フリーランスのトラブルには、どのような内容が多いのでしょうか?
万が一、トラブルが起きた際の相談先が知りたいです。
フリーランスは会社員とは異なり、後ろ盾となる会社がないため、トラブルが生じた際には基本的に自己責任となります。
過去には裁判沙汰まで発展した事例もありますので、フリーランスの方はくれぐれもトラブル対処のやり方を、間違えないようにしなければいけません。
万が一、トラブルに遭遇した際には、厚生労働省が認可している「フリーランス・トラブル100番」へ一度、相談してみることをおすすめします。
相談自体は無料で行えますので、個人で誤った判断を下すよりも、弁護士や税理士などのプロの意見を仰いだ方が得策です。
この記事では、フリーランスにありがちなトラブルに関して、最新の過去事例を13個に絞ってそれぞれ分かりやすく解説しています。
事前にどのような事例があるのかを把握することで、未然にトラブル回避できるようになるはずです。
フリーランスのトラブル事例13選
内閣官房の調べによると、業務委託契約を行なっているフリーランスの約4割が「トラブルを経験したことがある」と、回答しています。
具体的なトラブル内容として多いのは、次のような項目です。
- 発注の時点で業務内容や報酬額が明示されなかった
- 報酬の支払いが遅れた、期日までに支払われなかった
- 報酬の未払いや一方的な減額があった
- 仕様や作業期間、納品日を一方的に変更された
- 仕事の業務内容・範囲について揉めた
- 代金が低すぎるなど不利な条件での取引を求められた
出典:内閣官房資料
特に報酬に関するトラブルがフリーランスは非常に多いため、予め本当に信頼できる取引先であるか、確認する必要があります。
取引先と突然連絡が取れなくなり、そのまま報酬が支払われずに泣き寝入りするフリーランスも、少なくありません。
フリーランスWebデザイナーへの報酬の未払い
9月の間だけ業務委託でお仕事させていただいた会社さん。
業務委託と別にスポット案件も1件やらせていただいたのですが、その分も含めた報酬が全て未払いとなってしまいました。
連絡したら一度だけ返信があったものの、状況説明でもなんでもないたった一言のみで驚き(せめてまず謝罪してほしい)
出典:Twitter
フリーランスに対する取引先の報酬未払いは、意外に多いトラブル事例です。
報酬が支払われていない場合は取引先に問い合わせ、その後も連絡がなかった時は一度、専門家に相談しましょう。
このようなトラブルを防ぐ方法としては、事前に取引先の会社情報を徹底的に調べることです。
支払い能力が低かったり、信頼できそうにない会社だったりした場合は、契約をやめるようにしましょう。
業務未経験のフリーランスが損害賠償に陥った
未経験で業務委託でwordpressの依頼受けてぶっ壊して、損害賠償になった先輩がいたらしいという話は、定期的にしていきたい。
未経験でフリーランス、業務委託はマジでやめといた方がいいです。
出典:Twitter
フリーランスの中には、無理して業務を引きつけてしまう方も珍しくありません。
自身の力量を超えるような業務を無理して引き受けても、取引先に迷惑がかかるだけです。
フリーランスで損害賠償まで発展すると、仕事どころではなくなります。
くれぐれも同じような過ちは、犯さないようにしましょう。
フリーランスの税法解釈ミスで100万円の損害賠償
100万円の損害賠償。フリーランスで仕事を始めた頃。私の税法解釈ミス。損害発生の可能性。
呆然としつつ「借金してでも償う」と腹をくくり、税法、国税庁通達を読み漁った。
抜け道発見!念のため税理士に確認すると「よく見つけた」と称賛。
損害賠償どころか、顧客からは感謝。腹くくると事態が動く!
出典:Twitter
この方は非常に珍しいケースですが、フリーランス側も税金面に関する基礎知識は、必ず身につけておく必要があります。
税理士ほどの知識は必要ありませんが、最低でも簿記3級程度の知識は、持ち合わせておくべきでしょう。
会社員とは異なり、フリーランスは確定申告を自身で行わなければいけませんので、税金に関する知識は必ず押さえておくべきです。
フリーランスの報酬が振り込まれない
振り込みない、遅れるっていう経験されているフリーランスさん少なくないようですね。うちも実は今月1件あり。
前も遅れた会社さん。「きゃーごめんなさい!」って感じで前回すぐ振り込んでいただいたので今回も多分悪気はない。
うっかりミスは誰にでもあるけど、何回もこれだとなぁってなっちゃうよね。
出典:Twitter
取引先によっては悪意のない報酬の未払いもありますので、必ず一度問い合わせるようにしてください。信頼できる取引先であれば、気づいたらすぐに支払ってくれるでしょう。
その後も報酬の支払いが遅れるようであれば、取引先との契約の見直しを行なっても良いかもしれません。
取引先が音信不通になり案件停止
フリーランスで仕事をしています。
以前からよく知っている、取引先から口約束でお願いされた仕事ですが、あまりに対応が酷く、もう開催日ギリギリの状態です。
打ち合わせ全くなしで、どうするのか何度も連絡していますが、返信なしです。
出典:Yahoo!知恵袋
フリーランス協会の調べによると、フリーランスのうち全体の45%が「口頭」での契約を成立させています。
いくら双方に信頼し合っていても、口頭だけの契約は非常にリスクが高いです。
万が一、トラブルに発展した際に契約に基づいて証明できないため、フリーランス側が不利になる可能性もあります。
面倒ではありますが、必ず業務委託契約書をPDFでも良いので、発行してもらうようにお願いしましょう。
取引先による報酬額の表記ミス
フリーランスで業務委託で仕事を請け負っています。
基本単価が2000円だったところ、単価3000円で明示された状態で依頼があり、作業が2/3ほど進んでいる時に、明示した単価3000円が入力ミスで基本単価の2000円に下がると連絡がきました。
9月にも単価の表記ミス、総額の計算ミスでトラブルになり、委託先から金額面のミスが今後ないようにするという約束のもとでした。
出典:Yahoo!知恵袋
取引先からの金額面でのトラブルに関しては、業務委託契約書に報酬単価を確実に明記してもらうことが重要です。
意図的に減額された際には、契約書を根拠に支払い責任を追及できるため、フリーランス側の報酬は守られます。
万が一、口頭契約だった場合は、チャットやメールでのやり取りを証拠として、必ず保存しておくようにしましょう。
フリーランスへの理不尽な催促
クラウドワークスでコンタクトを取っていたクライアント様に、業務内容を動画にまとめたものをお送りさせていただいたところ。
誤って不適切な動画を送っていることに、クライアント様からの報告で気付きました。
その後謝罪の連絡をし、コンタクトを削除しておりました。
後日、そのクライアント様から連絡があり、不適切な動画を送ったのだから金銭の授与で折り合いをつけるから、いくらくれるか提案してほしいとの連絡が来ました。
出典:クラウドワークス
取引先から理不尽な請求をされた場合、一度専門家に相談した上で論理的な回答を行うべきです。
感情的になって返信してしまうと、取り返しがつかない事態になりかねませんので、くれぐれも注意しましょう。
損害賠償請求に該当するかどうかなども一度、ご自身で調べた上で取引先に掛け合うべきです。
フリーランス向けマッチングサイトの入出金トラブル
非常に困っています、、
10月31日入金予定の報酬が振り込まれていません。クラウドワークス内では出金していることになっているのに、銀行口座に反映されていません。
登録の口座番号は何度も確認しました。ヘルプデスクへも電話がつながりません。
出典:クラウドワークス
このようなケースはサービスの運営側の責任となります。
システムエラーなどによる出金トラブルはよくあることですので、時間を置いた後でまた問い合わせてみるのが得策です。
余談ですが基本的にフリーランスは、生活費の6〜12ヶ月分は「生活防衛費」として、現金を確保しておくのが無難です。
海外の取引先とのトラブル
ランサーで登録後、今まで特に実績なしの状態ですが、恐らく海外と予想されるクライアントの方より英語で仕事依頼のメッセージを頂きました。
英語で書かれており、翻訳してみたところ会社名や所属は記載されてなかったので、、詐欺ではないかと心配です。
出典:ランサーズ
フリーランスを狙った詐欺案件もかなり多いため、必ず取引先の情報や利用しているサービスの信頼性などを事前確認してください。
大半のトラブルは未然に防げるものばかりですので、正しい知識を身につけた上で、トラブル予防に努めましょう。
万が一、詐欺に遭遇した際には、一度「フリーランス・トラブル110番」へご相談ください。
取引先からの支払い拒否
1か月ほど前から、とあるクライアントから仕事が終了したのにも関わらず、支払いを意図的に拒否されて困っています。
そのクライアントとは1か月ほどの付き合いがあり、10本まとめて依頼を何度か受けておりました。
毎度、1本成果物ができるたびに、内容の確認をしてもらい、相手が納得し納品。の流れを10回繰り返し、90本目の納品の時に相手から異常にレスポンスが遅くなりました。
出典:ランサーズ
支払いを意図的に拒否されている場合は、契約内容を改めて提示した上で、早急に支払いを行うように催促すべきです。
支払いやレスポンスの遅延には、何かしらの理由があると思われますので、詳しい話も合わせて伺っておくべきでしょう。
ランサーズを利用している場合は、運営側の問題も考えられるため、その点も考慮した上で行動に移すようにしてください。
フリーランスを狙った詐欺行為
お買い物代行なる案件があったので、クライアントの指定されたものを何点か注文しました。
注文した後不安になったので、この手の案件の噂などを調べてみたところ、今回私が取引しているクライアントの一連の作業内容が、詐欺だと思われる手口と似ていたので不安になっています。
出典:ランサーズ
購入代行に関する案件は、取引先からの商品代金の先払いがない場合、高確率で詐欺案件ですので必ず断るようにしてください。
フリーランスの案件では、基本的にあなた自身がお金を出して遂行する業務などはあり得ません。
あくまでも支払いを行うのは取引先であり、サービスや商品を提供するのがあなたです。
フリーランスが成果物を納品した後、取引先と連絡が途切れる
今回、動画編集のお仕事をご依頼いただき、仮払いを確認後、クライアントから送られてきた素材をもとに作業を進め、動画編集が完了後にランサーズ内のメッセージにて動画を送りました。
(このような感じで問題ないか確認のため)
※この時納品、完了報告はしていませんし、今現在もしておりません。すると、確認後連絡しますとの連絡が来て、それ以降連絡がありません。
出典:ランサーズ
成果物を納品したにも関わらず、取引先が音信不通になるケースは意外に多いです。
特にランサーズなどのマッチングサイトでは、怪しい取引先も非常に多いため、業務を行う前に取引先の情報を必ず確認する必要があります。
中には、全くアカウント情報がない取引先もいますので、そのような取引先と仕事をするのはおすすめしません。
フリーランス動画編集者に対する取引先の報酬未払い
クライアントに動画編集の仕事を頼まれ、納品したところ「3日待ってくれ」と言われたので待ったら、仕事そのものがキャンセルされて報酬が受け取れなくなりました。
出典:ランサーズ
納品された成果物の確認に時間がかかるのは分かりますが、納品した後に音信不通になるのは完全に詐欺案件です。
ランサーズ内でそのような行為が行われた場合、運営側に問い合わせるのが得策でしょう。
それ以前に怪しい取引先であることを見抜けなかった、あなた自身にも責任があります。
マッチングサイト内でのトラブルに関しては、救済措置がない場合もありますので、くれぐれも気をつけて下さい。
フリーランスのトラブル時の無料相談先
万が一、フリーランスとして業務を行っている時に取引先とトラブルになった場合「フリーランス・トラブル110番」に相談しましょう。
フリーランス・トラブル110番は、厚生労働省から認可を受けている正規のフリーランス相談所であり、相談自体は無料で行えます。
サービスの運営事業者は「第二東京弁護士会」となっており、実際の運営にあたっては内閣官房、公正取引委員会、厚生労働省、中小企業庁と連携しています。
相談は匿名でもOKとなっているため、どのようなトラブルであっても気軽に相談できるはずです。
無料相談には、法律のスペシャリストである弁護士が問題解決まで、ワンストップサービスで対応してくれます。
フリーランスがトラブルを未然に回避するための備え
フリーランスがトラブルを未然に回避するための備えとしては、大きく分けて3つ挙げられます。
- 内容の曖昧な仕事は安易に引き受けない
- 契約の際には取引先の支払い能力を確かめる
- トラブルは起きるものだと想定しておく
トラブルに遭遇するフリーランスの多くは、基本的な対策ができていないケースが、多い傾向にあります。
内容の曖昧な仕事は安易に引き受けない
フリーランスのトラブルに多いのが、業務内容に関する取引先との揉め事です。
特に口頭で契約した後、業務内容が曖昧な状態で作業を始めてしまうと、高確率で問題が生じてきます。
お互いに「分かっているはず」という曖昧な認識でプロジェクトを進めるのは、問題の種になりかねません。
そのため、フリーランス側は必ず業務内容の詳細に関して、契約書に明記してもらうように取引先に伝えるようにして下さい。
契約の際には取引先の支払い能力を確かめる
取引先と契約を交わす前に、必ず取引先の会社(もしくは個人)に関しての詳細を、調べるようにしましょう。
場合によっては架空の会社を名乗り、嘘をつかれている可能性もありますので、必ず取引相手に関しては調べる癖をつけて下さい。
取引先の情報が調べても出てこない場合は、直接会社の公式サイトやSNSなどの情報を、教えてもらうようにしましょう。
取引先が少しでも怪しいと感じた場合は、契約しないようにして下さい。また、契約前に業務を行うのはおすすめしません。
トラブルは起きるものだと想定しておく
どれだけ有能なフリーランスであっても、トラブルを100%防ぐことはできません。
知っていることで防げるトラブルもありますが、中にはイレギュラーなトラブルもあります。
そのため、トラブルが起きた後の対処法を、必ず先に押さえておくのが肝心です。
知っているか知らないかで、その後の対処の仕方も変わってきますので、未然にどのようなトラブルが多いのかなどを把握しておくべきです。
たとえばトラブルが起きた後の相談先や、取引先に対する対応など過去事例を知っていれば、対処もスムーズに行えます。
まとめ
フリーランスのトラブル事例を13個に絞って、それぞれ分かりやすく解説しました。
最新の事例を厳選してご紹介しましたが、基本的には昔も今も報酬や業務内容など、共通した問題が非常に多いです。
万が一、トラブルに遭遇した際には厚生労働省が認可している「フリーランス・トラブル110番」を、積極的に利用して下さい。
特に法律関連は、専門家である弁護士の意見を仰いだ方が、その後の対処もストレスなく行えます。
FP(ファイナンシャル・プランナー)でも無料相談を承っていますので、家計やキャリアでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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