原因を見直し、改善することが大切です。
具体的な改善の流れとしては、次のような項目が挙げられます。
- ローン審査落ちの原因を把握する
- 改善策を実行する(信用情報、返済履歴の改善・年収を上げる等)
上記のポイントを踏まえ、再チャレンジするタイミングは、改善策を実行してからある程度時間が経過した後、信用情報が改善された後が適しています。

申し込み情報の場合は、照会日から6カ月間情報が保存されるため、一度ローン審査に落ちた方は、半年後にもう一度再申請してみるのが良いでしょう。
ローン審査落ちの原因を把握する
まずは、審査落ちの原因を正確に把握することが重要です。
審査落ちの原因が明確でなければ、次の申請に向けて具体的な対策を打つことができません。
原因が分からない方は、申請したローン会社もしくは、信用情報機関に問い合わせるのがおすすめです。
改善策を実行する(信用情報、返済履歴の改善・年収を上げる等)
審査落ちの原因が分かったら、改善策を実行しましょう。
たとえば信用情報の改善や、返済履歴の改善、年収を上げるための副業などが挙げられます。
ただし、改善策を実行しても、即座に審査に通るとは限りません。
一度、ローン審査に落ちた後は、申し込み情報が6ヶ月間保存されるため、最低でも最初の申請日から6ヶ月間以上空けた後に再申請するのが好ましいです。
公務員がローンを利用する前に押さえておくべき2つのポイント

公務員がローンを利用する前に、押さえておくべき2つのポイントは、次の通りです。
- ライフプランを考慮した上で返済計画を立てる
- どのような金利タイプのローンであるか理解する

ローンを利用する前には、必ず自己の収支状況を把握する必要があります。
家計が苦しい状況で、無理してまでローンを組まないようにしましょう。
ライフプランを考慮した上で返済計画を立てる
返済計画を立てる際には、自分の収入や支出を正確に把握し、返済可能な金額を計算してください。
返済期間が長くなるほど、毎月の返済額が減る傾向がありますが、長期的には金利負担が増加するため、できるだけ短期間で完済することを目指しましょう。
将来的な出費を予測し、それに備えて返済計画を立てることで、予期せぬ支出があった場合でも返済が滞ることなく、安心して借り入れできます。
たとえば、結婚や出産、転職など、将来におけるライフイベントがある場合、それに伴って支出が増える可能性があります。
また、返済計画を立てた後は、定期的に見直すことも大切です。
収入や支出に変化があった場合には、返済計画を修正することで、将来的な支払いに支障が出るリスクを防げます。
どのような金利タイプのローンであるか理解する
ローンの金利は、固定金利と変動金利の2種類があります。
種類 | 固定金利 | 変動金利 |
---|---|---|
メリット | ・金利が変動しないため、返済額が予測しやすい ・長期間の返済期間を選んでも、金利の上昇による返済増加のリスクを回避できる ・予算管理がしやすく、家計の安定化につながる | ・金利が低いときに借り入れをすると、返済額が抑えられるため、初期負担が軽くなる ・金利が下がった場合、返済額も減るため、ローンの返済期間を短くできる |
デメリット | ・金利が上がった場合でも、返済額が変わらないため、利息が高くなる可能性がある ・返済期間中に金利が下がっても、固定された金利で返済しなければならない | ・金利が上がった場合、返済額が増えるため、家計の負担が増える可能性がある ・返済期間が長い場合、金利の上昇により、返済額が膨らむリスクがある ・予算管理が難しいため、家計の安定化につながりにくい |
将来のライフプランや経済状況を考慮した上で、借入金額、返済期間、金利の水準などを総合的に判断し、固定金利と変動金利のどちらが適しているかを慎重に考える必要があります。
ただし、現在の低金利環境下では、固定金利が低い場合が多いため、固定金利での契約を検討することが多いでしょう。
【目的別】公務員におすすめのローン3選

ローンを活用する際には、あなたの目的に適した金融機関を利用することが重要です。
- 公務員に最もおすすめのローンは共済貸付
- 高額融資を希望する公務員は銀行機関のローン
- 緊急性が高い公務員は消費者金融ローン

一般的に公務員の場合は、共済貸付を利用するのが最適解だといえます。
なぜなら、他の金融機関よりも金利が低く、ローン審査も容易に通る確率が高いからです。
公務員に最もおすすめのローンは共済貸付
公務員共済制度は、公務員専用の保険制度であり、個人資産形成のための共済貸付も提供しています。
公務員共済貸付は、金利が低く、返済期間が長いため、公務員に最もおすすめのローン商品の一つです。
たとえば公務員共済貸付においては、金利は0.9%〜1.6%程度で、返済期間は最長20年間となっています。また、融資額も最大で1,000万円まで借りることができます。
公務員共済貸付は、低金利で長期間にわたる返済が可能なため、不動産購入や大規模なリフォームに向いているといえるでしょう。
\ 共済貸付を行なっている共済組合の一覧表 /
組合名 | 対象者 |
---|---|
国家公務員共済組合 | 国家公務員 |
地方職員共済組合 | 道府県の職員 地方団体関係団体の職員 |
東京都職員共済組合 | 東京都の職員 |
全国市町村職員共済組合連合会 | 指定都市の職員 市町村の職員 特定の市職員 |
警察共済組合 | 警察官 警察職員 警察庁職員 皇宮護衛官 |
公立学校共済組合 | 公立学校の教職員 教育委員会職員 |
日本私立学校振興・共済事業団 | 私立学校の教職員 |
日本郵政共済組合 | 日本郵政の職員 |
高額融資を希望する公務員は銀行機関のローン
銀行機関のローンは、総量規制の対象外であるため、より大きなローンを組みたい方におすすめです。
銀行機関のローンは、融資額が多く返済期間も長いため、低金利で長期間の返済が可能な上に、公務員に対する審査も、比較的ゆるい傾向があります。
たとえば三菱UFJ銀行の「マイカーローン」においては、最大で1,000万円までの融資が可能であり、金利も1.5%〜2.45%程度と、公務員共済貸付に劣らない低金利です。
その他、大手銀行では、不動産購入や住宅ローンに関しても、公務員に対して優遇的な金利や特典が用意されている場合もあります。
緊急性が高い公務員は消費者金融ローン
緊急性が高く、身内や同僚などにバレずに借入を行うのであれば、消費者金融のカードローンがおすすめです。
消費者金融は、申し込みから融資までが迅速で、最短で当日中に融資を受けることができます。
ただし、消費者金融は金利が高めであり、返済期間も比較的短めに設定されているため、返済計画をしっかりと立ててから利用しましょう。
緊急性が高い場合には有用ですが、無計画な借入は避けるようにしてください。
公務員のローン審査に関するよくあるQ&A

公務員のローン審査に関する悩みの中でも、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ質問形式で分かりやすくまとめてみました。

公務員であっても、ローンを組む際には必ず計画的に行うようにしましょう。
Q.公務員だと住宅ローンは年収の何倍まで借入可能ですか?
公務員の場合、住宅ローンは年収の6倍まで借入可能です。
ただし、各金融機関で審査基準が異なるため、必ずしも6倍まで借入可能とは限りません。収入や資産状況、借入履歴などの要素によっても借入可能額は異なります。
住宅ローンを利用する際には、自分自身の収支状況や借入履歴などを正確に把握し、適切な借入額を設定することが大切です。
Q.公務員でも住宅ローンの審査に落ちることはありますか?
公務員であっても、住宅ローンの審査に落ちる可能性はあります。
審査においては、収入や職種だけでなく、借入件数や信用情報など複数の要素が考慮されます。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なるため、必ずしも公務員であれば審査に通りやすい訳ではありません。
住宅ローンを申し込む際には、複数の金融機関から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
万が一、審査に通らなかった場合でも、原因を確認し、改善策を立てて再度申し込むこともできます。
Q.公務員が共済貸付で虚偽申告を行うとどうなりますか?
公務員が共済貸付で虚偽申告を行った場合、共済組合側は貸し付けを取り消すことがあります。
加えて、虚偽申告により支払われた貸付金は、返還を求められるでしょう。
公務員が意図的に虚偽申告を行った場合、公務員倫理法違反に該当するため、懲戒処分を受ける可能性もあります。
公務員にとっては、信用の失墜や経済的な損失、更には職場での信用やキャリアに影響を及ぼすことになるため、虚偽申告は避けるべきです。
Q.公務員はなぜ住宅ローンの審査に通りやすいのですか?
公務員が住宅ローン審査に通りやすい理由としては、次のような項目が挙げられます。
安定した収入がある
公務員は安定した収入があることが多く、定期的に収入が入ることが予測しやすいため、返済能力が高いとみなされます。
安定した雇用形態である
公務員は、国や自治体に雇用されており、雇用形態が安定しています。そのため、将来的な収入の見込みが高く、返済能力があると評価されます。
社会的信用が高い
公務員は、国や自治体に所属する公務員であるため、社会的信用が高く、信頼性があると評価されます。そのため、返済能力が高く、返済計画が立てやすいと判断されます。
Q.公務員が住宅ローンを利用する際におすすめはありますか?
公務員が住宅ローンを利用する際におすすめの方法は、共済貸付を利用することです。
一般的な銀行などの金融機関では、住宅ローンの審査が厳しく、公務員でも収入に対して借り入れ額が少なくなることがあります。
しかし、共済貸付は公務員専用のローンであり、収入や勤続年数などの条件が整っている場合には、比較的容易に借り入れが可能です。
共済組合が公務員の健康管理や福利厚生などを支援するための活動にも取り組んでおり、会員相互の支援体制が整っているため、返済に困った場合にも相談しやすい環境が整っています。
ただし、共済貸付は、一定の条件を満たすことが必要となるため、必ずしも全ての公務員が利用できるわけではありません。
詳しい条件や審査基準は、各共済組合によって異なるため、事前に確認することが重要です。
Q.公務員で借金がある人はローン審査に通らないですか?
公務員でも借金がある人はいるため、全てのケースでローン審査に通らないとはいえません。
ただし、借金がある場合は、審査に落ちやすい傾向にあるため注意してください。
借金がある方は、返済能力に不安があると判断されるため、審査に通るためには他の条件をより満たす努力が必要です。
共済貸付であれば、個人信用情報に傷があってもローン審査が通る可能性がありますので、一度窓口で相談してみると良いでしょう。
まとめ
公務員がローン審査に落ちる5つの原因に関して、それぞれ詳しく解説しました。
- 過去に返済遅延した経験がある
- 過去に債務整理したことがある
- 年収の3分の1以上の金額を借入申請した
- 既に多くの借入件数を抱えている
- 申込書類に不備があった
仮にローン審査に落ちたとしても、その後原因を突き止めて改善すれば、審査に通る可能性は十分あります。
一度、ローン審査に落ちたからといってそこで諦めるのではなく、冷静になってなぜ落ちたのかを把握し、改善することが重要です。

金融機関等のローンは、無理のない範囲かつ返済計画を十分立てた上で、利用するようにしてください。
コメント