【2021年】上半期の不動産市況、新型コロナの影響は?下半期の見通しも

お金のはなし
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2021年上半期、コロナ禍の不動産市況は一体どのような結果だったのでしょうか?下半期の見通しはどうなっているのでしょうか?

不動産市場の取引指標となる「公示価格」は6年ぶりに下落する一方で、「不動産価格指数」は回復、中古マンション・戸建ても取引価格や件数はコロナ前の水準を取り戻しています。

なお2020年1~9月の東京への不動産投資額は世界の都市で1位となり、新築分譲マンションの発売戸数は前年同月からなんと204.5%も増加しました。
下半期はどうなっていくのでしょうか?

この記事では、2021年の公示価格、不動産市場の取引状況、東京への不動産投資額など上半期の不動産市況をお伝えしていきます。
下半期の見通しや注目トピックも解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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2021年は新型コロナの影響で6年ぶりに公示価格が下落!

公示価格は国土交通省が毎年1月1日時点、全国で定められた地点(2021年は26000地点)で鑑定評価を行い、土地の取引価格の指標となる価格を判定したものです。
2021年3月は新型コロナ感染拡大後、初めての公示価格発表となり不動産業界で注目されていました。

2021年の全用途平均の公示価格は以下の通りとなりました。

※単位:%
地方四市は伸び率が7.4%から2.9%に下落し、全国、三大都市圏、地方圏のその他の地域はいずれも新型コロナの影響でマイナスとなっています。全用途平均は2015年以来6年ぶりの下落となってしまいました。

商業地、住宅地を見ていきましょう。

※単位:%

商業地は東京圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市圏すべてにおいて、2013年以来8年ぶりに下落となりました。

ホテル・オフィスなどの商業地は新型コロナの影響を受けやすかったことから、下落幅が大きくなっており、特に大阪圏では+6.9%から-1.8%、地方四市は+11.3%から+3.1%と大きく変動しています。

国土交通省の発表した資料によると「特に、国内外の来訪客増加による店舗、ホテル需要でこれまで上昇してきた地域や、飲食店が集積する地域では、比較的大きな下落。」とあり、インバウンドで地価が上昇した観光地は下落幅が大きくなっています。

※単位:%

住宅地は商業地に比べ、新型コロナの影響を受けにくかったことから下落幅が小さくなっています。

国土交通省のコメントは、「中心部の希少性の高い住宅地や、交通利便性等に優れた近郊の住宅地で上昇が継続しているが、昨年より上昇が見られる地域の範囲が狭まっている。」と記載されています。

地価は下がっていますが、市場の取引状況はどうなっているのでしょうか?

2021年上半期、不動産市場の動向は?

国土交通省では年間約30万件の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」を公表しています。

2021年6月に公表された3月までの指数を見ていきましょう。

住宅・商業用不動産共に上昇しています。
1~3月は不動産市場の取引が活発になることも要因の1つですが、新型コロナの影響を受けた2020年は数値が停滞又は下落傾向にあったため、市場が「コロナショック」から回復してきたと推測されます。

2020年下半期に東京の不動産市場に大きなニュースがあった事も、上昇の原因の1つと見られています。

2020年は東京の不動産投資額が世界の都市で1位に

アメリカの不動産サービス会社「ジョーンズラングラサール」の発表では、2020年東京の商業用不動産投資額が1~9月期で193億ドル(約2兆円)と世界の都市でトップになった事が分かりました。

前年同月に1位であったニューヨークは5位、2位であったパリは4位となっています。東京は2019年1~9月には世界で4位でした。

東京が1位に躍進した背景には、2020年は欧米よりも新型コロナの感染者数が少なくロックダウンも行われなかったことが原因と推測されています。

特に賃貸マンションや物流施設など、安定して収益を得られる不動産が人気となりました。

首都圏の新築分譲マンションの発売戸数が前年同月から204.5%増加

不動産経済研究所が発表する「首都圏 新築分譲マンション市場動向」の2021年4月の結果では、新築分譲マンション発売戸数が前年同月比で204.5%増と驚異的な上昇を記録しました。
マンション価格の平均は7764万円と前年同月より約25%上昇しました。

以下は2018年4月~2021年4月の新築マンション価格の推移となっています。

新型コロナが感染拡大する前である、2020年1月の価格の次に高値となっています。

発売戸数と価格が上昇したことの背景には、前年同月(2020年4月)が最初の緊急事態宣言下で、市場が停滞していたことが挙げられます。

2021年4月は契約率も73.6%と好調だったことから、市場が活気を取り戻してきたと言えるかもしれません。

新築マンションが好調の中、中古物件は一体どのように推移しているのでしょうか?

中古マンション・戸建て物件の動向

全国の指定流通機構(レインズ)が、2021年6月の売買の成約報告があった取引事例の全戸における中古マンション・戸建て物件は以下の通りになります。

中古マンションの成約価格は全国平均で3101万円と前年同月比で9%上昇、取引件数も6243件と前年同月に比べ4.45%上昇しています。

2020年最初の緊急事態宣言があった4、5月は取引件数・価格共に落ち込んでいますが2021年度は回復傾向にあります。

中古戸建て物件は前年同月に比べ平均成約価格2,501 万円で12.33%上昇、件数は3,782 件で10.01%上昇と中古マンションと同様にコロナ前の活気を取り戻しつつあると言えるでしょう。

公示価格、不動産価格指数、東京への不動産投資額、首都圏新築マンション、中古マンション・戸建ての取引状況をご紹介していきました。

2021年上半期の不動産市場は、地価は下がったものの、取引状況はおおむね回復傾向にあり海外投資マネーの流入が目立つ状況です。

2021年下半期の不動産市況の見通しは?

2021年下半期の不動産市場は一体どうなっていくのでしょうか?

米大手の金融系企業グループであるゴールドマン・サックスは、日本での不動産投資を拡大すると米の報道機関・ブルームバーグで発表されています。投資額は従来の年1000億~1500億円から倍増となる2500億円規模になる予定です。

またマカオ大手不動産開発会社が、日本における不動産への累計投資額が約200億円になったことがニュースとなり、これからも東京都心部を中心に投資を進めていくとの意向です。
日本への不動産投資、海外マネーの投入はますます拡大していくことでしょう。

秋には「都道府県地価調査」の結果が発表される予定です。都道府県地価調査は、毎年7月1日時点における標準価格を判定するもので、公示価格と同様に適正な地価の形成を図ることを目的としています。

上記の取引動向からは、都道府県地価調査では地価が上昇に転じると予測されますが、新型コロナ感染拡大の影響がどこまで反映されているかは未知数となります。

市場の取引状況はコロナ前に戻りつつありますが、2021年7月23日現在新型コロナの感染者数は全国的に増加の一途を辿っており、先が見えない状況です。
東京オリンピックの新型コロナへの影響、ワクチン接種の普及などが今後の鍵となっていくでしょう。

まずは秋の都道府県地価調査の結果発表に注目していきましょう。

まとめ

2021年上半期の不動産ニュースのまとめと下半期の見通しをお伝えしました。

下半期は海外マネーの投入、都道府県調査の結果や新型コロナ感染状況によって、不動産市場がどう動くか、注目していきましょう。

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