老後資金を準備するのに、おすすめの保険はないかしら?
そもそも老後資金のために保険は必要なの?
老後資金を保険でカバーしようと考えている人は、一度しっかりと自身の状況を整理した上で、自身に適した保険であるかを判断しなければなりません。
確かに保険は貯蓄性のあるものを上手に活用することで、確実にお金を貯めることができます。
しかし、近年は”貯蓄”と”保険”を切り離して考える人も多くなってきており、貯蓄に関しては”つみたてNISA”や、”iDeCo”等を活用した方が得策です。
とはいえ、そもそも保険の役割は、万が一に備えるためのものなので、内容をしっかりと把握した上で、上手く活用することが求められます。
この記事では老後資金を準備するのにおすすめの保険商品に関して、初心者でも分かりやすく解説しています。
最後まで読んで頂くことで、あなたに適した貯蓄性のある保険が、見つかることでしょう。
老後生活に保険が必要な理由
- 病気や怪我のリスク
- 介護に対する備え
そもそも老後生活に保険が必要な理由に関して、疑問を感じている人もいらっしゃると思います。
日本医師会が発表している”高齢者の身体と疾病の特徴”によると、人間は60歳以降さまざまな病気や怪我に対するリスクが高くなります。
病気や怪我に対するリスクは、歳を重ねるごとに比例して高くなるため、今現在身体に問題がなくても、今後どうなるかは誰にも分かりません。
老後生活における病気や怪我に対するリスクは、誰もが不安に感じていることです。
実際に生命保険文化センターの調べによると、お金の次に健康に対する不安を感じていると、全体の約6割が回答しています。
病気や怪我のリスク
老後生活において思わぬ病気や怪我に遭遇した際に、一番に心配になるのが医療費ではないでしょうか。
医療費に関しては、”公的医療保険”や”高額療養費制度”などを活用することで、大部分を抑えることができます。
しかし、ガンなどの重い病気にかかった際には、公的医療保険やその他の制度だけでは不十分だといえるでしょう。
そのような際の手助けとなってくれるのが、がん保険だったりその他の医療保険等になります。
国立がん研究センターの調べによると、男女ともに2人に1人がガンにかかっているという調査結果が出ています。
老後生活における、生活費の備えを考えることも大切なことです。
しかし、万が一病気や怪我で、思わぬ出費が発生した場合に対する対策を何もとっていないと、予期せぬ事態になりかねませんので注意しましょう。
介護に対する備え
生命保険文化センターの調べによると、老後生活で介護が必要となる人の割合は、80歳以上で約20%、85歳以上で約60%となっています。
75歳の時点では全体の約10%程度と少ないですが、それでも10人中1人が要介護者となっているのが今の現状です。
今後は、医療の発展とともに日本人の寿命も比例して伸びていくと予測されますが、老後生活が長ければ長いほど介護者になる確率も高くなります。
「自分は大丈夫だろう」と楽観的に考えるのではなく、自身も例外なく介護者になることを想定して、介護費用に対する備えを考えておかなければなりません。
日本には介護保険制度があるため、介護に関する一定額の費用は給付されます。
保険料の支払いは原則40歳からと義務付けられており、健康保険と一緒に徴収されます。
とはいえ、介護費用が全額免除される訳ではないため、老後の介護に対する備えは個人でも行う必要があるでしょう。
保険を活用して老後資金を貯めるのがおすすめな人
おすすめな人 | おすすめしない人 |
・保障を受けながら貯蓄したい ・貯蓄できる自信がない ・安定してお金を貯めたい | ・将来のお金を大幅に増やしたい ・保険の必要性を感じない ・短期間(5年以内)で貯めたい |
老後資金の準備のために、保険を活用しようと検討されている方は、表の「おすすめな人」の内容に該当するか比較してみてください。
保険はあくまでも保障あってのものなので、貯蓄性だけを求めるのであれば、iDeCo等を活用した方が得策だといえます。
しかし、項目にあるように「保障を受けながら貯蓄したい」と考えている人には、保険はおすすめです。
保険での貯蓄は、あくまでも長期的なスパンで考えなければいけませんので、短期間で貯めたいと考えている人には不向きです。
金融商品と比較して、ローリスク・ローリターンなのが保険の特徴ともいえます。
老後資金を準備するのにおすすめの保険4選
- 個人年金保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 外貨建て保険
- 変額保険
老後資金を準備するためにおすすめの保険としては、主に4つ挙げられます。
それぞれ貯蓄性がある保険商品ではありますが、個々に保障内容が異なるため、実際に活用する際には必ず保障内容等を確認した上で、契約することが大切です。
また、中途解約等を行ってしまうと、元本割れしてしまう保険もありますので、計画をしっかりと立てた上で利用するようにしましょう。
個人年金保険
“個人年金保険”は、老後資金の積み立てを目的として作られた保険商品です。
最初に定めた一定期間の保険料を積み立てると、その後積み立てた保険料を元にして、年金形式で受け取ることができます。
また、支払った保険料の一部が生命保険料控除となるため、節税効果も期待できます。
死亡保障の機能はほとんど持っていませんが、老後資金の蓄積を目的に利用するのであれば、おすすめの保険商品だといえます。
ただし、早期解約してしまうと、元本割れしてしまう恐れがあるため注意しましょう。
低解約返戻金型終身保険
“低解約返戻金型終身保険”は、生命保険もかねている上に、積み立てができる大変便利な保険商品です。
積み立てた保険料の運用による増減はありませんが、将来受け取れる金額が固定化されているため、安心して積み立てることができます。
生命保険の保障は一生涯ですが、保険料払込期間が設定されているため、保険料を全額払い込めば受け取れる金額が増えます。
しかし、中途解約を行ってしまうと、受け取れる金額が減ってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
外貨建て保険
“外貨建て保険”は、予定利率が他の保険商品と比べて高い上に、死亡保障を受けながら外貨資産を保有できる保険商品です。
予定利率とは、保険会社が契約者から受け取った保険料を、どのくらいの運用利回りで運用できるかを予測した割合です。
保険会社側は、予定利率から逆算して契約者の支払い保険料を設定します。
そのため、予定利率が高いほど、契約者が支払う保険料は安くなり、逆に予定利率が低ければ支払う保険料は高くなるという訳です。
また、外貨建て保険は円建て保険よりも、予定利率が高いため、比例して支払い保険料も安くなります。
その上、為替変動で利益を得る可能性がある他、資産を外貨として所有しているため、分散投資できるというメリットもあります。
変額保険
“変額保険”は、保険料の一部が株や債券などで運用されるため、運用実績によっては保険金や解約返戻金が増減する保険商品です。
保険料に関しては一般的な保険商品よりも低めに設定されているため、生命保険の保障を受けながら、低い保険料で貯蓄したいと考えている人におすすめです。
ただし、運用リスクがあるため、必ずしも全ての変額保険が良い運用実績を出せる訳ではないため、契約する際には過去の運用実績等の確認が必要です。
また、変額保険は長期加入が前提となるため、短期間の運用実績に対して、一喜一憂しないようにしましょう。
老後資金の為の保険に関するよくあるQ&A
老後資金の為の保険に関する多くの質問や疑問の中で、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ分かりやすく回答をまとめました。
該当している内容で同じように悩みを抱えている人は、参考にしてみてください。
また、取り上げていない内容で気になっていることがある人は、専門家であるFPに直接相談するのも一つの方法です。
Q.60歳以降の老後資金の準備としては、どの保険がよいでしょうか?
老後資金の準備を一番にお考えであるのであれば、保険商品ではなくiDeCoを活用した方が良いでしょう。
プラスして保障が欲しいのであれば、改めて”個人年金保険”などの貯蓄性の高い保険を検討すべきです。
Q.子供の教育費を貯めるのに必死で、老後資金を貯める余裕がありません…
子育て世代だとどうしても子供の教育費を優先してしまいがちですが、”つみたてNISA”を活用すれば最低月々100円からでも、積立投資を行うことができます。
家計を今一度見直した上で少額からでも良いので、少しづつ積立投資を行うのが得策でしょう。
逆に今のうちから何もしないと、後々老後資金の問題で悩むことになります。
Q.後5年で定年退職となります。どうやって老後資金を準備すればよいですか?
5年で老後資金を準備するのであれば、NISAの活用をおすすめします。
NISAであれば年間120万円までが非課税となり、その後5年間運用が可能です。
また、保険で準備する場合は、5年以内だと期間が短すぎるためおすすめしません。
Q.老後資金の準備ための方法として、銀行の定期預金か保険か迷っています
まず”定期預金”の主なメリットとしては、普通預金よりも金利が高い、元本割れリスクがないの2つが挙げられます。
しかし、金利が高いといっても0.05〜0.2%ほどなので、大した運用益を得ることはできません。
その上、中途解約する際には意外に手続きが面倒ですし、銀行によっては中途解約ができないところもあります。
対して、”保険”の方は商品のバリエーションが多く、より目的に適した条件で老後に備えることができます。
Q.保険と貯蓄は切り離して考えた方がよいのでしょうか?
基本的には切り離して考えた方が良いでしょう。
なぜなら、いくら貯蓄性の高い保険であっても、”つみたてNISA”や”iDeCo”等と比較すると、保険の方が不利だからです。
そのため、保障が欲しい場合は保険を活用し、貯蓄だけが目的の場合は、iDeCo等を活用するようにするのが得策です。
何が必要かは個人の状況等にもよるため、しっかりと自分自身で考えなければいけません。
まとめ
老後資金の準備のためのおすすめの保険として、4つに絞ってご紹介しました。
- 個人年金保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 外貨建て保険
- 変額保険
保険商品の最大のメリットは、保障と貯蓄がセットになっていることなので、両方を望んでいる方にはとてもおすすめです。
逆に、貯蓄だけが目的の方は、iDeCo等を活用した方が良いといえます。
また、保険商品を活用する際には、目的を明確にした上で契約するようにしてください。
個人での判断が難しい場合は、一度FPに相談してみるのもおすすめです。
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