遺族年金をもらえる人とは?受給要件を解説。死亡一時金・寡婦年金も

ライフプランニング
この記事は約6分で読めます。
記事内にプロモーションが含まれています。

家族が亡くなり世帯収入が減ってしまった方は「遺族年金」の受給を検討しましょう。
遺族年金は国民年金・厚生年金の被保険者や老齢基礎(厚生)年金を受給していた方などが亡くなり一定の要件を満たした場合に遺族が受給できます。

本記事では遺族年金の概要と受給要件、死亡一時金・寡婦年金について解説していきます。

スポンサーリンク

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金がある

遺族年金は、国民年金・厚生年金保険の被保険者・受給者などで世帯の生計を維持していた方が亡くなった際に遺族が受給できます。

遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、それぞれ受給の要件・対象者が異なります。

遺族基礎年金をもらえる人

以下の1から4のいずれかの要件を満たした場合に、遺族に遺族基礎年金が支給されます。

  1. 国民年金の被保険者である方が亡くなった
  2. 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が亡くなった
  3. 老齢基礎年金を受給していた方が亡くなった
  4. 老齢基礎年金の受給資格を満たした方が亡くなった

1・2については、亡くなった日の前日に保険料納付済期間(免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上であることが要件です。

ただし、①亡くなった日が2026年3月末日まで②亡くなった方が65歳未満③亡くなった日の前日に前々月までの直近1年間に保険料を納付しているという3点を満たしている場合には支給対象となります。

3・4は、保険料納付済期間、保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が25年以上あることが要件です。

受給の対象となる方は亡くなった方の子供もしくは子供のいる配偶者です。
同居しているもしくは仕送りを貰っているなど生計が同一であり、前年の収入が850万円未満(又は所得が655万5千円未満)であることが要件です。

2022年4月以降の遺族基礎年金の受給額は下記の通りです。

  1. 子供がいる配偶者が受け取る場合
    777,800円+子の加算額
  2. 子が受け取る場合
    777,800円+2人目以降の子の加算額
    1人目および2人目の子の加算額 各223,800円
    3人目以降の子の加算額 各74,600円
    ※上記の金額を子の数で割った額が、1人あたりの額です。

遺族厚生年金をもらえる人

遺族厚生年金は、以下の1~5のいずれかの要件を満たしている方が亡くなった際に支給されます。

  1. 厚生年金保険の被保険者である方が亡くなった
  2. 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に亡くなった
  3. 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が亡くなった
  4. 老齢厚生年金を受給していた方が亡くなった
  5. 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が亡くなった

遺族基礎年金と同様に1・2に関しては亡くなった日の前日に、保険料納付済期間(免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上であることが要件です。

ただし、①亡くなった日が2026年3月末日まで②亡くなった方が65歳未満③亡くなった日の前日に前々月までの直近1年間に保険料を納付しているという3点を満たしている場合には支給の対象です。

3・4は、保険料納付済期間、保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が25年以上の方に限ります。

遺族厚生年金の受給対象者は亡くなった方に生計を維持されていた方で、以下のうち最も優先順位の高い人が受給できます。

  1. 妻…子のない30歳未満の妻は5年間
  2. 子…18歳になった年度(3月31日まで)の方又は20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方
  3. 夫…亡くなった時に55歳以上である方※
  4. 父母…亡くなった時に55歳以上である方(60歳から受給開始)
  5. 孫…18歳になった年度(3月31日まで)の方又は20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。
  6. 祖父母…亡くなった時に55歳以上である方(60歳から受給開始)

※1 受給開始は60歳からです。ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合には55歳~60歳の間でも遺族厚生年金を受給できます。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html

優先順位は上記の通りです。

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。
報酬比例部分とは、年金の加入期間や過去の月給・賞与などに応じて異なり一般的には加入期間が長く収入が高いと受給額も高くなります。

なお、①厚生年金保険の被保険者、②厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内の方、②1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が亡くなったケースで被保険者期間が300月(25年)未満の際には、300月とみなして計算します。

65歳以上で老齢厚生年金を受給できる権利がある方が、配偶者が亡くなったことにより遺族厚生年金を受給する場合は以下の2つを比較し、高い方の金額が遺族厚生年金の額となります。

  1. 亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額
  2. 亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額+自身の老齢厚生年金の額の2分の1

死亡一時金・寡婦年金とは

遺族年金の他にも一定の要件を満たす場合には寡婦年金や死亡一時金が支給されます。

寡婦年金

寡婦年金は、夫が亡くなった日の前日に国民年金の第1号被保険者(自営業者・個人事業主など)として保険料を納めた期間もしくは国民年金の保険料免除期間が10年以上である夫が亡くなった妻に60~65歳までの間に支給されます。

夫と10年以上継続して婚姻関係(事実婚を含む)にあり、亡くなった時に夫に生計を維持されていた妻が対象です。

受給額は、夫の第1号被保険者期間の老齢基礎年金額の4分の3の額です。
亡くなった夫が、老齢基礎年金又は障害基礎年金を受けたことがある、妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合は支給されません。

死亡一時金

死亡一時金は、亡くなった日の前日に第1号被保険者として保険料を納めた月数が36ヶ月以上ある方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受給せずに亡くなった場合、亡くなった方と生計を同じにしていた遺族に支給されます。

遺族は

1・配偶者、2・子、3・父母、4・孫、5・祖父母、6・兄弟姉妹

の中で優先順位の高い方が受給者となります。
死亡一時金を受ける権利は亡くなった日の翌日から2年以内ですので、早めに申請しましょう。

死亡一時金の額は、120,000円~320,000円で保険料を納めた月数によって決まります。
遺族が遺族基礎年金を受給している場合は支給されず、寡婦年金を受けられる際には、どちらか一方を選択できます。

まとめ

遺族年金の受給要件、死亡一時金・寡婦年金について解説しました。

遺族年金の届け出は最寄りの年金事務所です。日本年金機構では、事務所の窓口だけではなく、電話や文書・FAXによる相談にも対応しています。

https://www.nenkin.go.jp/section/guidance/index.html
この記事を参考に遺族年金の受給要件について知り、今後に活かしていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました