住宅ローンの借り換えとは?メリットとデメリット、注意点を解説

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住宅ローンの適用金利が上がったり、転職して収入が下がったりして、今後の住宅ローン返済に不安を感じていませんか。

住宅ローンへの不安を少しでも減らしたい方には借り換えがおすすめです。

借り換えとは、他の金融機関で住宅ローンを新規契約して、現在の住宅ローンを完済することをいいます。

借り換えは、月々の返済額を下げられる可能性がある一方で、住宅ローン控除の適用が受けられなくなってしまうケースがあるので注意が必要です。

そこで今回は、住宅ローンの借り換えの概要やメリットとデメリット、注意点を解説します。

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住宅ローンの借り換えとは

借り換えとは、他の金融機関で新しい住宅ローンを契約して、借り入れた資金で現在の住宅ローンを完済することを指します。

住宅ローンが数千万円残っているときに借り換えをすると、金利が0.1%違うだけで総返済額が大きく変わります。

住宅ローンの負担を減らしたい場合は、借り換えを検討してみるのがおすすめです。

住宅ローンを借り換えするメリット

住宅ローンを借り換えると月々の支払額が減少し、家計の負担が軽くなる可能性があります。

ここでは、住宅ローンを借り換えするメリットを3つ紹介します。

金利タイプを変更できる

住宅ローンの借り換えでは、変動金利から固定金利といったように金利タイプを変更できます。

主な金利タイプには、変動金利型・固定金利選択型・全期間固定金利型の3種類があります。

変動金利型とは、基本的に半年に1回金利が変動するタイプです。

返済額は5年ごとに見直され、返済額は変更前の1.25倍までと定められています。

固定金利選択型は、借り入れてから5年、10年などの一定期間内の適用金利が固定されるタイプです。

固定期間の終了後は、変動金利型や固定金利選択型から選択できます。

全期間固定金利型はその名の通り、返済完了まで金利が変わらないタイプです。

変動金利型は固定金利型より金利が低く設定されている傾向があります。

ただし、金利が上昇する可能性があるため、適用金利によっては変動金利型の方が総返済額が増えてしまう可能性があることを認識しておきましょう。

総返済額を減らせる

住宅ローンの借り換えによって適用金利を低くすることができれば、総返済額を減らせる可能性があります。

固定金利選択型は、固定期間が終了すると金利が上がる傾向にあるため、そのタイミングで借り換えれば金利を抑えることが可能です。

総返済額を減らすためにも、借り換え前に返済シミュレーションをしておくとよいでしょう。

団体信用生命保険を見直せる

団体信用生命保険とは、加入者が亡くなった場合や、事故・病気で所定の障害状態になった場合などに、住宅ローンの返済が不要となる保険です。

団体信用保険のなかには、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の三大疾病などに備えられるものがあります。

糖尿病や肝硬変などの生活習慣病を対象としている場合もあるので、万が一の事態に不安を感じている場合は、団体信用生命保険の補償範囲を確認したうえで借換先を探してみるのもよいでしょう。

ただし、住宅ローンで備えるより生命保険や損害保険などで備えた方が保険料が安く抑えられるケースもあるので、保険料と補償内容を比較することが大切です。

住宅ローンを借り換えするデメリット

金利タイプや適用金利が変更できる借り換えですが、事前シミュレーションをしておかなければ、返済が苦しくなってしまう可能性があります。

ここでは、住宅ローンを借り換えするデメリットを2つ紹介します。

手数料と手続きの手間がかかる

住宅ローンの借り換えをする際は、事務手数料が発生します。

たとえば、2,000万円の住宅ローンを借り換えた場合は、約20万円の手数料がかかります。

借り換え手数料は、金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、手数料だけでなく必要書類を準備したり、銀行で審査を受けたりする手間がかかってしまいます。

住宅購入時は、不動産仲介会社やハウスメーカーが代行してくれるケースがありますが、借り換えの際は自分で手続きをしなければなりません。

借換先が平日対応していない場合は、なかなか手続きが進まないことも考えられるので、ネット銀行のように休日対応している銀行を選ぶとよいでしょう。

借り換えシミュレーションをする際は、適用金利だけでなく手数料や手間がかかることを考慮しておくことが大切です。

将来の負担が増える可能性がある

住宅ローンの借り換えをしたからといって、月々の返済金額が必ず減るわけではありません。

たとえば、変動金利を契約した数年後に適用金利が上昇するケースも考えられます。

借り換える際は、一時的な住宅ローンの返済額ではなく、長期的な視点でシミュレーションするように心がけましょう。

借り換えを検討するおすすめのタイミング

借入金額が大きい住宅ローンは、金利が0.1%変わっただけでも、総返済額に大きな影響を与えます。

そのため、借り換えをする際は、適切なタイミングを選ばなければなりません。

ここでは、借り換えを検討するおすすめのタイミングを2つ紹介します。

借入時より金利が下がったとき

住宅ローンの金利は、不動産需要や政策金利の影響を受けて変動します。

契約中の住宅ローンより金利が下がったタイミングで借り換えをすると、返済の負担を減らすことにつながるでしょう。

ただし、変動金利は借り換え後に金利が上昇する可能性があるので注意が必要です。

同じ金融機関の住宅ローンでも、契約タイミングによって適用金利が大きく変わる場合があるので、どのタイミングが適しているかを確認することが大切です。

適用金利が上がったとき

固定金利の固定期間が終了し、適用金利が上がったタイミングで借り換えをするのも手段の一つです。

ただし、住宅ローン全体の金利相場が上がっている場合は、借り換えをしても大きな効果が見込めないケースがあるので注意しましょう。

適用金利が変更されるタイミングは、住宅ローンの契約書に記載されています。

住宅ローンの借り換えシミュレーション

借り換えを検討する際は、総返済額がどれくらい減るのかをシミュレーションしておくことが大切です。

ここでは、以下の条件で住宅ローンを借り換えたときの総返済額を紹介します。

借り換え条件
  • 住宅ローン残高2,000万
  • 残りの返済期間20年
  • 金利1.5%から1%に借り換え
  • 全期間固定金利
  • 元利均等払い
  • ボーナス払いなし
金利1.5%金利1.0%借り換え後の金額差
ローンの総返済額23,162,045円22,074,815円-1,087,230 円
毎月の返済額96,509 円91,978 円-4,531 円
借り換えの諸費用175,000 円
諸費用と総返済額の合計金額23,162,045 円22,249,815 円-912,230 円

このように適用金利が0.5%下がっただけでも、約100万円も総返済額が下がります。

住宅ローンを借り換えするときの注意点

借り換えする際は、事務手数料を含めたシミュレーションをしなければ、総返済額が増えてしまうかもしれません。

ここでは住宅ローンを借り換えるときに、押さえておきたい注意点を2つ紹介します。

住宅ローン控除の対象になるか

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に、所得税と住民税から年末残高の0.7〜1%の所得控除が受けられる制度です。

控除率と適用年数は住宅の購入時期によって異なり、最長で13年間の控除が受けられます。

なお、借り換え後に住宅ローン控除の適用が受けられるのは、住宅ローンの返済期間が10年以上残っている場合のみです。

たとえば、残期間が8年の住宅ローンを、返済期間12年の住宅ローンに借り換えた場合は、住宅ローン控除の適用対象外となるのです。

住宅ローン減税の適用が受けられない場合は、住宅ローンの総返済額が減ったとしても総返済額が増えてしまうケースも考えられます。

住宅ローン減税の適用期間は、借り換えによって延長されることがないので注意しましょう。

総返済額が減っているか

借り換えを検討する際は、総返済額が減っているかのシミュレーションをすることが大切です。

なかには、住宅ローン減税の控除額が減ったり、手数料が発生したりすることで住宅ローンへの負担が増えてしまうケースも考えられます。

変動金利にする場合は、今後の金利上昇によってどれほどの影響があるのかを確認しておくとよいでしょう。

住宅ローンを借り換える際は、一時的な返済額だけでなく、長期的な視点をもっておくことが大切です。

まとめ

住宅ローンの借り換えをすると、適用金利や金利タイプが変更できるので、住宅ローンの負担を軽減できる可能性があります。

しかし、適用金利が上昇したり住宅ローン減税の適用が受けられなかったりすることで、住宅ローンの負担が増えてしまうことも考えられます。

住宅ローンの借り換えを検討する際は、今後の金利動向や手数料なども確認しながらシミュレーションをすることが大切です。

借り換えシミュレーションや家計見直しをしたい方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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