児童手当の所得制限が撤廃になる?制度の概要とみんなの使い道とは?

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2023年2月に「政府が児童手当の所得制限を撤廃する方向で調整に入っている」と報じられました。

児童手当は2022年10月に所得制限が設けられましたが、参議院で請願書が出されています。
児童手当の所得制限はどうなるのでしょうか?そもそも児童手当はどのような制度で、他の世帯ではどのように使われているのでしょうか?

今回は児童手当の所得制限撤廃について、児童手当制度の概要と支給された・されない場合のシミュレーション、使い道などについて解説していきます。

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2022年10月から児童手当に所得制限が設けられる

2022年10月支給分から、法改正により下記の②所得上限限度額以上の所得の世帯では児童手当が支給されません。

①所得制限限度額以上②所得上限限度額未満の場合は特例措置として児童手当が一律5,000円になります。


※扶養親族等の数は、所得税法上の生計を同一にする配偶者もしくは扶養親族・扶養親族等でない児童で前年の12月31日において生計を維持した者の数を指します。
※「収入額の目安」は、給与収入のみで計算しています。あくまで目安であり、実際は給与所得控除や医療費控除、雑損控除等を控除した後の所得額で所得制限を確認します。
引用:内閣府「児童手当制度のご案内」

児童手当の所得による制限に対して、参議院では野党から所得制限撤廃に関する請願書が提出されました。
2023年2月には、「政府が児童手当の所得制限を撤廃する方向で調整に入っている」と複数のメディアで報道されました。

児童手当が撤廃されると、所得が一定額以上の世帯でも子どもの年齢に応じて10,000~15,000円の手当を受給することができます。
そもそも児童手当とはどのような制度なのでしょうか?

児童手当とは?制度の概要と申請方法

児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に支給されます。

児童の年齢児童手当の額(一人あたり月額)
3歳未満一律15,000円
3歳以上小学校修了前10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生一律10,000円

引用:内閣府「児童手当制度のご案内」

児童手当制度のルールは以下の5つです。

  1. 原則として、児童が日本国内に住んでいる場合に支給します。(留学のために海外に住んでいて一定の要件を満たす場合は支給対象になります)
  2. 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給します。
  3. 父母が海外に住んでいる場合、その父母が、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給します。
  4. 児童を養育している未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人に支給します。
  5. 児童が施設に入所している場合や里親などに委託されている場合は、原則として、その施設の設置者や里親などに支給します。

支給時期は原則として、毎年6月・10月・2月です。それぞれの前月分までの手当が支給されます。例えば6月の支給日には、2~5月分の手当が振り込まれます。

児童手当の申請方法

児童手当は子どもが生まれたもしくは他の市区町村から転入した場合などに、現住所の市区町村の役所に「認定請求書」を提出して申請します。公務員の場合は勤務先に所定の書類を提出する仕組みです。

市区町村の認定を受けた際には、基本的に申請した月の翌月分の手当から支給します。
ただし「15日特例」という特例措置があります。出生日や市区町村に転入した日(異動した日)が月末に近い場合は、申請日が翌月になっても「異動日の翌日から15日以内」であれば申請月分から支給されます。

子どもが生まれた時には「出生日の次の日から数えて15日以内」、引っ越しの場合は「転出した日(転出予定日)の次の日から数えて15日以内」に申請することで、申請月分から児童手当が支給されます。

認定請求に必要な添付書類は以下のとおりです。

<会社員の場合>
健康保険被保険者証の写しなど
<2021年5月~2022年4月までに認定請求をする方で、2021年1月1日に現在の市区町村に住民票のない方>
前の住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書(2020年分)
※他にも、必要に応じて請求者名義の金融機関の口座番号がわかるものなどを提出します。

所得制限撤廃で児童手当の総支給額はどのくらい変わる?

所得制限が撤廃された場合、児童手当の総支給額はどのくらい変わるのでしょうか?
子ども1人のケースでシミュレーションを行ってみました。

 児童手当が満額支給される所得が一定額以上で児童手当が一律5,000円
3歳未満540,000180,000
3歳以上小学校修了前1,080,000540,000
中学生360,000180,000
合計1,980,000900,000

児童手当が満額支給された場合、子ども1人合計約200万円で、5,000円の場合は90万円という結果です。
所得が一定額を超え児童手当が5,000円になると合計110万円の差が生じ、児童手当がもらえなくなると満額もらえる世帯と比較し合計約200万円の差があります。

国の財政を守るという観点から見ると所得制限を設けた方が良いのかもしれませんが、子どもがいる世帯にとっては児童手当の存在は大きなものと言えるでしょう。
他の家庭では児童手当をどのように活用しているのでしょうか?

児童手当の使い道で最も多いのは「将来のための貯蓄・保険料」

2018年に内閣府が行った「児童手当等の使途に関する意識調査」報告書を見ていきましょう。

児童手当の使い道(予定を含む)の問いには、57.9%の世帯が「将来のための貯蓄・保険料」と回答しました。

引用:内閣府「児童手当等の使途に関する意識調査報告書」

児童手当は本来子どもの教育費に充てるものとして支給されています。ただし、子どもの教育費が最もかかるのは大学生と言われています。

日本政策金融公庫の2021年度「教育費負担の実態調査結果」によると、国公立大学の入学にかかる費用は672000円で1年の在学費用は1035000円、4年間で5,216,000円がかかります。

私立大学文系の入学にかかる費用は818,000円、1年の在学費用は1,520,000円で合計7,358,000円です。理系は入学に関する費用が888,000円、在学費用は1,832,000円で合計8,676,000円となっています。

教育費が高くなる大学に向けて貯蓄もしくは保険料として備えている世帯が多いと推測されます。

まとめ

児童手当の所得制限が撤廃されると、所得が一定額以上でも子ども1人のケースでは約200万円が支給されます。

この記事で児童手当について知り、今後の動向を見守っていきましょう。

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