最近、話題になっているメタバースって何なんだろう?
仮想通貨とメタバースは、どんな関係性があるの?
仮想通貨やDefi、NFT等に追随して最近は、メタバースが話題になってきています。
そもそもメタバースとは仮想空間のことを指しており、言葉自体は話題になる前から存在していました。
Meta社(元Facebook)のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が、メタバース分野に対して110兆円規模の投資を行っているのは、ご存じの方も多いでしょう。
米国を代表する企業GAFAの一角が、これほどの資金を投じて開発を行っているのですから、メタバースの将来性に期待する投資家も少なくありません。
本記事ではメタバースが注目されている理由や、仮想通貨やNFT等との関係性に関して、初心者にも分かりやすく解説しています。
日本でもメタバース分野に参入する企業が年々増えてきており、仮想通貨やNFTと同様に今後が期待されている分野です。
実際に投資を行う際には、十分な知識を身につけた上で行うようにしましょう。
メタバース(仮想空間)とは
メタバースとは仮想空間のことであり、インターネット上に構築された現実世界とは異なる、3次元の世界や関連したサービス等を指します。
メタバース(Metaverse)の語源は、メタ(meta/超越した)とユニバース(universe/宇宙)を組みわせた造語です。
日本でもバーチャル空間として徐々に認知されてきており、ビジネス分野でもバーチャル会議として活用されています。
Nintendo Switchの代表的なゲームソフトである「あつまれどうぶつの森」を、イメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
仮想空間に自分の自宅や畑などを用意して、まるでそこで生活しているような体験を、メタバースでも行うことができます。
ブロックチェーン技術により安全性が高い
ブロックチェーン技術とは、簡単にいえば特定の取引に対して、不正できないようにするためのシステムを指します。
仮想通貨の根幹ともなるシステムの一つであり、ビットコインの発案者であるサトシ・ナカモト氏の論文にも幾度となく取り上げられています。
具体的なブロックチェーン技術の定義に関しては、以下の通りです。
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
出典:日本ブロックチェーン協会
ブロックチェーン技術の定義だけみると非常に分かり難いですが、押さえていくべき特徴は主に4つです。
- 改ざんが難しい
- 自立分散システムである
- システムダウンの心配がない
- 取引記録を消すことができない
メタバース上ではブロックチェーン技術を活用することにより、データの改竄を防ぎ、唯一無二のデータ(NFT)を作り出したりしている訳です。
NFTの活用によりメタバース内で資産が生み出せる
NFTとは、Non-Fungible Token(ノン-ファンジャブル トークン)の略語であり、日本語では「非代替性トークン」という意味です。
非代替性とは「唯一無二であり、かえが効かないもの」を指し、ブロックチェーン技術によりNFTが成り立っている訳です。
実際にTwitter上では、NFTアートを高額購入した事例が数多く上がっています。
現物として存在しないただのデータであるにも関わらず、中には75億円相当で落札されたものもあります。
またNFTに関連した商品はメタバース上でも売買されており、新しいビジネスチャンスとして世界中から注目を集めている、といっても過言でありません。
日本でもNFTマーケットプレスとメタバースが連携可能となっており、デジタルアートや音楽、チケット等をNFTとして販売しているアーティストも多いです。
今後も益々メタバース上での商業化が、進んでいくことが予想されます。
メタバースが注目されている4つの理由
メタバースが今注目されている理由としては、主に4つ挙げられます。
- 投資対象として見られている
- メタバースへの参入企業が増えている
- 仮想通貨やNFTアート業界等のバブルによる影響
- コロナ渦による新しいコミュニケーション手段としての活用
一番インパクトが大きかったのは、元FacebookであるMeta社のメタバースへの本格参入でしょう。
メタバースの市場規模は、2020年の時点で約6兆円ほどでしたが、2028年頃には100兆円規模まで拡大するといわれています。
さまざまな要因からメタバースが世界中で注目を集めているため、今のうちから投資しておこうと考える投資家もかなり多いです。
投資対象として見られている
現在では誰もが当たり前のように利用しているスマートフォンが、数年で世界中で浸透したようにメタバースに関しても、将来性が非常に期待されています。
今後の市場拡大が予想されている中で、既にメタバースに関連する仮想通貨や、メタバース上の土地などを購入する人も多いです。
NFTアートが一部で「ただのデータ」といわれながらも、数億円単位で売買されおり、メタバース分野でも同じような現象が起きる可能性が考えられます。
ただし、投機になりやすいため投資経験が浅い初心者が、安易に手を出して良いものではありません。
メタバースへの参入企業が増えている
既にメタバース上では、様々なNFTを活用した経済活動が行われており、日本も例外ではありません。
Meta社をはじめとした、名だたるグローバル企業もメタバース分野に参入してきており、最近はDisneyなどのエンタメ業界からも注目されています。
またメタバースには欠かせないVRゴーグル等の機材に関しても、国内で様々な企業が開発に乗り出しています。
今後はよりシンプルかつ画期的なメタバース機材が、登場するかも知れません。
仮想通貨やNFTアート業界等のバブルによる影響
2009年頃に仮想通貨が誕生し、2017年には仮想通貨バブルとも呼ばれ、仮想通貨で億単位の資産を築いた人は「億り人」と呼ばれるようになりました。
その後、2021年3月頃からNFTアートに対して注目が集まります。
Beepleやウルス・フィッシャーなどのNFTアーティストの作品が、数千万円でやり取りされるようになり、日本でも徐々に認知されます。
そして現在、仮想通貨やNFTアート等のバブルの影響により、次にくる新しい分野としてメタバースが注目されている訳です。
コロナ渦による新しいコミュニケーション手段としての活用
世界的なコロナの影響により、これまでの常識が覆されるような状況の最中、人々のコミュニケーション手段に関しても変化が見受けられます。
会社ではリモートワークが主流となり、学校ではオンライン授業が当たり前のように行われるようになりました。
このような状況の中で、新しいコミュニケーションの場として非常に期待されているのがメタバースです。
Meta社(元Facebook)が2021年8月に新たに公開したサービス「ホライゾン・ワークルームズ」では、メタバース上でアバターを活用した会議ができます。
既にZOOMやTeamsでのオンライン会議が主流となっていますが、今後はより利便性が向上したメタバース上でのコミュニケーションが主流になるでしょう。
メタバースに関連する仮想通貨の選び方
メタバースに関連する仮想通貨は数多く存在しますが、その中から実際に投資を行う際の基本的な選び方に関して3つご紹介します。
- どのようなサービスで利用できるか
- 時価総額はどのくらいか
- 注目度は高いか
ビットコインをはじめとした仮想通貨は、既に約6,000種類以上もの数が存在しており、その中から選ぶのはかなり難しいです。
実際に投資を行う際には、必ずご自身でも徹底的に調べた上で判断してください。
投資はあくまでも自己責任ですので、最終的にはご自身の判断に委ねられます。
間違ってもネット上の情報だけを鵜呑みにして、投資するのは辞めるようにしましょう。
どのようなサービスで利用できるか
メタバースに関連する仮想通貨の中には、サービスによって使えるものと使えないものが存在します。
そのため、ご自身が利用したいと考えているサービスで、使えるような仮想通貨であるか事前に確認する必要があるでしょう。
また特定のサービスやプラットフォームの将来性や、運営企業の実態や透明性なども詳しく分析すべきです。
時価総額はどのくらいか
メタバース関連の仮想通貨を選ぶ際には、時価総額が高い銘柄へ投資する人が多いですが、価格の信憑性に関しても分析が必要です。
一時的に話題なっただけで価格が高騰している場合もありますので、時価総額が高いからといって安易に飛びつくのは危険です。
価格よりも投資対象の価値に着目し、今後どうなっていく可能性が高いのかを予測した上で、最終的な投資判断をすべきでしょう。
注目度は高いか
メタバース関連の仮想通貨へ投資を行う際には、周りからどのくらいの注目を集めているかも、重要な判断基準となります。
話題性だけで判断するのは危険ですが、大手企業から出資を受けていたり、著名人とコラボしてイベントを行なっていたりすると価格にも大きな影響が出てきます。
より話題になり認知度が高くなれば投資する人も増えるため、将来的に価格が今よりも上がる可能性は高いでしょう。
メタバースに関連する仮想通貨の銘柄一覧
メタバースに関連する人気の仮想通貨銘柄は、以下の通りです。
- エンジンコイン(ENJ)
- ディセントラランド(MANA)
- サンドボックス(SAND)
- アクシーインフィニティ(AXS)
- スターアトラス(ATLAS)
同じ仮想通貨であってもそれぞれ特徴が異なりますので、特徴を十分理解した上で投資すべきか判断するようにしましょう。
投資はあくまでも余剰資金で行いましょう。
また短期的な利益を求めてしまい、投機にならないように注意してください。
エンジンコイン(ENJ)
通貨名(シンボル) | エンジンコイン(ENJ) |
時価総額ランキング | 70位 |
価格 | 229.11円 |
公式サイト | https://ja.enjin.io/ |
特徴 | ・35種類以上のゲーム間で利用可能 ・Microsoftをはじめとした大企業が支援している ・オンラインゲーム上のプラットフォーム(Enjin Platform)で利用できる |
エンジンコインとは、シンガポールの企業である「Enjin」が運営を行なっている、ブロックチェーンプラットフォーム上で発行される仮想通貨です。
NFT銘柄としても注目を集めており、過去に2ヶ月で約6倍もの価格高騰が起きています。
またMicrosoftなどの大手企業とも提携しており、今後が期待されている仮想通貨の一つです。
ディセントラランド(MANA)
通貨名(シンボル) | ディセントラランド(MANA) |
時価総額ランキング | 34位 |
価格 | 328.58円 |
公式サイト | https://decentraland.org/ |
特徴 | ・メタバース内を探索可能なVRプラットフォーム ・NFT化された土地の購入ができる ・他のゲームで購入したNFTアイテムを利用できる |
ディセントラランドとは、メタバース内を探索できるVRプラットフォーム(Decentraland)で利用できる仮想通貨です。
ブロックチェーン技術によりVRプラットフォーム上では、土地やアイテムなどがNFT化されており、自由に売買可能となっています。
また他のゲームで購入したNFTアイテム等も利用できるようになっており、既にプラットフォーム上では様々なビジネスが行われています。
\VRプラットフォームの世界観/
サンドボックス(SAND)
通貨名(シンボル) | サンドボックス(SAND) |
時価総額ランキング | 40位 |
価格 | 438.43円 |
公式サイト | https://www.sandbox.game/jp/ |
特徴 | ・NFT化された土地の上にゲームやジオラマ等を設置できる ・ゲーム内でSANDが稼げる ・大手取引所コインチェック等がメタバース上の土地を所有している |
サウンドボックスとは、2021年にリリースされたブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の中で利用できる仮想通貨です。
世界的に人気があるゲーム「マインクラフト(Minecraft)」の世界観に似ていることからも話題になり、多くのユーザーから注目を集めています。
また、ゲーム内では「LAND(ランド)」と呼ばれる仮想土地を所有できるようになっています。
LAND上では、オリジナルの施設やゲーム等を作成し、他のユーザーに対して無料もしくは有料で提供可能です。
\The Sandboxの世界観/
アクシーインフィニティ(AXS)
通貨名(シンボル) | アクシーインフィニティ(AXS) |
時価総額ランキング | 41位 |
価格 | 8,240.19円 |
公式サイト | https://axieinfinity.com/ |
特徴 | ・ベトナム初のゲーミングプラットフォーム ・ブロックチェーンゲーム内で仮想通貨が稼げる ・保有するモンスターを貸し出すことで不労所得が得られる |
アクシーインフィニティとは、ブロックチェーンゲーム(Axie Infinity)で活用されている仮想通貨です。
Axie Infinity内ではモンスターを育成したり、アイテムを売買したりして実際に仮想通貨を稼ぐことができます。
主にアジア圏で流行しているゲームの一つであり、フィリピンではAxie Infinityで生計を立てている人も少なくありません。
ただし、プレーするためには初期費用が必要となります。
\Axie Infinityの世界観/
スターアトラス(ATLAS)
通貨名(シンボル) | スターアトラス(ATLAS) |
時価総額ランキング | 500位 |
価格 | 4.02円 |
公式サイト | https://staratlas.com/ |
特徴 | ・2620年の宇宙空間をイメージしたブロックチェーンゲーム ・2022年4月にリリースされたばかり ・映画並みの高画質で戦闘ゲームが楽しめる |
スターアトラスとは、宇宙空間がテーマのブロックチェーンゲーム内で利用できる仮想通貨です。
ゲーム内では土地やアイテム等の売買がATLASで行えるようになっており、壮大な宇宙空間はメタバース内で作られています。
2022年4月にリリースされたばかりなので、今後の進展が気になる仮想通貨の一つです。
\Star Atlasの世界観/
メタバースや仮想通貨に関するよくあるQ&A
メタバースや仮想通貨に関連する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、分かりやすく回答をまとめました。
メタバース関連の仮想通貨に投資を行う際には、ご自身でもしっかりと調べた上で判断するようにしてください。
Q.メタバース上の土地への投資は意味がないですか?
メタバースに関連するゲーム内では、仮想土地を購入できるものもあります。
メタバースの不動産価値に関しては、今後の普及率に影響されるとされており、ユーザーが右肩上がりに増えれば土地の価格も上がることが予測されます。
しかし、普及率が思うように上がらず、せっかく購入した仮想土地の価格が上がらない可能性もあるため、購入する際には慎重に判断しましょう。
Q.メタバースには将来性があるのでしょうか?
Meta社をはじめとした名だたる大手企業がこぞって参入している様子をみると、メタバースの将来性に関して期待してしまう人も多いでしょう。
メタバースは、クリエイターやアーティスト等に大きな可能性を与えるとともに、私たちの日常に対しても将来的に変化を与える可能性が高いです。
とはいえ、すぐに変化を実感できるわけではありませんので、メタバース分野に投資を行う際には長い目が必要になります。
Q.メタバース関連の仮想通貨はどこで買えますか?
国内取引所でも購入できるメタバース関連の仮想通貨は、複数存在します。
ただ、海外取引所でしか購入できない仮想通貨も多いので、購入したいメタバース関連の通貨がない場合は、海外取引所の利用を検討してみてください。
仮想通貨名 | 購入可能な取引所 |
エンジンコイン(ENJ) | ・Coincheck(国内) ・GMOコイン(国内) ・DMM Bitcoin(国内) |
ディセントラランド(MANA) | BINANCE (海外) |
サンドボックス(SAND) | BINANCE (海外) |
アクシーインフィニティ(AXS) | BINANCE (海外) |
スターアトラス(ATLAS) | BINANCE (海外) |
Q.メタバースを始めるには何が必要ですか?
メタバースを始めるには、ゲーム内で使える仮想通貨やVRゴーグル、VRに対応したパソコン等が必要になります。
仮想通貨や必要機材の詳細に関しては、ご自身がプレーしようと考えているゲームの概要を一度確認した上で、購入を検討することをおすすめします。
まとめ
メタバースとは仮想空間を意味しており、将来性がとても期待されている分野であると解説してきました。
仮想通貨やDefi、NFT等に追随して各メディアでも大きく取り上げており、かなり話題性が高い分野ではありますが、投資する際には注意が必要です。
話題性だけを過信してしまい、安易にメタバース関連の仮想通貨へ投資を行なってしまうと、投資ではなく投機になりかねません。
実際に投資を行う際には、ご自身でも十分に調べた上で最終的な判断を下すようにしましょう。
投資は自己責任です。
万が一のリスクに備えて投資する際には、必ず余剰資金を活用するようにしましょう。
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