NFTは実態がないから投資しても意味ない?
なぜNFTを買う人が多いの?
最近メディアで話題となっているNFT(エヌエフティー)ですが、日本語では”非代替性トークン“と呼ばれています。
そもそもNFTは、一つの手段なので単体では意味を成しませんが、画像や動画、音声等と結び付けることで唯一性が生まれ、デジタル資産としての価値を生み出します。
実際に米国のデジタルアーティストが作成したNFTアートが、約75億円で落札されたのは有名な話です。
日本でも小学生が夏休みの課題研究として作成した画像が、数百万円で落札された事例が挙がっています。
本記事ではNFTとは一体なんなのか、なぜ大金を出してまでも購入する人がいるのか等に関して、初心者にも分かりやすく解説しています。
NFTは、あくまでも技術的なものであり、他のモノと組み合わせることで価値を発揮します。
最近は、仮想通貨などのデジタル資産を保有する投資家も増えてきましたが、実際に投資する際には十分理解した上で行うようにしましょう。
NFTは意味ない!?は本当なのか
そもそもNFT(Non-Fungible Tokenの略称)は、仮想通貨にも使われているブロックチェーン技術を指します。
簡単にいえば、NFTとは「所有者を証明できる技術」です。
技術的なものなのでNFT単体では意味をなさず、他の要素と掛け合わせることで価値を創出できるという訳です。
例えば最近話題のNFTアートでは、アートとNFTを掛け合わせることで、複製や改ざんが不可能な唯一無二の作品を作り出せるようになりました。
NFTアート作品によっては、一点だけで数億円するものも存在しており、2021年12月には作品を担保に融資を受けられるサービス開発が行われています。
ただのデジタル画像を担保にお金が借りられるという、これまでにない金融サービスです。
NFTの登場により、これまで価値を成さなかったモノに対して、大きな付加価値を与えたと言っても過言ではないでしょう。
NFTが”今”注目されている2つの理由
NFTが今注目を集めている理由としては、大きく分けて2つ挙げられます。
- 投機商品として注目が集まっている
- リアルな世界との繋がりがある
SNSで話題沸騰中のNFTですが、現在はメタバース分野でも広く活用されており、認知度はここ数年でかなり高まっています。
話題性だけで投資を行うのは危険ですので、必ずご自身でもなぜ注目されているのかに関して、十分理解しておく必要があるでしょう。
投機商品として注目が集まっている
NFTが今ほどの注目を集める一番の要因になったのが、NFTアートです。
中でも米国のデジタルアーティストBeeple氏が手がけたコラージュ作品「Everydays—The First 5000 Days」は、世界的に有名なNFTアート作品の一つ。
当時の落札価格は、約79億円と今もなおNFTアート市場で、最も高い落札価格となっています。
その後、SNS上でも「NFTアートは儲かる」という話題が瞬く間に広がり、デジタル資産として保有するのが今では当たり前のようになっています。
リアルな世界との繋がりがある
ゲームとNFTを掛け合わせた”NFTゲーム”の世界では、ゲーム内で使える仮想通貨なども出回っており、プレイしながらお金を稼ぐことも可能です。
またNFTにより希少性や唯一性が生まれたことで、従来のゲームの世界でもアイテムやアバター等を資産として保有できるようになりました。
実際にフィリピンでは、有名NFTゲーム”Axie Infinity”の利用者が増えており、ゲーム内の報酬だけで生計を立てている人も少なくありません。
そのような現状を見てフィリピン政府は、NFTゲームの報酬に対して税金を掛ける対策を検討しています。
NFTの活用事例
NFTの可能性は、何もデジタルアートやゲームの世界だけに留まりません。
著名人のTwitterのツイートから、トレーディングカードなどNFTと紐付けるだけで唯一性が生まれ、今ではかなりの値段で売買されています。
またメタバースの登場により、各企業ではNFT商品としてメタバース上で販売する動きも、年々活発化してきています。
メタバースとは仮想空間を意味しており、Mata社(元Facebook)CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、年間100億ドル以上かけて開発を行っている分野です。
デジタルアート
デジタルアートの分野ではこれまで複製が容易に行えたため、モノ自体に価値を見出すのが難しい状況でした。
しかし、NFTが活用されるようになったことで、NFTアートとして唯一性が生まれ、NFTマーケットプレイスなどで売買できるようになりました。
アーティスト側からしたら、新しいマネタイズの方法が生まれた訳です。
また、二次流通した際にも作成者にインセンティブが支払われる仕組みになっています。
ツイート
2021年3月Twitter創業者の一人であるジャック・ドーシー氏のTwitterの初投稿ツイートが、NFT作品としてオークションにかけられ、約3億円で落札されました。
ただのツイートに約3億円もの価格がついたことで、当時は世界中で大変話題となりました。
TwitterのツイートもNFTと結びつければ、デジタル資産として成り立つという証明になった訳です。
スニーカー
メタバース上でスニーカーを制作しているRTFKTは、世界的なスポーツメーカーNIKEとのコラボシューズをリリースしました。
NFTスニーカーはメタバース上での利用を目的としており、NFTアート同様にデジタル資産としての価値があります。
またNFTゲームの一つである”STEPN”でも、プラットフォーム内でNFTスニーカーが販売されており、2022年4月の段階では約9万円ほどから購入可能です。
トレーディングカード
最近はNFTと結び付けた”NFTトレーディングカード”も発売されており、”sorare”と呼ばれるNFTトレカゲームでは、過去に1枚のカードが約3,200万円で売却されています。
スポーツ分野に限らず、有名アイドルのNFTカード等も多数既に市場に出回っており、希少価値が高いNFTカードは高額で売買されています。
またリアルなトレーディングカードとは異なり、カード自体が摩耗したりしないのも、NFTトレーディングカードの大きな特徴でしょう。
NFTは今後バブル崩壊する可能性はあるのか
「NFTは意味ない」と考えている人の中には、一過性のバブルではないかと考える人も多いです。
しかし、NFTをはじめ仮想通貨やDeFiなどは、一過性のバブルではなくインターネット同様に新しい画期的な技術であると考えられます。
将来的には市場が今よりも拡大し、より多くの人が活用している未来を予測している専門家や、投資家も意外に多いです。
NFT市場が将来的にどうなるかは、ハッキリとは誰にも分かりません。
しかし、今までにない画期的な技術であることには変わりありませんので、今後もNFT関連の新しい商品やサービス等が生み出されることでしょう。
NFTが抱える現状の課題と注意点
NFTは理論上は唯一性があり、その価値を証明できる仕組みになっています。
しかし、法律的に「〇〇権によって保護されている」と、言い切ることは現状できません。
仮想通貨同様に法整備がまだまだ追いついておらず、万が一トラブルが起きた際には例えNFTであったとしても、必ずしも法的に勝てる訳ではありません。
また、NFT関連で利益が出た場合には、原則”雑所得”に分類されますが、今後税制上での扱いが変わる恐れもあります。
その他、NFTゲームでもハッキング被害が出ているため、投資リスクに関しては十分理解しておく必要があるでしょう。
NFTの今後と将来性
世界的に有名な米国企業Meta社(元Facebook)が、既に多額の資金を投じてNFTに関係性が深い、メタバース分野の開発に乗り出しています。
その他にもさまざまな企業がNFT技術を活用した、ゲームやアート等の分野で活発的に開発を進めている状況です。
今後も開発が進みユーザーが順調に増えていけば、NFT市場も今よりも成長し、今以上にNFTの認知度も向上していることでしょう。
必ずしもNFT市場が20年後30年後も残っているとは言い切れませんが、現状を冷静に観察すると将来性はあるといえるでしょう。
まとめ
NFT単体では意味を成しませんが、アートやゲーム等と紐付けることで唯一性が生まれ、デジタル資産としての価値が生まれると解説しました。
既にNFTマーケットプレイスでは、多くのNFT作品が売買されており、デジタル資産として保有している投資家も非常に多いです。
NFTが一過性のブームとして終わる可能性は低く、今後も市場が拡大していくことが予測されます。
これからNFT関連への投資を行う際には、ご自身でも十分調べた上で行うようにしましょう。
NFTに関連する情報は、ネット上に既に膨大な数が存在していますが、中には詐欺や犯罪目的のケースもあるため注意が必要です。
万が一、トラブルに遭遇した際には、消費生活センターや警察相談窓口など信頼できる機関へ相談してください。
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