- 地方移住先の仕事の探し方は?
- 実際に地方移住した人は、どんな仕事に就いているの?
最近は都会から地方へ移住する人が急増していますが、居住地と同じくらい気になるのが移住先での仕事ではないでしょうか。
地方移住するといっても、移住先での仕事がなければ生活できません。
フルリモートで移住先でも転職せずに仕事が継続できる方は良いですが、都会でしか仕事ができずに転職を余儀なくされる方もいらっしゃるでしょう。
田舎と都会では求人数も少ない上に、必ず新しい仕事に就けるかは誰にも分かりません。
この記事では地方移住先での仕事の探し方や、実際に移住された人たちがどのような仕事を行っているのか等に関して、分かりやすく解説しています。
最後まで読んで頂くことで、地方移住先での仕事に関する悩みを解消することができるでしょう。
田舎に全く仕事がない訳ではありませんので、落ち着いて自身にできそうなことから検討していきましょう。
地方移住先でもできる仕事はあるのか?
地方移住を検討されている方の中には、心機一転して田舎での就職をお考えの方も意外に多いです。
都会と比較すると田舎は、どうしても求人の母数が少なくなってしまいます。
年齢が若い上に仕事を選ばなければ、比較的簡単に田舎でも仕事に就くことができますが、30代後半ともなると転職は難しいでしょう。
それでも何かしら専門的な技術や知識を持っている方であれば、田舎でも自身で起業して稼ぐこともできるかも知れません。
田舎には仕事が全くないという訳ではありませんが、ある程度給料が良い仕事に就こうと考えると、都会と比較して難易度は高めだといえます。
田舎での雇用は難しいかも知れませんが、自身で稼ぐ方法は意外に多いため、今の自分にもできることはないか模索してみましょう。
今は働き方が非常に多様化してきているため、「田舎だから仕事ができない」という常識は覆されつつあります。
完全リモートワークの会社に転職するのもあり
地方移住先での仕事の悩みを解消する方法の一つとして、都会にいる間にリモートワークが可能な会社に転職するのも一つの方法です。
地方移住を行うからといって、移住先の会社で必ず働かなければいけないという訳ではありません。
であれば、都会にいる間に完全リモートワークが可能な会社に転職してから、地方移住すれば仕事に関する悩みは解消するはずです。
今はリモートワークを推進している企業も多くなってきていますので、まずは都会で該当する企業の求人情報がないか探してみましょう。
移住支援金対象企業へ転職するのもおすすめ
移住支援金対象企業とは、内閣府総合サイトに登録されている対象企業を指します。
対象企業へ転職すると、国から移住支援金(最大100万円)を受け取ることができます。
登録されている企業の求人情報等に関しては、内閣府総合サイトに掲載されていますので、気になる地域の求人情報を確認してみてください。
地方移住先で仕事付き物件を探す
地方移住先の自治体によっては、仕事付きの物件等も提供されています。
例えば農地と住宅がセットで提供されている場合、農業をやりながらリモートワークと両立することも可能です。
また将来的に農業や林業、漁業等を行ってみたいと考えている方は、自治体によっては農家さん宅等で住み込みで働くこともできます。
農林水産業に限らず、製造業や工場勤務等であれば寮を提供されている企業もあります。
仕事付き物件に関する詳しい情報は、市区町村等の公式サイトに掲載されていますので、参考にしてみてください。
【年代別】地方移住先での仕事事情
地方移住先での仕事事情に関して、20代・30代・40代・50代のそれぞれ年代別の特徴を、分かりやすくまとめてみました。
あなたの年齢によっては、地方移住先での仕事の取得の難易度が異なるでしょう。
20代の地方移住先での仕事事情
20代で地方移住を行う場合は、比較的他の年代よりも仕事を得られるチャンスが多く、どのコミュニティでも受け入れられる可能性が高いです。
地方の平均年齢は都市部と比較して高く、若い人が移住してきただけでも地元の人たちに喜ばれます。
ただし、若すぎるが余り地域の暮らしに馴染めずに、短期間で都市部に戻ってしまう人も意外に多いです。
特に独身者の場合は、想像以上に地方での暮らしが不便であることを理由に、都市部に戻ってしまうケースが大半です。
30代の地方移住先での仕事事情
30代の場合は、ある程度キャリアを積んでいるため、特定の分野での専門家として地方移住先で仕事につくケースが多いです。
働き盛りな30代ということもあり、中には地方移住をきっかけに「地域おこし」に力を入れて、地域産業を発展させる強者も存在します。
一般的には地方移住先での仕事は、都市部と比較して収入の平均値が低いため、給与水準の低さに頭を悩ませる人も少なくありません。
また30代の人は、移住目的と仕事がミスマッチではないか、十分に検討した上で判断しましょう。
40代の地方移住先での仕事事情
40代は20年という長いキャリアを積んできたベテランとして、企業によっては即戦力扱いされます。
特定の分野に長けた能力を持っている人であれば、地方移住先でもプロジェクトの管理者として任せれる仕事もあるでしょう。
中には地方移住をきっかけに、キャリアアップした人も少なくありません。
給与水準に関しては30代同様に懸念材料の一つになりますが、都市部と比較して地方の方が物価が安いため、それほど気にする必要はないでしょう。
50代の地方移住先での仕事事情
都市部では50代というと現場によっては、年寄り扱いされるところもありますが、地方では50代はまだまだ働き盛りだといえます。
地方の平均年齢は60〜70代がとても多く、50代は若手の労働力として扱われることも珍しくありません。
30代や40代と比較して技術やスキル、経験値等で劣るものはありませんので、地方企業に就職されてから力を発揮する人も意外に多いです。
地方移住先での仕事探しのやり方
地方移住先での仕事探しのやり方としては、主に5つ挙げられます。
- 自治体の就労支援サービスを利用する
- 移住先のハローワークで探す
- 農林水産業であれば管轄のJAに相談する
- 地域おこし協力隊に相談する
- 転職サイトや転職エージェントを利用する
転職というと転職サイトや転職エージェントを利用するのが一般的ですが、優先順位としては先に自治体の就労支援サービスを利用した方が良いでしょう。
なぜなら自治体が直接提供している就労支援サービスであれば、プラスαで支援金や補助金等を得ることができる可能性があるからです。
また農林水産業を希望している方は、自治体を管轄しているJAに相談する事で農地や自宅、補助金等の情報を得ることができます。
特に田舎はコミュニティが狭いので地元の人の方が、情報に長けている場合が多いです。
もちろん、転職サイトや転職エージェントも併用して探すのも一つの方法でしょう。
地域のことは地域の人に直接相談した方が、お得な情報を確保しやすいです。
代表的な田舎暮らしの仕事10選
代表的な田舎暮らしの仕事を10つに絞って取り上げてみました。
- 地域おこし協力隊
- 地方移住先で起業
- 農林水産業
- 公共事業関連の仕事
- 製造業・工場勤務
- 役場勤務
- 民宿・ゲストハウス
- 飲食業
- 保育士・介護士等
- リモートワーク(テレワーク)が可能な業種
細かく見ていけば地方移住先でも行える仕事は、まだまだ挙げられます。
田舎では「半農半X」という働き方もできますので、必ずしも一つの仕事に専念するのではなく、複業として掛け持つのも一つの方法です。
特定の仕事に固執せずに広い視野を持って、地方移住先での仕事を探してみましょう。
取り上げている項目は、実際に地方移住された方が行っている仕事になります。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、国が提供している制度の一つであり、移住希望者が地域協力活動を通して最終的に定住を目指す取り組みを指します。
隊員は1年以上3年未満の任期制となっており、隊員の活動費として一人あたり470万円を上限として、財政処置が行われています。
任期終了後は独立支援補助なども利用できますので、地方移住をお考えの方は地域おこし協力隊の利用も検討してみると良いでしょう。
地方移住先で起業
地方移住先で起業するのも一つの方法です。
国は地方で起業を行う人に対して、起業支援金を最大で200万円提供しているため、原資として補助金等を活用すればうまく起業することも可能です。
その代わり地域に求められるような事業でなければ、支援金を受け取ることができなかったりするので、事業内容はしっかりと検討した上で実行するようにしましょう。
農林水産業
地方移住先で農業や漁業、林業等の農林水産業を仕事にしようと考える人も多いです。
一次産業は今や人口減少により多くの地域で後継者不足や、労働者の高齢化に悩まされています。
そのため、地方移住者が少しでも一次産業に興味を持ってくれることは、地方の人たちにとってはとてもありがたいことです。
いきなり経験や知識もなく一次産業で起業するのは無謀ですので、まずは農家さん宅等に住み込みで弟子入りするなどするのが良い方法でしょう。
また、一次産業を始めるにあたり、経済産業省や農林水産省が提供している補助金等を活用することができるため、気になる方は管轄のJAに直接ご相談ください。
公共事業関連の仕事
地方移住先の道路や鉄道、上下水道、住宅、教育施設、公園等国や都道府県が管轄する公共事業関連の仕事を行うのも一つの方法でしょう。
特定の業種になると資格が必要な場合が多いですが、業種を選ばなければ意外に地方でも公共事業関連の求人はあるものです。
公共事業関連の仕事は他と比較して安定性があり、業種によっては給料も平均以上も受け取れる場合もあります。
気になる方は移住先のハローワーク等に、問い合わせてみてください。
製造業・工場勤務
地方には工場が比較的多いため、製造業や工場勤務として働くことも可能です。
休日等もしっかりと決まっており、就労時間もきっちり定められているため、人によってはかなり働きやすい環境だといえます。
また工場によっては寮が提供されるところもあり、仕事と住宅の両方を手に入れられます。
役場勤務
警察官や消防士、地方公務員等として地方で働く選択肢もあります。
役場勤務は稀なケースではあるものの、地方移住者の中には地域の警察官や消防士として、仕事を行っている人も一定数います。
公務員なので給料や雇用の安定性という面ではかなり優れており、地域の人たちと直接関わる仕事なのでやりがいもあるでしょう。
民宿・ゲストハウス
地方移住者の中には、古民家を改装して民宿やゲストハウスとして、事業を行っている人もいらっしゃいます。
最近はウィルスの影響もあり、宿泊者も大分減ってきてはいるようですが、ある程度状況が収まれば需要も回復することが見込まれます。
支援金制度や補助金等をうまく活用して自宅をリフォームし、復業の一つとして民宿サービスを提供するのも一つの方法でしょう。
飲食業
地方移住先でカフェや農家レストラン等を開業するのも、一つの方法です。
独立開業するにあたり使える支援金制度や補助金等もある上に、食材に関しては地方なので都会よりも安く手に入ります。
ただし、集客という点では都会よりも圧倒的に人が少ないので、加工食品等を製作してインターネット販売等も行う必要があるかもしれません。
もちろんすでに地方にある飲食店に就職して、都会で培った知識や技術を活かすのもありです。
保育士・看護師・介護士等
保育士や看護師、介護士等の需要は地方でも高いため、現時点で必要資格を持っている方は地方移住先でも仕事に困ることはないでしょう。
特に高齢者が多い地方では介護士の人手不足が問題となっているため、一度移住先の社会福祉法人等に問い合わせてみてください。
また、現時点で医療系・介護系等に必要な資格を持っていない方は、先に資格を取得してから地方移住を検討すると良いでしょう。
リモートワーク(テレワーク)が可能な業種
地方でもインターネット環境とパソコンさえあれば、リモートワークとして稼ぐことも可能です。
具体的に地方でリモートワークできる業種としては、以下が挙げられます。
- Webデザイナー
- プログラマー
- Webライター
取り上げているのはあくまでも一部ですが、特にWebライター業であれば比較的に短期間である程度は稼げるようになるでしょう。
もちろん100%全員が稼げるようになるとは限りません。
地方にも”フリーランス育成事業サービス”を提供している事業者がいるため、まずはスクール等を利用するのも一つの方法です。
フリーランス・リモートワーカー向けの役立つ求人サイト
フリーランスやリモートワーカー向けのおすすめサイトとしては、次の通りです。
- PARAFT
- Reworker
- CODEAL
- mama works
- フリーエンジニアのIT求人・案件情報サイト【レバテックフリーランス】
地方移住を検討されている方の中には、既にフリーランスとして活動しており、仕事として地方でもリモートワークが可能な方が一定数いらっしゃると思います。
最近は会社員を辞めて、フリーランスとして独立する方も多いです。
地方移住を検討されている方で仕事面が不安な人は、オンラインで完結できる副業から始めるのも一つの手段でしょう。
オンライン上で稼げるスキルを身につけることで、場所を選ばずに働けるノマドワーカー的な働き方も実現可能となります。
特定のITスキルを身につけることで、田舎でも十分に稼ぐことが可能ですので、この機会に副業から始めてみてはいかがでしょうか。
現在は働き方が多様化してきているため、自身の人生設計に合わせて都度に仕事を変えるのも賢い方法だといえます。
地方移住の仕事に関するよくあるQ&A
地方移住の仕事に関連する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、分かりやすく回答をまとめてみました。
仕事は生活を行っていく上で欠かせない要素ですので、地方移住を行う前にまずはしっかりと収入源を確保した上で、実行するようにしましょう。
また地方に移住すると収入が下がるという話がよく挙がりますが、一概に全ての人に該当する訳ではありません。
地方では生活コストが都会よりもかからないため、工夫次第で資産を増やすことも可能です。
Q.女性でも地方移住先で仕事は見つかりますか?
結論からいうと、女性でも地方で仕事を探すことは可能です。
家族で地方移住する場合は、女性はパートやアルバイトとして地方で働くケースが多い傾向にあります。
逆に独身女性だと都会から地方へ移住するケースは稀であり、独身男性の方が比較的多いです。
地方移住をお考えの女性の方は、「認定NOP法人ふるさと回帰センター」に一度問い合わせてみてください。
Q.地方移住先で20代におすすめの仕事はありますか?
実際に地方移住した20代30代の若い人たちは、「仕事は自身で作るもの、見つけるもの」と語っている人が多いです。
若いというのはそれだけで一つの武器になりますので、まずは自分が地方でやりたいこと、やってみたいことに挑戦してみてはいかがでしょうか。
若いうちの失敗は自身の大きな成長に繋がりますので、積極的に挑戦してみましょう。
Q.地方移住先での仕事に関する支援制度はないのでしょうか?
あります。国や各自治体で移住者に対しての就業支援が実施されているため、まずは気になる地域の市町村公式サイトを調べてみましょう。
その他、詳しい地方移住先での仕事の探し方に関しては、前述していますので参考にしてみてください。
Q.実際に地方移住された人はどんな仕事を行われていますか?
一概にはいえませんが、地方移住を検討する人の中には「農ある暮らし」を希望する人が多く、複業(もしくは自給自足するため)として農業を始める方が一定数います。
地方でもリモートワークが可能な仕事をすでに行っているのであれば、休日は自宅で食べる分の家庭菜園等を行っても良いのではないでしょうか。
また地方で行う仕事がまだ決まっていない方は、一度体験移住サービス等を利用しみて直接、現地で移住した人たちにインタビューしてみるのも一つの手です。
Q.40代50代になると地方移住先での仕事探しは難しいですか?
結論からいうと30代後半になると、地方でも仕事探しは難しくなります。
40代50代の方は、雇用ではなく起業を考えて地方移住を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば地方移住先で農地と自宅がセットになっている物件を購入し、新しく農業を始めてみるのも一つの方法です。
農林水産省の調べによると、令和2年度の農業従事者(個人経営体)の全国平均年齢は、67.8歳と非常に高い水準となっています。
40代50代で地方移住して農業を新たに始めても、年齢的には非常に若いとみられます。
まとめ
地方移住先での仕事探しは、実際に移住体験サービス等を利用して現地で聞き込みを行うのも、一つの方法です。
インターネット上の情報だけでは現実味に欠けるため、自分自身が実際にどのような場所で働きながら暮らすのかを確認するのは、非常に大事なことです。
もちろん、既存の転職サービスを利用するのは大変良いことではありますが、いざ現地へ行ってから「イメージと違った…」とならないで良いように気をつけましょう。
地方移住を検討されている方は、今一度ご自身のライフプランの見直しが必要です。
ライフプランニング等でお困りの方は、専門家であるFPへお気軽にご相談ください。
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