贈与税の時効は6年(隠蔽は7年)時効が滅多に成立しない3つの理由

お金のコラム
この記事は約9分で読めます。
相談者
相談者

贈与税には時効ってあるのかしら…?

時効が成立した場合は、贈与税は納めなくても大丈夫なの?

贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日まで)の贈与額が、基礎控除110万円を超えた金額に対して課せられる税金です。

贈与税の時効は基本的には6年となっていますが、故意に申告を隠したりすると、7年に時効が先延ばしにされます。

贈与税の時効が成立すると、税務署から「税金を納めなさい」と言われることもありません。

しかし、贈与税の時効は滅多に成立しないものであり、贈与税を避けたいが故に故意に申告を隠して時効を迎えても、却下される可能性があります。

この記事では贈与税の時効が滅多に成立しない理由や、無申告が税務署にバレた際のペナルティ等について、分かりやすく解説しています。

最後まで読んでいただくことで、贈与税の時効を気にすることなく、正しい節税のやり方を身につけることができるでしょう。

担当FP
担当FP

贈与税の時効は原則6年ですが、隠蔽などの悪質なケースだと判断されると、7年に延長されます。

脱税が税務署にバレると、罰則により別途罰金を納めなければいけませんので、事前に申告して納めておいが方が無難です。

スポンサーリンク

贈与税の時効は原則6年(隠蔽は7年)

贈与税の時効は原則6年と定められており、申告を故意に隠したりすると7年に延長されます。

贈与税の時効は贈与が行われた翌年の3月16日からカウントされ、その後6年後の3月15日に時効が成立します。

例えばAさんが2020年2月1日に子へ贈与を行なった場合、翌年2021年3月16日から時効がカウントされ、2027年3月15日に時効成立です。

また時効は、贈与が成立しないことには効果を発揮しませんので、贈与契約自体が成立していなかった場合は当然時効もありません。

そもそも贈与はお互いの合意がないと成立しないため、一方的にお金を送金しても成立しないのです。

担当FP
担当FP

贈与したと思っていたのに、贈与契約自体が成立していなかったため、相続の際に相続税の対象になってしまったというケースは意外に多いです。

贈与税の時効が滅多に成立しない3つの理由

贈与税の時効が滅多に成立しない理由としては、主に3つ挙げられます。

  • 時効には「中断」という制度がある
  • 名義預金だと判断される
  • 立替金や貸付金としてみなされる

時効による納税義務の消滅は例外的な処置であり、必ずしも申告しなければ納税しなくて済む、という話ではありません。

中でも贈与税は、時効が成立し難い税金の一つであるため、時効を待って納税を避けようとしている人は注意が必要です。

担当FP
担当FP

贈与税の時効が難しいのは、贈与契約が双方の同意を前提としているからだとも言えます。

双方の同意が確認できなければ、贈与になりませんので時効も成立しません。

時効には「更新」という制度がある

時効には「更新」という制度が設けられており、特定の行為を行なったことで消滅時効が更新されると、それまでの期間経過はリセットされます。

例えば贈与税の時効期間中に、以下のような行為が行われた場合です。

  • 税務署から催促状が届いて6ヶ月以内に差し押さえがあった
  • 税務署から督促状が届いた
  • 一部納税を行なった

その他、贈与税の本税を支払ったとしても、延滞税の支払いが済んでいない場合は、時効が完成猶予されますので注意が必要です。

名義預金だと判断される

“名義預金”とは、銀行口座の名義人と実際にお金を出している人が、異なる預金のことを指します。

  • 生前贈与を目的に子名義の銀行口座へ預金した
  • 子名義で預金している事実を子自身は知らない
  • 銀行口座のキャッシュカードや印鑑等は親が管理している

上記のような場合、名義預金と税務署から判断され贈与契約が成立しません。

また名義預金と判断された場合には、贈与は成立しないので、相続の際には相続税の対象となります。

立替金や貸付金としてみなされる

“立替金”とは、特定の支払いに関して一時的に他の人が立て替えて支払った代金のことを指します。

また”貸付金”とは、期日までに返済してもらう約束で貸し付けたお金のことです。

生前贈与では双方の合意がないと成立しないため、合意の事実が証明できない場合は、立替金や貸付金とみなされる可能性があります。

また返済が前提となっている金銭の受け取りは、贈与に該当しません。

例えば下記のような場合は、立替金や貸付金とみなされやすいので注意しましょう。

  • 海外留学のために300万円を受け取った
  • 新しい事業を行うために1,000万円を援助してもらった
  • 借金を返済するために負債を全額負担してもらった

贈与税の時効が成立しなかった判例

本人が贈与したという意思を持っていても、受け取った側の合意を得られていなければ、贈与は成立しません。

仮に贈与が成立しなかった場合は、相続税の申告漏れとして税務署に判断される場合もあります。

また、故意に申告を行わなかった場合は、あまりにも悪質だと7年を過ぎても、時効が認められない可能性も大いにあります。

担当FP
担当FP

実際に納税者と税務署で、悪質な贈与税の時効を巡って裁判になり、時効が取り消された判例があります。

相続税の申告漏れと判断された

贈与契約は、一般的に贈与者と受贈者の双方の合意の上で成立する契約です。

贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

出典:民法549条|国税庁

民法549条に明記されているように、あげる側が一方的に贈与を行なったと公言しても、受け取る側の意思が確認できなければ贈与は成立しません。

仮に贈与税の申告を隠して7年が経過したとしても、贈与が成立しなければ「相続税の申告漏れ」として、判断される可能性もあります。

故意に無申告を行い7年の時効が過ぎても罪に問われた

不動産の贈与契約に関わる贈与税を、7年の時効が過ぎるまで隠していた納税者Aさんと、管轄の税務署が裁判を起こしました。

当時の裁判は、平成5年3月29日に名古屋地裁で判決が下されましたが、結果は納税者側の敗訴となっています。

Aさんが贈与の成立を証明するために、予め作成していた「公正証書の贈与契約書」も判決の結果、無効となったようです。

当然、Aさんにはその後厳しい罰則が課せられた上に、社会的信用まで失ったうことになりました。

あまりにも悪質な脱税行為は、例え時効を迎えていたとしても厳しく罰せられますので、くれぐれもやらないようにしましょう。

贈与税の時効が成立しなければ追徴課税が課せられる

贈与税の時効が成立しなければ、追徴課税が課せられることになります。

“追徴課税”とは、過去の税額が申告していた事実よりも少なかったり、申告自体を行っていなかったりした場合に追加で課せられる税金です。

追徴課税には、主に4つの種類があります。

  • 無申告課税:申告自体を行なっていなかった場合に課せられる
  • 過少申告加算税:故意に税額を少なく申告した場合に課せられる
  • 重加算税:意図的に申告を行わなかった場合に課せられる
  • 延滞税:税金の支払いが納税期日を過ぎた場合に課せられる

意図的に贈与税に関する申告を隠し、脱税行為を行なった場合は最悪ペナルティ以外にも、禁固刑や罰金刑の対象となることもあります。

担当FP
担当FP

脱税行為は立派な犯罪なので、決してやらないようにしましょう。

無申告がバレた際にペナルティだけで済めば良いですが、社会的信用まで失ってしまうと取り返しがつかなくなります。

生前贈与で適切に税金対策を行う3つの方法

贈与税を節税する方法としては、主に3つ挙げられます。

  • 歴年贈与で長期的に贈与を行う
  • 非課税の特例制度を活用する
  • ジュニアNISAや生命保険等を活用する

贈与税には節税対策のやり方が複数あるため、申告を隠して時効を待つなどの危険なことを行わなくても、正規の方法で賢く節税する方が賢明だといえます。

担当FP
担当FP

贈与税の節税対策として、特別非課税制度が複数用意されているため、適応条件に該当する場合は申告の必要がありません。

とはいえ、中には申告しないと成立しない特例制度もありますので、しっかりと調べた上で活用を検討しましょう。

歴年贈与で長期的に贈与を行う

“暦年贈与”とは、贈与税の基礎控除110万円以内で贈与を毎年行うことで、節税するやり方を指します。

贈与税は1年間の贈与額が110万円以内であれば、非課税な上に税務署への申告も必要ありません。

そのため、仮に10年間毎年110万円を贈与した場合、1,100万円が非課税となる訳です。

一括贈与を行うと110万円を超えてしまう恐れがありますが、分散して長期的に贈与を行うことで、贈与税を回避することができます。

ただし、贈与者が死亡された場合は、死亡してから3年以内の暦年贈与は無効となり、相続税の対象となるためその点だけ注意が必要です。

非課税の特例制度を活用する

代表的な贈与税の特例制度としては、主に6つ挙げられます。

  • 住宅取得等資金の贈与:最大1,200万円まで非課税
  • 教育資金の一括贈与:最大1,500万円まで非課税
  • 結婚・子育て資金の贈与:最大1,000万円まで非課税
  • 相続時精算課税制度の活用:最大2,500万円まで非課税
  • 配偶者控除の活用:最大2,110万円まで非課税

それぞれ適応条件さえ満たせば、多くの非課税枠を得ることができるため、利用しない手はありません。

暦年贈与で贈与できない場合は、特例制度を活用して一括贈与を検討してみてください。

ジュニアNISAや生命保険等を活用する

“ジュニアNISA”とは、0歳から19歳までを対象とした子供の将来のための資産形成を、援助するための非課税制度です。

非課税制度を活用すれば年間80万円までは、税金が課せられません。

その上、投資で得られた分配金や譲渡金の受け取り等にも税金が課せられませんので、お子さんがいるご家庭は活用を検討してみてください。

また”生命保険”に関しても、保険にかけた費用に関しては基礎控除内に限り、生前贈与も認められています。

そのため、一度保険の見直しも含めて、被保険者・契約者・受取人等の変更を、検討する必要があると言えるでしょう。

まとめ

贈与税の時効は6年ですが、悪質な申告の隠蔽行為を行なった場合は、7年に延長されます。

時効が設けてあるからといって、申告を隠して時効を待つ行為はおすすめしません。

なぜなら、贈与税の時効は成立し難いからです。主な理由としては3つご紹介しました。

  • 時効には「更新」という制度がある
  • 名義預金だと判断される
  • 立替金や貸付金としてみなされる

故意に申告を隠して税務署からペナルティを受けるよりも、事前に申告して納税しておいた方が無難です。

その他、贈与や相続等でお悩みの方は、お気軽にFPへご相談ください。

担当FP
担当FP

脱税行為でペナルティを受けた挙げ句、社会的信用まで失っては割りに合わないはずです。

贈与税の申告がある方は、管轄の税務署へ期限内に申告を行い、しっかりと納税しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました