健康保険を任意継続するメリット|加入条件や保険料、注意点を解説

2023-1-18リスクと保険
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健康保険の任意継続は、一定条件を満たすことで退職する会社の健康保険に継続して加入する制度です。

家族を扶養に入れることで保険料を抑えられますが、保険料が高くなってしまうケースもあります。

退職を目前に控えた状況で、国民健康保険に切り替えるべきか、任意継続を利用するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は任意継続するメリットと注意点を解説します。

退職時に、国民健康保険と任意継続のどちらにすればいいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

2023-1-18
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健康保険の任意継続とは

2023-1-18

健康保険の任意継続とは、退職した会社の健康保険に継続して加入できる制度です。

任意継続するには、条件を満たしたうえで期限内に手続きしなければなりません。

まずは加入条件と加入できる期間を見ていきましょう。

加入条件

任意継続の加入条件は、資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヶ月以上の被保険者であることです。

加えて「任意継続被保険者資格取得申出書」を資格喪失日(退職日の翌日など)から20日以内に加入していた健康保険組合に提出しなければなりません。

提出が遅れると加入できなくなってしまうので、郵送を利用する際は余裕をもって準備しておきましょう。

提出先は会社の担当部署や、加入している健康保険のホームページから確認できます。

加入できる期間

健康保険の任意継続に加入できる期間は最大2年間です。

ただし、以下に該当する場合は、2年が経過する前に脱退することになります。

  • 保険料を期日までに納付しなかったとき
  • 再就職して他の健康保険に加入したとき
  • 後期高齢者医療(※)の適用対象となったとき
  • 脱退希望を申し出たとき

※後期高齢者医療は満75歳に達した人、もしくは65歳以上で障害認定を受けた人が対象

2022年1月までは中途脱退が認められていませんでしたが、法改正によって2年に到達する前に国民健康保険に切り替えたり、家族の扶養に入ったりすることが可能となりました

保険料

任意継続で支払う保険料は、在職時のおよそ2倍となります。

在職時は会社が保険料を半分負担してくれていましたが、退職後は自身で全額負担することになるからです。

正確な保険料を計算する際は、退職時の標準報酬月額に保険料率をかけると算出できます。

保険料率の異なる都道府県に転出するなど一部のケースを除き、保険料が変わることは基本的にありません。

健康保険の任意継続のメリット

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自身の収入や扶養家族の状況によっては、国民健康保険に切り替えるよりも、任意継続を選んだ方が保険料が安く済む可能性があります。

特に、会社の健康保険で家族を扶養に入れている場合は、そのまま引き継がれる任意継続を選んだ方がよいかもしれません。

一方、国民健康保険には扶養制度がないため、今まで負担する必要がなかった家族の保険料までかかってしまいます。

それぞれの保険料を比較したうえで、どちらの方が負担が少ないかを確認してから決めましょう。

健康保険を任意継続する以外の選択肢

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日本には国民皆保険制度が導入されているため、公的医療保険に必ず加入しなければなりません。

そのため、任意継続を選ばない場合は切り替え先を検討する必要があります。

ここからは、健康保険を任意継続する以外の選択肢を2つ紹介します。

退職後の対応に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

国民健康保険に入る

国民健康保険は自営業や失業者、退職者といった会社の健康保険や共済組合に加入していない人を対象とする保険です。

任意継続と比較したときの国民健康保険のメリットは減免制度がある点です。

減免制度を活用すると、退職や失業などによって前年に比べて所得が著しく減少した場合に保険料負担を軽減してもらえる可能性があります。

適用条件は自治体によって異なるため、利用する場合は窓口に相談してみましょう。

デメリットは先述した通り、扶養制度が利用できない点です。

扶養家族が複数いる場合は任意継続を選んだ方が保険料が抑えられるでしょう。

なお、国民健康保険に切り替える場合は、退職してから14日以内に以下の書類を持って自治体窓口で手続きしなければなりません。

  • 会社の健康保険を脱退した証明書(健康保険資格喪失証明書など)
  • マイナンバー確認書類(マイナンバーカードや通知カード)
  • 本人確認書類

必要書類を忘れてしまうと加入できないので、自治体のホームページで確認しておきましょう。

家族の扶養に入る

退職後に家族の健康保険に加入する(被扶養者となる)のも手段の一つです。

扶養に入る条件は、家族の勤務先が加入している健康保険組合によって異なります。

協会けんぽの場合は、年間収入が130万円未満かつ被保険者の年間収入の2分の1未満であることが要件です。

なお、退職後にアルバイトやパートで働く予定がある場合は、従業員数や月収によっては勤務先の健康保険に加入しなければならないケースもあります。

たとえば、従業員数101人以上(※)の勤務先に2ヶ月を超えて雇用された場合、月8.8万円以上の賃金を受け取ると扶養から外れ、勤務先の健康保険に加入しなければなりません。
※2024年10月以降は従業員数51人以上

家族の勤務先が加入している健康保険組合の要件だけでなく、自身の勤務先の社会保険加入対象も忘れずに確認しましょう。

健康保険を任意継続する際の注意点

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健康保険を任意継続する際は、以下の2つに注意しましょう。

  • 退職してから20日以内に手続きする必要がある
  • 保険料を払い忘れると資格を喪失してしまう

それぞれ詳しく見ていきましょう。

20日以内に手続きしなければならない

任意継続を希望する場合は、退職してから20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」などの必要書類を提出する必要があります。

申出書は加入している健康保険のホームページや担当部署から受け取ります。

国民健康保険に切り替える場合は、退職から14日以内と期限が短くなっているので注意しましょう。

退職後に切り替え先の検討をしていると、どちらの期日にも間に合わない恐れがあります。

退職日を迎える前にどの方法にするかを決めておくのがおすすめです。

保険料を払い忘れると資格を喪失してしまう

任意継続の場合、期日までに支払いを忘れると、健康保険の資格を失ってしまいます。

前納制度や口座振替を利用して、納付忘れが起きないように対策しておきましょう。

なお、任意継続を脱退した場合であっても、未経過分の保険料は返還されます。

任意継続の利用を検討して退職後の負担を抑えよう

任意継続は、一定条件を満たすことで退職する会社健康保険に継続して加入できる制度です。

加入条件は、退職までに継続して2ヶ月間の被保険者期間があることと、資格喪失日から20日以内に申出書を提出することです。

自身の収入や扶養家族の状況によっては、国民健康保険よりも保険料が安く済む可能性があります。

手続きには期日があるため、退職日を迎える前にそれぞれの保険料を比較し、負担が少ない方を選ぶことが大切です。

手続き方法や保険料の計算方法がわからない場合は、社会保険労務士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみましょう。

社会保険制度や保険にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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