個人事業主の社会保険どうすれば良い?健康保険料をおさえる方法と年金受給額を増やす方法

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個人事業主は社会保険の手続きを自分で行う必要があります。「何に入ったら良い?」と戸惑う方は多いかもしれませんが、健康保険・国民年金は加入必須です。40歳を超えると介護保険料も支払います。

ただし、会社員が加入する厚生年金は対象外です。

国民年金の受給額は2022年度月額64,816円であり、老後の備えとして十分とは言い難いでしょう。
個人事業主はどうやって将来に備えればよいのでしょうか?

本記事では、個人事業主も加入しなければならない社会保険、公的医療保険について、負担をおさえる方法、将来受け取る年金を増やす方法を解説していきます。

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個人事業主も加入する社会保険とは

社会保険とは公的医療保険(健康保険)・公的年金・介護保険・労働保険の4つを総称したものです。

公的医療保険は、病気・ケガなどになった時に医療機関での自己負担が3割(義務就学後の6~70歳未満と70~75歳の現役並み所得者の場合)になる制度です。
75歳以上の方は後期高齢者医療保険に加入します。

公的年金は、国民年金・厚生年金を指し個人事業主は国民年金に加入できます。
40歳以上になると介護保険の被保険者になり、保険料を支払います。
日本は国民皆保険・皆年金の国ですので、公的医療保険と国民年金は必ず加入しなければいけません。

労働保険とは雇用保険・労災保険のことで、個人事業主は雇用保険には加入できません。
よって廃業時には会社員が退職した時のように失業手当はもらえません。自分で貯蓄をする、小規模企業共済に加入するなど備える必要があります。
労災保険は労働者を使用しない個人事業主であり、一人親方・飲食物等のデリバリーサービス業者など一定の業種の方は特別加入が出来ます。

今回は加入が必須である公的医療保険と公的年金を中心に解説していきます。

個人事業主の公的医療保険

個人事業主が加入する公的医療保険は、国民健康保険(国保)もしくは業種別の国民健康保険組合となります。

国民健康保険は、他の医療保険制度に加入していない全ての方を対象とした医療保険制度です。会社員は全国健康保険協会(協会けんぽ)や、企業が任意で設立する健康保険組合に自動的に加入しますが、個人事業主は自身で手続きを行わなくてはいけません。

国民健康保険に加入したい方は、管轄の役所の国保担当の窓口に行きましょう。

業種別の国民健康保険組合は士業(税理士・弁護士など)・土木・建築・美容・理容・イラスト・デザイン関係など様々な種類があります。
収入が一定額以上の方は業種別の国民健康保険組合に加入する事で、保険料の負担をおさえることができます。
国民健康保険組合の例は以下の通りで、家族が加入できる組合もあります。

国民健康保険組合加入対象者
全国建設工事業国民健康保険組合建設工事業に携わる方で、個人事業所又は一人親方の者
東京都弁護士国民健康保険組合東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、神奈川県弁護士会などに所属する弁護士・外国法事務弁護士、法律事務所に勤務し業務に従事する者
※地域が限定されています。
大阪府整容国民健康保険組合理容業・美容業(ヘアサロン)に携わっている人、大阪府下の個人経営の店舗で営業している人または勤務している人、家族
※地域が限定されています。
文芸美術国民健康保険組合日本国内に在住し、文芸・美術及び著作活動に従事し、組合加盟の各団体の会員である者と家族

個人事業主の公的年金

日本の公的年金制度には、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金と、会社員・公務員の方が加入する厚生年金保険があります。
個人事業主は国民年金に加入することになります。

国民年金の保険料は毎年改正されますが、2022年は月16,590円です。
国民年金は半年・1年・2年とまとめて前払い(前納)することで割引が適用されますので、個人事業主を続ける予定の方は前納をおすすめします。
最も割引額が大きい方法は口座振替での2年前納です。

2年で元が取れる付加保険料

国民年金は月額400円の付加保険料を支払うと、将来「200円×付加保険料納付月数」が付加年金額として基礎年金に上乗せされます。2年以上受け取ることで、支払った付加保険料以上の年金が受け取ることが可能です。

例えば20歳から60歳までの40年間付加保険料(192,000円)を納めた方は、年間96,000円が付加年金額として基礎年金に上乗せされます。2年間受け取った際には192,000円で元が取れ、以降は支払った保険料以上の年金額が貰えます。

国民年金の受給額(満額)は2022年度で月64,816円です。「老後の備えとしては少ない」と感じる方は多いのではないでしょうか。
老後に備え受給額を増やしたい方は、付加年金に加入しましょう。さらに私的年金・小規模企業共済への加入をおすすめします。

個人事業主は私的年金・小規模企業共済へ加入し老後の備えを

個人事業主が加入できる私的年金には、国民年金基金とiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。国民年金基金とiDeCoのメリット・デメリット、特徴などは以下の通りです。

 国民年金基金iDeCo(個人型確定拠出年金)
加入対象者自営業者・個人事業主など20歳以上65歳未満の全ての方(例外あり)
掛け金掛け金は選択した給付の型・加入口数・加入時の年齢・性別によって決定加入口数は自身で設定できる月5,000円から1,000円単位で自由に設定できる
割引1年分の掛金を前納すると0.1か月分の掛金が割引される無し
特徴・1口目は必ず終身型に加入する
・契約者が亡くなった時に遺族に一時金が支給されるタイプのものがある
・自身で掛け金を運用する
・元本確保型商品もあるが、投資信託を選ぶと元本割れのリスクがある 
メリット・加入した時に受給できる金額が確定している
・終身型の掛け金については一生涯受給できる掛け金が全額所得控除できる 
・掛け金が全額所得控除できる
・金融商品の利益には通常約20%課税されるが非課税で再投資される
・年金として受け取ると公的年金等控除、一時金は退職所得控除が受けられる
・廃業した後も引き続き運用できる
デメリット・予定利率が1.5%でインフレに対応できない可能性がある
・会社員になった場合など国民年金の第1号被保険者でなくなった際には加入資格を喪失する
・加入・移換手数料・口座管理手数料・給付事務手数料など手数料がかかる
・将来の受給額が決まっていない

上記で国民年金基金・iDeCoのメリット・デメリットを確認し、加入を検討しましょう。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員・個人事業主などが、廃業・退職時のためにお金を積み立てる制度です。

掛け金の月額は、1,000円から70000円までの範囲内(500円単位)で自由に設定でき、全額所得から控除できます。
受け取り金額は請求の理由によって異なり、廃業時にはこれまでの掛け金に約1%が上乗せされた共済金が給付されます。

ただし、掛け金の納付月数が240か月(20年)未満で任意解約した場合には掛け金の合計額を下回り「元本割れ」となってしまいます。

まとめ

会社員と比べて社会保険が手薄な個人事業主は、自分で調べ備えておく必要があります。
多くの個人事業主は「国保(健康保険料)が高い」「将来もらえる年金が少ない」という悩みを抱えています。
この記事を参考に、健康保険組合の切り替えや私的年金・小規模企業共済への加入を検討してみましょう。

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