3級FP技能士試験の相続、遺言書の種類とは?受験資格や過去問の出題傾向も

お金のはなし
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3級FP技能士は、FP試験の中でも難易度が比較的低く合格率が高めとなっています。しかし相続・不動産の分野は専門用語が多く「とっつきにくい」と言う受験者が多い傾向にあります。

今回の記事では3級FP技能士について、試験と相続分野、出題頻度が高い「遺言書の種類」について詳しく解説していきます。

3級FP技能士は金融系の職業に就いている方が取る資格と思われがちですが、お金に関する幅広い知識を身に付けられるため、主婦や学生の受験者も多いです。
3級FP技能士になりたい方、受験したい方、FP資格に興味のある方はぜひご覧ください。

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3級FP試験とは

ファイナンシャルプランニング(FP)技能士とは、個人が持つお金の面で様々な悩みや疑問を解決し、アドバイスを行う「お金の専門家」です。

FP試験は日本FP協会と一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)が主催する2種類が存在しますが、金融機関に勤務する方は「きんざい」の試験を受ける確率が高い傾向にあります。

難易度はきんざいの方がやや高い傾向にありますが、取得した資格に優劣はありませんので、過去問を見て自身で判断してみましょう。

今回は日本FP協会のFP3級技能検定について取り上げます。

FP試験は1級・2級・3級と3段階に分かれており、3級は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」が受験可能となっています。

金融機関・保険会社等に勤めている方はもちろん、主婦や学生の方が受験している例も多いです。筆者も学生の頃「将来社会に出た時にも主婦になっても役立つ」と聞き受験を決意しました。

3級FPの相続分野とは

FP試験において、相続・不動産分野は苦戦する方が多い分野です。保険や年金と違い、生活に馴染みのない方が多いため苦手分野となってしまうケースが少なくありません。

ただし相続分野で学ぶ事は身内に不幸があった時に利用できる知識であり、法律、税金、不動産など他の分野とも密接につながっています。個人のトータルなマネープランを考える時にも重要な分野で、知識があることで節税に繋がる、スムーズな手続きができる等のメリットがあります。

相続分野で最も出題数が多いのは「相続と法律」の項となります。
相続と法律では遺産の分割方法や相続放棄、遺言書の種類など法律に基づく相続の基礎を学びますが、始めて学ぶ方が混乱しやすい部分が「遺言書の種類」です。

次の項では遺言書の種類の分類や覚え方について詳しく解説していきます。

3級FP相続分野の頻出項目、遺言書の種類

3級FP試験の相続分野でよく出題される「遺言書の種類」について見ていきましょう。
遺言書には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があり、作成方法や用途は以下の通りとなります。

 自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言
作成方法本人が書いた遺言(財産目録以外)を保管日付・署名・押印が必要 財産目録はPCやワープロで作成したものでも問題ない本人又は第三者(弁護士など)が作成した遺言書に本人が署名・押印。公証役場に持参、証人2人と公証人の前で氏名と住所、中身が遺言書であることを述べ封筒に入れ、中の書面と同じ印鑑で封印する。 公証役場に依頼し、本人が口頭で内容を伝え、公証人が作成する。押印する印鑑は実印で、印鑑証明書が必要となる。 口述が不可能である方は通訳又は自書で公証人に伝えて作成できる。
用途最も多く利用され、字が書ける人であればいつでもどこでも作成ができる。遺言書を書いた事実を明確にしたいが、内容は知られたくない時に利用する。遺言をしたことが公証役場の台帳に記載される。遺言書の偽造や変造、無効にされる場合を回避するために利用する
場所自由公証役場公証役場
証人不要2人以上必要※2人以上必要※
家庭裁判所の検認必要※法務局で保管している場合には不要必要 不要
署名・押印する人本人本人、公証人、証人本人、公証人、証人
保管場所自宅など法務局でも保管可能自宅など公証役場(20年間)

※証人2人は遺言により財産を貰い相続人になる予定の方やその配偶者、未成年者、公証人の配偶者、直系の親族などは不可となります。

自筆証書遺言は財産目録以外を自身で書き、署名、日付、押印が必要という点をおさえておけば3種類の遺言の中で最も作成しやすく、制約の少ない方法です。


一方で公正証書遺言や秘密証書遺言は公証役場に証人2人と出向く必要があります。しかし公正証書遺言は公証人が作成するため内容が明確でほぼ安全・確実な遺言となります。


秘密証書遺言は公証役場で証人2人と公証人立ち合いの元封印を行いますが、内容は本人しか知らないため、家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。

家庭裁判所による検認は、遺言書の中身に関して法的な有効性を判断するものではなく、内容を明確にし、偽造・変造を防止するための手続きとなります。

そのため公証人が作成した公正証書遺言は検認が不要であることを覚えておきましょう。

3級FP試験・相続、遺言書の種類の勉強方法

遺言書の種類を勉強する際には、3つの遺言書の「違い」をおさえておくことが重要です。
以下の部分は頻出分野となるため確実におさえておきましょう。

  • 作成方法
  • 証人の有無や人数
  • 家庭裁判所による検認の必要性
  • 証人になることができる人・できない人

秘密証書遺言・公正証書遺言は自筆証書遺言よりも公的な色合いが強いため、公証役場に赴き、相続において利害関係の無い証人2人が必要となります。

自筆証書遺言は財産目録以外を自筆で書く必要がありますが、どこでも作成する事が可能で、証人も不要です。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は家庭裁判所による検認が必要となります。
試験に出やすい箇所をまとめると以下の通りとなります。

自筆証書遺言秘密証書遺言公正証書遺言
自由度が高く、作成が簡単だが法的に無効になる可能性がある最も制約が少ない家庭裁判所による検認が必要。2020年~法務局で保管制度が始まり、保管された遺言書は検認不要内容が秘密にできる。自由度は自筆証書遺言と公正証書遺言の中間証人2人と公証人の立会いが必要だが、保管は自身で行う。家庭裁判所による検認が必要公的な書類となるので証人2人と公証人の立会が必要となるが、確実な遺言書として公証役場に20年保管される家庭裁判所による検認は不要

遺言書の種類をおさえて3級FP試験を乗り切ろう

3級FP技能士試験の相続分野における頻出分野、「遺言書の種類」について試験に出やすい箇所を中心にお伝えしてきました。
遺言書の種類は実際の相続においても役立つ知識であり、試験でも出題頻度が高いため覚えておいて損はないでしょう。

2020年4月に民法改正があり、相続法も約40年ぶりに改正されました。改正のあった「相続と法律」の項から出題される可能性が高いため、しっかりおさえておきましょう。

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