公務員は、海外旅行を行う際に必ず申請が必要ですか?
私事旅行届を出さないとどうなりますか?
公務員が海外旅行へ行く際には、基本的には申請が必要になります。
ただし、海外旅行申請に関する法律が明確に定められている訳ではなく、自治体や所属先によって事情が異なります。
もともとは冷戦時代に機密情報が、国外に漏れないようにするために定められた制度といわれており、現在は以前ほど厳しく追及されていません。
国家公務員や自衛隊、警察官など国の防衛や機密情報に深く関わる職業は、海外旅行申請が必ず必要になります。
万が一、それらの職業の公務員が、海外旅行申請を行わずに渡航した場合、分限処分(または懲戒処分)になる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、公務員の海外旅行申請に関する情報を、初心者にも分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、公務員であっても不安なく堂々と海外旅行へ行けるようになるはずです。
公務員の海外旅行申請に関しては、職業や所属先、自治体などによって事情が異なるため、必ず渡航前に人事課もしくは直属の上司などに尋ねてください。
国家公務員が海外旅行する際には申請が必要である
国家公務員が海外旅行へ行く際には、必ず海外旅行申請が必要になります。
たとえば自衛隊や公安職(警察官、消防士、刑務官、入国警備官、皇宮護衛官 等)の場合は、「海外渡航承認願」を提出し、各所属庁の長の承認を得なければいけません。
公安職に関しては、国内であっても管轄外のエリアへ行く際には、「管外旅行許可願」が必要な職種も存在します。
万が一、海外旅行申請を行わずに渡航すると、分限処分(または懲戒処分)を下される可能性があります。
国家公務員の場合は、地方公務員とは異なり海外旅行申請なしで渡航するというのは、基本的にはあり得ないと認識しておきましょう。
国家公務員の海外旅行申請のタイミング(1〜2ヶ月前)
国家公務員が海外旅行へ行く際には、旅行計画を事前にある程度立てた上で、渡航の1〜2ヶ月前から「海外渡航承認申請」を行うようにしましょう。
申請してからすぐに承認が降りるという保証はなく、場合によってはあなたが予想している以上に承認が降りるまで時間がかかるケースも考えられます。
特に自衛官などの海外旅行に厳しい制限をかけている職業についている方は、海外渡航申請に必要な項目を事前に確認した上で、余裕を持って申請するようにしてください。
国家公務員の海外旅行申請における注意点
国家公務員が海外旅行へ行く際に注意するべきことは、申請違反にならないことです。
申請違反には、具体的に次のような項目が挙げられます。
- 海外旅行の期日に申請が間に合わず、申請なしで渡航した
- 職場に海外旅行へ行くのがバレないように、黙って申請しないで渡航した
- 「海外渡航承認申請制度」について知らなかった
- 海外旅行申請を行ったが承認が降りなかったため、隠れて渡航した
- 虚偽の海外渡航承認申請を行った など
万が一、海外旅行申請が間に合わなかったり、もともとそのような制度を知らずに渡航したりといった場合、事後の「海外渡航承認申請手続」が行える場合もあります。
そのため、嘘をついたり隠れて渡航したりすることだけは、やめるようにしてください。
トラブルに陥った際には、あなた一人で悩みを抱え込まずに、必ず信頼できる上司に相談しましょう。
地方公務員の海外旅行申請は自治体によって事情が異なる
地方公務員の場合は、職業や地方自治体によって異なりますが、プライベートの海外旅行などであれば海外旅行申請が必要ないケースもあります。
公務員における「職員服務規則」にだけ気を付けておけば、地方公務員の場合はそこまで厳しく海外旅行に関して、追求されることはありません。
ただし、自治体によっては「私事旅行届」の提出を求められる場合もありますので、必ず勤めている自治体の人事課や上司に一度確認するようにしましょう。
地方公務員の場合は、国家公務員と比較して海外旅行申請に関しては、どこも比較的にゆるい印象です。
地方公務員の海外旅行申請のタイミング
地方公務員が海外旅行申請を行う際には、最低でも渡航の1ヶ月前に申請を行っておきましょう。
地方自治体によっては、申請が必要ない場合もあります。所属している自治体の「職員服務規程」を確認した上で、必要であれば申請を行なってください。
職員服務規程に関しては、各自治体で独自に定められていますので「〇〇職員服務規程」などでGoogle検索すると簡単に調べられます。
地方公務員が海外旅行へ行く際の注意点
地方公務員の海外旅行に関しては、厳しい制限が設けられている訳ではありませんが、最低でも上司にいつ・どこへ行くのかだけは報告しておきましょう。
万が一、渡航先でトラブルに遭遇したり、帰国時期が遅れてしまったりした際に、事前に上司に海外旅行に関して伝えておけば事情を説明しやすいです。
海外旅行申請が必要ないからといって、職場に何も伝えないまま海外へ渡航してしまうと、万が一の際に最終的に困ってしまうのはあなた自身です。
事前に報告した上で海外旅行へ出かけた方が、現地でより楽しめます。
公務員が海外旅行する際に必要な各申請書類の書き方
公務員が海外旅行する際に必要となる各申請書に関して、代表的なものを3つご紹介します。
- 私事渡航承認申請書(私事旅行届)
- 旅行届
- 海外渡航承認申請書
申請書類の書き方自体は、どれも非常に簡単です。シンプルな形式となっているため、はじめて記載する方でも迷わず作成できるはずです。
私事渡航承認申請書(私事旅行届)
私事旅行届に関しては、主に国家公務員が海外旅行へ行く際に、提出を求められる申請書類になります。
他の海外旅行申請書と比較すると、かなりシンプルな記載事項となっているため、書類作成にはそれほど時間はかからないでしょう。
旅行届
旅行届には、旅行計画の詳細を記載します。
こちらは記載事項が他の書類と比較して多い上に、ある程度海外旅行のプランを練ってからでないと、記入できません。
海外渡航承認申請書
海外渡航承認申請書は、自衛官(国家公務員)が海外旅行へ行く際に必要になる申請書類です。
記載事項は7項目となっており、正式な書式はありません。
所属先によってテンプレートが用意されているはずですので、書類を作成する際にはテンプレートがないか一度、上司や人事に尋ねることをおすすめします。
公務員の海外旅行申請に関するよくあるQ&A
公務員の海外旅行申請に関する多くの質問や悩み等の中から、特に内容が多かった項目だけに絞って、回答をわかりやすくまとめてみました。
職業や所属、自治体などによってルールが異なりますので、必ず事前に上司や人事に確認するようにしましょう。
Q.公務員が無許可で海外旅行すると後でバレますか?
公務員が無許可で海外旅行すると、あなたの所属する機関や組織によってはバレる可能性があります。
公務員は、勤務上の時間や費用を適切に利用することが求められており、無許可で海外旅行をすることはその規定に違反する場合があります。
このような場合、組織内での調査や報告などによって、無許可の海外旅行がバレる可能性が高いです。
Q.地方公務員が私事旅行届を出さないとどうなりますか?
地方公務員が私事旅行届を出さない場合、あなたの所属する地方自治体によっては、法律違反や規則違反となる可能性があります。
加えて、職場での地位や信用などに悪影響を及ぼすことも考えられるでしょう。
Q.警察官は海外旅行だけではなく、国内旅行でも申請が必要ですか?
警察官が国内旅行をする場合、旅行申請が必要かどうかは、あなたが所属する警察機関の規程や指示によって異なります。
一般的に警察官は、勤務上の時間や費用を適切に利用することが求められており、国内旅行に関しても事前の申請が必要な場合があります。
詳細については、所属する警察機関の規程や指示を確認することが望ましいです。
Q.公務員の海外旅行申請は自衛官が一番厳しいですか?
公務員の海外旅行申請において「自衛官が一番厳しい」とは、一概に断言できません。
公務員の海外旅行申請に関しては、あなたが所属する機関や職種、海外旅行の目的などに応じて規定が異なります。
また、国や地域の安全保障状況や政治情勢なども影響することから、各公務員に対する海外旅行申請の厳しさが異なる可能性が高いです。
Q.公務員におすすめの海外旅行先はどこですか?
公務員の海外旅行先については、その人の興味やスタイル、予算などに応じて様々です。
海外旅行の目的や時期なども影響することから、全ての公務員におすすめの海外旅行先はありません。
海外旅行を楽しみたい公務員は、自分の興味やスタイルに合った海外旅行先を選ぶことが大切です。
予算や旅行のタイミング、目的などに合わせて適切なプランを立てることが望ましいでしょう。
まとめ
公務員の海外旅行申請に関しては、国家公務員は基本的に申請が必要になります。
地方公務員に関しては、職業や所属部署、自治体などによって定められているルールが異なるため、必ず事前に確認した上で海外旅行へ出かけるようにしてください。
万が一、無断で海外に渡航した際には、分限処分もしくは懲戒処分の対象になりかねませんので、くれぐれも注意しましょう。
仮に海外旅行申請が必要なかったとしても、上司にいつ・どこに・どの程度の期間行くのか程度、口頭でも良いので伝えておくと安心して渡航できます。
公務員が海外旅行へ出かける際には、万が一に備えて「海外旅行保険」などに関しても、考慮しておきましょう。
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