ライフプランを考える上で、将来的にどのくらいのお金が必要になるのかを、把握しておくことはとても大切なことです。
また、老後2,000万円問題や年々高まる消費税などをみていると、今からしっかりと蓄えておかないと、不安に感じる人が多いのではないでしょうか。
指標となる金融資産の保有率に関しては、年代別に異なります。
そのため、自身の金融資産額が平均値や中央値を上回っているのか、疑問に感じていることでしょう。
この記事では金融資産の中央値・平均値に関して、年代別に分かりやすく解説するとともに、金融資産を投資で増やすおすすめの方法などもご紹介しています。
最後まで読んで頂くことで、金融資産に対する年代別の考え方に関して、理解できることでしょう。
金融資産を年代別で中央値・平均値を参考に比較
年代 | 平均値(万円) | 中央値(万円) |
20代 | 165 | 71 |
30代 | 529 | 240 |
40代 | 694 | 365 |
50代 | 1,194 | 600 |
60代 | 1,635 | 650 |
70代 | 1,314 | 460 |
全年代 | 1,139 | 419 |
平均値は全体の総額を足して、人数で割った数になります。一方、中央値は総額を小さい順から並べた際に、ちょうど真ん中に当たる数値です。
平均値だとどうしても、一人の金融資産が高すぎるとかなり全体に及ぼす影響が大きいため、基本的には中央値を参考にすることが多いです。
金融資産の保有額は人によって個人差があるため、平均値ではなく中央値を参考にすることで、より実情に近くなると考えられます。
20代の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:165万円
- 中央値:71万円
20代は10代と比較して使えるお金が大きく増えるため、人によっては車を購入したり、自己投資したりと多くのお金を使うことでしょう。
また、場合によっては結婚や子育てなどのライフイベントが、発生する人もいるかも知れません。
20代から給料の一部をつみたてNISAやiDeCo等で積立投資することで、将来的に金融資産を増やすことができます。
投資は早ければ早いほど、得られる複利の効果が大きいため、是非とも20代から投資を始めてみてはいかがでしょうか。
30代の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:529万円
- 中央値:240万円
晩婚化が叫ばれている日本では、30代で結婚する人が多いのではないでしょうか。
結婚資金はもとより、子育て資金や住宅購入費用など、さまざまなライフイベントにお金が必要となってくるのが30代です。
そのため、マネープランをしっかりと考えて、金銭管理を行うことがより重要になってきます。
とはいえ、自分たちの老後資金などの確保なども、怠ってはいけません。
少額からでも良いので、コツコツ積立投資を行いましょう。
40代の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:694万円
- 中央値:365万円
子供の教育費のピークが訪れやすいのが40代です。
大学の入学費や海外留学などの費用など、子供にかかるお金がとても大きくなってくるため、より一層金融資産の見直しが必要になってきます。
その反面、これまでよりも子供に手がかからなくなるため、新しく副業を始めたり、思い切って転職したりする人も多い年代です。
また、子供が社会人になるまでの辛抱だと思って、毎月の小遣いから少しづつでも、積立投資を行うことをおすすめします。
50代の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:1,194万円
- 中央値:600万円
50代は子供が社会人になり、自身で使えるお金が増える年代です。
人によってはこれまで出来なかった贅沢をしてしまうケースもありますが、老後資金の確保が思うように出来ていなかった人は要注意です。
老後資金としては、夫婦で最低でも3,000万円を目安に確保しておく必要があります。
今を楽しむことも大切ですが、老後のことも考えた行動をしていきましょう。
60代の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:1,635万円
- 中央値:650万円
60代は退職金などの大きなお金が入る年代です。
これまでに投資経験が全くない人は、安易に周りの人の意見だけに流されて、巨額のお金を一気に投資しないように注意してください。
実際に退職金を全額投資して、大半を失った事例もありますので注意が必要です。
投資に関して不安な人は、フィナンシャルプランナーなどの専門家に、一度相談することをおすすめします。
また、冠婚葬祭や孫の誕生などで嬉しくなり、財布の紐がゆるむ人が多いのも60代です。
今は”人生100年時代“ですから、あまり財布の紐はゆるめ過ぎないように注意してください。
70代以降の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:1,314万円
- 中央値:460万円
60代と比較して平均値、中央値ともに70代で減少しています。
原因としては、年金制度だけでは生活するのが難しいということが一つ挙げられます。
その他、医療費や介護費などの出費も増えてくるのが、70代以降です。
70代の平均値の減少を見ると、若いうちからiDeCo等を活用して資産運用を行うことがどれだけ大切か、ご理解いただけるのではないでしょうか。
70代以降は今まで貯めてきた金融資産を切り崩しながら、生活していくことになります。
ただ、できるだけ預金ではなく、つみたてNISAやiDeCo等のこれまで積み立てた資産から、切り崩して行くのが理想でしょう。
金融資産を世帯別で中央値・平均値を参考に比較
世帯状況 | 平均値 | 推定中央値 | 貯蓄なしの世帯割合 |
単身 | 777.1 | 500〜700 | 26.1% |
夫婦のみ | 1,343.5 | 700〜1,000 | 15.2% |
夫婦と未婚の子供 | 923.9 | 500〜700 | 16.8% |
3世代 | 1,109 | 700〜1,000 | 20.0% |
金融資産の保有割合は、世帯構成によっても変わってきます。
表は厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」のデータを元に作成したものです。
独身世帯の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:777.1万円
- 中央値:500〜700万円
独身者は自身で使えるお金が多いため、貯蓄が少ないわけではありませんが、思ったように貯まらない人も多いです。
特に食費などに関しては、自炊が面倒に感じてしまい、外食する人が多い傾向にあります。
独身の人はお金の流れをしっかりと管理し、月に何にどのくらい使っているのか、今一度見直してみましょう。
夫婦のみ世帯の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:1343.5万円
- 中央値:700〜1,000万円
夫婦のみの世帯は他と比較して、もっとも貯蓄額が多い傾向にあります。
パートナーがいることでお金に対しての意識が変わり、しっかりと貯蓄できている人が大半です。
また、貯蓄なしの世帯の割合も、約1割程度ともっとも低い数値となっています。
夫婦と未婚の子世帯の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:923.9万円
- 中央値:500〜700万円
夫婦だけの時と比べて家族が増えたことで、食費や養育費などにお金がかかるため、家計に関してもしっかりと管理しなければいけません。
また、子供の成長に合わせて、車や住んでいる場所などを変えたりする場合もあるため、細かいマネープランを考える必要があるでしょう。
特に固定費に関しては、なるべく上げないようにする努力が必要です。
3世代世帯の金融資産の平均値と中央値
- 平均値:1,109万円
- 中央値:700〜1,000万円
日本では核家族化が年々進んできていますが、家族3世帯で生活している場合は、奥さんが働きに出やすく貯蓄が行いやすい傾向にあります。
その他、家事・育児なども役割分担して行えるので、一人一人の労力も少ないのが特徴です。
また、住居費や食費などを抑えることもできますので、とても経済的だといえるでしょう。
金融資産を投資で増やすおすすめの方法【資産運用】
日本は”超低金利時代“と呼ばれるように、銀行預金の金利は0.001%ほどととても少ない状況です。
仮に100万円を銀行に1年間預けていたとしても、得られる利益は1,000円にしかなりません。
その上、”老後2,000万円問題”や”消費税増税”など、さまざまなお金に対する不安がつきまといます。
現状を打破するためには年金だけではなく、積極的に個人で資産運用を行い、将来に備える必要があるでしょう。
現在、日本政府は”税制優遇制度”として、
- つみたてNISA
- iDeCo
等を活用するように促しています。
そのため、実際に投資経験が浅い初心者が、資産運用を始めるのであれば、最初はつみたてNISAやiDeCo等の利用を検討した方が良いでしょう。
金融資産に関するよくあるQ&A
金融資産に関する多くの質問や疑問の中で、特に多かった内容だけに絞ってまとめてみました。
コロナ禍の現代において、どのような資産形成が適切なのかのヒントになると思いますので、是非とも参考にしてみてください。
また、取り上げていない内容で聞きたいことがある人は、フィナンシャルプランナーなどの専門家に、一度相談してみることをおすすめします。
コロナ禍により増えた金融資産をどのように利用すればよいのでしょうか?
コロナ禍になってから各国が国民に対して、現金給付を行っていることからも、多くの人が貯蓄額を増やしたと思われます。
また、実際に経済的な不安からコロナをきっかけに、資産運用を始める人も多くなりました。
証券口座の開設数も2020年の中頃には、過去最高と言っても過言ではないくらいに伸びています。
余剰資金が余っている人は、今からでもつみたてNISAやiDeCo等を活用して、資産運用を少額からでも行うべきでしょう。
金融資産を増やすような無理のない上手な貯蓄方法などはありますか?
無理のない貯蓄方法としては、”先取り貯金”がおすすめです。
会社員の場合であれば給料が出た時点で、給料額の10〜15%ほどを先に貯蓄に回します。
そうすることで残りのお金でやりくりし、生活しようと考えるはずです。
老後に備えて金融資産を増やすにはどうすればよいですか?
老後生活のために今から備えるのであれば、“iDeCo”の活用をおすすめします。
毎月決まった額を自動的に積み立てできるようになっており、60歳になるまでは原則として引き出すことができません。
そのため、浪費癖がある人でも楽に老後資金を、確保することができるでしょう。
毎月の貯蓄額の目安などはあるのでしょうか?
国税庁の調査によると、理想の貯蓄額は毎月の手取り額の10%以上とされています。
仮にあなたが20代であれば、20代の平均的な月収は21〜29万円ほどなので、月に2〜3万円ほど貯蓄できていればOKです。
まとめ
ご紹介した各年代別の金融資産の平均値と中央値は、あくまでも目安です。
決して平均値・中央値に達していないからといって、落胆することはありません。
大切なのはご自身の状況に合わせた、無理のない貯蓄プランを立てることです。
また、余剰資金が少しでもある人は、資産運用にも積極的にチャレンジしてみてください。
つみたてNISAやiDeCo等は、投資の知識があまりなくても、簡単に始めることができます。
まずはご自身で調べてみるところから、始めてみましょう。
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