省エネ住宅とは?住宅ローン控除・税金の優遇措置の要件と併せて解説

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省エネ住宅とはエネルギーを省きながら快適に暮らせる住居を指し、一定の要件を満たした場合に住宅ローン控除の控除額が増え税金の優遇措置を受ける事ができます。

省エネ住宅の他にもZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅など税金の負担軽減や優遇措置が受けられる住居があります。

「どこが違うの?」「どんなメリットがあるの?」とお考えの方は多いでしょう。

本記事では、省エネ住宅とは何か、省エネ住宅で優遇される制度・軽減される税金について3点ご紹介していきます。

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省エネ住宅とは

省エネ(省エネルギー)住宅とは、冬季に室内の熱を逃がさない断熱性、夏季に室外の熱気が入らない遮光性、風通しが良い気密性に優れた家を指します。

日本で家庭内における冷暖房のエネルギー消費は約30%を占めており、エネルギーの削減が課題となっています。
省エネ住宅は「エネルギーを省ける(省エネ)」、快適で経済的などのメリットがあります。

省エネの基準として、2016年11月に発効された国際的な気候変動に対する取り組み「パリ協定」 を踏まえて2017年に施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律( 建築物省エネ法)」があります。

建築物省エネ法では、省エネに関する基準に① 屋根・外壁・窓など断熱性能に関する基準(外皮性能)、②住宅で使うエネルギー消費量の基準(一次エネルギー消費量基準)の2点を設けています。

住宅の省エネ基準は地域ごとに分けられ、例えば札幌は地域区分2、那覇は地域区分8とエリアの寒暖によって8つに区分されています。

資源エネルギー庁では省エネ施策の一環として、「省エネポータルサイト 」で人気Youtuberの「省エネやってみた 」動画配信、補助金活用事例などを公開し啓発・普及活動を行っています。

さらに政府目標である「2020年までに新築の注文戸建住宅の50%以上、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」の達成に向けて経済産業省では「ZEHロードマップ」を策定、普及に向けた取り組みを行っています。

「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」とは、「外皮の断熱性能を向上させ、高効率な設備システムを導入し省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。

省エネ住宅をさらに進化させ再生エネルギーを導入した住宅で、より高性能な「ZEH+」「次世代ZEH+」、集合住宅版の「ZEH-M(ゼッチマンション)」 などもあります。

最終的に、政府は2050年のカーボンニュートラル (温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡)を実現し、環境に優しい住宅づくりを目指しています。

<カーボンニュートラルのイメージ図>

省エネ住宅が優遇される主な制度や税金の軽減3つ

  • 住宅ローン控除
  • 登録免許税
  • 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置

1.住宅ローン控除


住宅ローンを契約し住宅の新築・取得又はリフォームなどを行った場合に一定の金額を所得税(控除額を引ききれなかった方は翌年の住民税 )から、契約時期・入居時期に応じて最大13年間控除する制度です。

年末の住宅ローン残高の一定額もしくは住宅の取得金額のうちいずれか少ない方の金額が10年間(要件を満たした場合は13年間)控除されます。

ローン契約・居住開始時期居住開始時期2014.4~2021.12※2014年4月以降でも経過措置により5%の消費税率が適用される場合、消費税課されない個人間売買などは2014年3月までの措置を適用。新築の注文住宅:2020.10.1~2021.9.30分譲住宅:2020.12.1~2021.11.30に契約し、消費税率10%で購入、2021.1.1~2022.12.31までの間に入居 もしくは居住開始時期2019.1~2022.12居住開始時期2022・2023年 居住開始時期2024・2025年
控除期間10年間13年間13年間10年間
控除率1%1~10年目1%11~13年目住宅ローン残高又は住宅の取得金額(上限4,000万円)のうち少ない方の金額の1%②建物の取得価格(上限4,000万円)の2%÷30.7%0.7%
控除の対象となる借入限度額・通常の住宅4000万円
・認定長期優良住宅・認定低炭素住宅5,000万円
・通常の住宅4000万円
・認定長期優良住宅・認定低炭素住宅5,000万円 
・通常の住宅3,000 万円
・認定住宅5,000 万円
・ZEH水準省エネ住宅4,500 万円
・省エネ基準適合住宅4,000 万円
・通常の住宅2,000 万円
・認定住宅4,500 万円
・ZEH水準省エネ住宅3,500 万円 
・省エネ基準適合住宅3,000 万円

※居住開始時期2022~2025年は2022年の税制改正大綱で決定

認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)、ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅は上記の通り控除の対象となる借入限度額が通常の住宅より多く、控除額も大きくなります。

2.登録免許税

住宅の登記(所有権保存登記)・名義変更(所有権移転登記)を法務局で行う際に登録免許税が課されますが、長期優良住宅・認定低炭素住宅は一定の要件を満たすことで軽減されます。

登録免許税は不動産の価額に対して、以下の税率が掛けられます。

 本則一般住宅特例※長期優良住宅認定低炭素住宅
所有権保存登記0.4%0.15%0.1%0.1%
所有権移転登記2.0%0.3%戸建て:0.2%マンション:0.1%0.1%

※住宅用の家屋は一定の要件を満たすことで軽減税率が適用されます。

3.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置


父母や祖父母など直系尊属から、自身のマイホームを新築又は取得・増改築するための資金を贈与された20歳以上の方は一定の要件を満たす場合に贈与税の一定額が非課税となります。

①契約年省エネ等住宅※一般的な住宅
2019.4~2020.33,000万円2,500万円
2020.4~2021.121,500万円1,000万円
②契約年省エネ等住宅※一般的な住宅
2016.1~2020.31,200万円700万円
2020.4~2021.121,000万円500万円

①消費税率10%が適用される場合
②消費税率8%の適用を受けて住宅を取得した又は個人間売買により既存住宅を取得する場合

※「省エネ等住宅」とは、省エネ等基準(断熱性・一次エネルギー消費量・耐震性・高齢者配慮対策)などが一定の基準を満たした住宅を指します。

契約年省エネ等住宅一般的な住宅
2023.12まで1000万円500万円

なお2022年4月以降は、受贈者の年齢が18歳以上に引き下げられます。

上記の他にも、省エネ住宅や長期優良住宅などを取得・リフォーム、要件を満たしたときに不動産取得税・固定資産税・所得税・個人住民税を控除できる制度 があります。

まとめ

省エネ住宅とは断熱性・遮光性気密性に優れた家で、①屋根・外壁・窓などの性能②エネルギー消費量の2点を基準に判断されます。

省エネ住宅やZEH、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅は住宅ローン控除の控除額が多いなどのメリットがあります。
この記事を参考に省エネ住宅と優遇される制度・軽減される税金について知り、役立てていきましょう。

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