地方移住はどこがおすすめですか?
都会と田舎の暮らしの具体的な違いは?
世界的なウィルスの蔓延により、人が多い都市部ではなく自然豊かな地方へと、移住する人も多くなってきました。
若者から高齢者まで地方で暮らしたいと考えている人は一定数いますが、実際に何からしていいのか分からない人も多いです。
地方移住といっても、自治体によっては全く受け入れの体制が整っていないところもあるため、事前準備として情報収取が非常に大切になってきます。
また必ずしも地方移住したからといって、生活コストが下がったり、豊かな暮らしができるとは限りません。
この記事では数あるおすすめの地方移住先の中から、特に人気の都道府県をご紹介すると共に、都会と田舎の具体的な違いに関して分かりやすく解説しています。
最後まで読んで頂くことで、ご自身に適した地方移住先が見つかるはずです。
単に地方移住といっても人によって状況が異なるため、自分達に適した地方移住のカタチを模索する必要があります。
自治体によっては地域おこし協力隊等が地方移住サポートしている場合もあるので、すでに気になっている自治体がある人は、一度問い合わせてみましょう。
ニューノーマル時代になり地方移住者が増えている
世界的なパンデミックにより、これまで東京一極集中していた人口も2020年5月頃を境に近県へ転出する動きが活発になっています。
2021年2月には過去25年振りに東京の人口が前年よりも減少し、逆に埼玉県や神奈川県、千葉県等の人口が増加しています。
また、働き方に関しても多くの企業でテレワークを採用する動きがみられ、地方でも転職せずに仕事が行えるという事で、今は年齢を問わず地方移住を検討する人が多いです。
リタイア後の生活拠点として50代60代が地方移住を検討する事が多かったですが、ニューノーマルな時代となり、若者の間でも地方に移住する動きが活発になってきています。
都会に住む理由として「仕事」がよく挙げられますが、今は在宅ワークでも気軽に仕事ができる環境であるため、わざわざ都会に住む理由がないと考える人も多いです。
失敗しない地方移住先の選び方
地方移住先の選び方としては、主に5つ挙げられます。
- 地方移住に対する支援制度や補助金等は充実しているか
- 移住先にどのような仕事があるか
- 過去に移住した人の割合はどのくらいか
- 過去に移住した人たちは今も住んでいるか
- 移住先の文化や雰囲気が自分達に合うか
地方移住といってもその数は全国各地さまざまな自治体が候補として挙げられるため、その中から一つを選ぶのは至難の業です。
全てのケースで地方移住が成功している訳ではありませんので、これからの人生を考えるとより慎重に選択する必要があるでしょう。
特に仕事面に関しては移住先での収入源を前もって明確にしておくとともに、事前にどのような地域であるか現地調査することも大切です。
地方移住に成功している事例だけではなく、失敗している事例にもしっかりと目を通し、リスクを考えた上で行動に移す必要があります。
まだ独身の方であればやり直しも効きますが、家族総出でとなるとより慎重に選択する必要があるでしょう。
地方移住先おすすめ人気ランキングTOP5
地方移住先おすすめ人気ランキングトップ5は、以下の通りです。
- 静岡県
- 山梨県
- 長野県
- 福岡県
- 宮城県
「認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター」の調査資料をもとに、2020年に問い合わせ件数が多かった都道府県をランキング形式でご紹介しています。
年度によって順位変動はあるものの、ピックアップしている都道府県はどこも地方移住者の受け入れ態勢がしっかりと整っている自治体が多いです。
全ての面で優れている都道府県はありませんので、移住先候補の特徴を十分理解した上で、自身に適した地方移住先を探してみてください。
ランキングはあくまでも参考例なので、掲載している都道府県だけに絞ることはありません。
全国各地魅力的な地方移住先は、たくさんあります。
まずはしっかりと情報収集を行い、自身で比較検討してみることが大切です。
静岡県
地方移住先として最も注目を集めているのが静岡県です。
東京や愛知からのアクセスも非常によく、山や海に囲まれた自然豊かな土地として、移住先に選ぶ人が増えてきています。
特に伊豆市が人気が高く、移住者の受け入れ体制も整っており、アウトドア好きな方には大変おすすめの移住先となっています。
先輩移住者の方の意見等も積極的に情報発信されているため、少しでも気になる人は一度、伊豆市が運営する地方移住者応援サイト「いずぐらし」をチェックしてみてください。
山梨県
山梨県では移住者に対する仕事のマッチングサービスや、支援金制度の充実に力を入れており、毎年一定数の移住者を引き入れています。
支援金制度に関しては、東京圏から山梨県への移住で最大100万円が支給されるようになっており、新天地での生活資金に充てることができます。
また、二拠点居住を希望する方に対しても、積極的にサポートを行なっており、週末や一定期間だけ山梨で過ごしたいという人も受け入れ可能です。
長野県
冬はウィンタースポーツで多くの人が集まる長野県ですが、移住者も年々増えてきており、最近は地域おこしにもかなり力が入っています。
移住者向けの空き家ポータルサイトを利用して、補助金を受け取りながらお得に家を手に入れることもできるため、家族で移住を検討している方にもおすすめでしょう。
また、東京や埼玉からもそれほど離れていない上に、内陸地という事で他の都道府県へのアクセスも比較的スムーズに行えます。
福岡県
九州エリアでも福岡県が最も人口が集中しており、年々総人口は増加傾向にあります。
地方都市の中でも人気が高い福岡県は、都会と田舎の距離感がとても良いので車等で少し街を外れると、郊外は豊かな自然に恵まれた地域が多いです。
その上、福岡空港も街から非常に近い位置にあるため、国内に限らず海外への渡航も気軽に行えます。
また仕事面に関しても、他の移住地よりも比較的求人数が多く、地方移住と一緒に転職も検討されている方にもおすすめです。
宮城県
東北最大の都市と呼ばれる仙台市がある宮城県にも、最近は移住者が多くなってきています。
伊達政宗公のゆかりの地でもある宮城県は、大変歴史が深い土地であり、海や山に囲まれていることから食がとても豊かです。
地方移住者に対してのサポートも非常に整っており、空き家バンクサービスや移住支援金の提供等も行われています。
宮城に移住して人との繋がりの広さや深さを学んだ、という人も少なくありません。
都会と田舎の違いを6つの視点から比較
項目 | 都会 | 田舎 |
仕事 | ・求人数が多い ・賃金も高め | ・求人数が少ない ・賃金が安い |
生活費 | 全体的に物価は高め | 全体的に物価は安め |
インフラ | ・上下水道完備 ・都市ガス | ・場所によっては井戸水を利用している地域もある ・下水道に関しては、整備されていないところも多い (汲み取りや浄化槽を使用) ・プロパンガスが一般的 |
利便性 | ・店舗数が多い ・交通の便は非常に優れている ・渋滞や満員電車等に遭遇しやすい | ・店舗数が少ない ・移動は車がないと不便 ・電車やバスの本数が極端に少ない |
医療 | ・各種病院の数が多い ・高度な医療技術が受けられる | ・病院の数が少ない ・住んでいる地域によっては病院まで遠い ・高度な医療を受けるには主要都市まで行く必要がある |
子育て | ・保育園の待機児童問題 ・各学校に子供が多い ・受験等の競争率が高い | ・保育園や学校の選択肢が少ない ・子供が少ない分、学校へ入りやすい |
都会と田舎双方に違った特徴がありますので、一方だけをみて地方移住を実行するのは、リスクが高いといえます。
特にお子さんがいらっしゃるご家庭では、子供への影響も考慮する必要がある上に、都会と田舎では生活様式が全く異なるといっても過言ではありません。
また、田舎は基本的に車社会ですので、移動には必ず車が必要になるため、自動車の維持費も馬鹿にできません。
田舎に住めば生活費を安く抑えられると思っている方は、都会の生活と比較してまた別の項目で費用がかかる事も、十分に把握しておきましょう。
地方移住を検討される際には、さまざまな方面から比較検討する必要があります。
特に田舎は医療の面で都会と比較して、劣っているといえます。
病院の数が少ない上に、医療技術に関しても一般的に都会の方が上です。
地方移住のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・自然豊かな環境で子育てができる ・気軽にアウトドアが楽しめる ・生活コストを削減できる ・土地や家が安く手に入る ・満員電車や渋滞等が少ない ・新鮮な食材が安くすぐに手に入る | ・都会と比較して仕事が少ない ・自動車がないと移動が不便 ・地域付き合いが必要になる ・学校に子供が少ない ・生活費が必ず安くなるとは限らない ・地域に馴染めず都会にもどるケースもある |
地方移住は都会の生活にはない大きなメリットを受けられる反面、デメリットも多数あります。
中には田舎の生活が合わずに地方移住して数年後に都会に戻った人もいるため、必ずデメリットに関しても十分理解しておく必要があるでしょう。
特に田舎独特のコミュニティに参加することができず、人間関係の点で失敗してしまう事例が意外に多いです。
田舎には都会にはない地域の繋がりがある反面、その田舎独特の繋がりをストレスに感じてしまう人も少なくありません。
田舎では都会にはない人付き合いが求められます。
人が多く人間関係が嫌になって都会から田舎に移住してきた方で、田舎でも人間関係で悩んでしまうというケースは意外に多いです。
地方移住で成功するためには、田舎の地域コミュニティにいかに上手く馴染めるかが、大きなポイントになります。
地方移住に関する情報収集と事前準備のやり方
地方移住を目的に情報収集をおこなっている方の中には、移住支援金や補助金目当てで検討されている人も多いです。
お金だけを目当てに移住してしまうと失敗する確率が高くなりますので、一度移住前に気になる地域で地方の暮らしを体験してみましょう。
便利な都会の暮らしを失うのは惜しいかもしれませんが、地方移住ではお金以外にもさまざまなものを得ることができます。
地方移住に関するリアルな情報を得るためには、一度気になっている地域に直接出向いて、地方暮らしを体験してみるのがおすすめです。
現地には地方移住者に対するサポート施設等もある上に、実際に移住した人たちの生の声が直接聞けます。
家がタダでもらえる!?お得な移住支援制度と補助金
「地方移住で家がタダでもらえる!?」と、どこかで耳にしたことはありませんか。
実際に地方では空き家が年々増えてきており、地域によっては移住者に対して無料で空き家を提供しているところも多いです。
その上、物件によっては農地や農機具付きのところもあるため、「休日はゆっくりと農作業がしたい」と考えている人にもおすすめでしょう。
空き家を探す際には、気になる地方の「空き家バンク」で探してみましょう。
また、移住支援金制度を採用している地方では、移住するだけで数百万円のお金を受け取ることができます。
その他にもさまざまな補助金制度がありますので、気になる地域に一度問い合わせてみましょう。
移住前に地方の暮らしを体験してみる
最近は、「お試し移住体験住宅」を提供している自治体も多くなってきました。
エリアによっては「移住体験ツアー」を組んでいるところもあるため、地方移住を少しでも検討されている方には非常に助かるサービスです。
実際に移住体験サービスを提供されている自治体は、以下の通りです。
- 長野県佐久市
- 秋田県鹿角市
- 山形県遊佐町
- 長野県飯島町
- 北海道釧路市
- 大分県臼杵市
ご紹介している地域はあくまも一部ですが、その他のエリアでも移住体験を提供されている可能性があるため、気になる方は個別に問い合わせてみてください。
詳しい情報は、「認定NPO法人 ふるさと回帰センター」の公式サイトにも記載されています。
地方移住に関するよくあるQ&A
地方移住に関する多くの質問や悩みの中から、特に多かった内容だけに絞って分かりやすく回答をまとめてみました。
該当する内容で悩んでいる方は、参考にしてみてください。
生活拠点を変えることは、人生においても非常に重要なイベントの一つですので、慎重に吟味した上で判断するようにしましょう。
Q.最近、地方移住者が増えているのはなぜですか?
株式会社ホクシンハウスが、地方移住して戸建てを購入した方を対象にアンケート調査を行ったところ、以下のような結果となったようです。
- 仕事の関係:37.4%
- 自然の多い環境で暮らしたかったため:35.2%
- 子どもの子育てのため:20.0%
- セカンドライフを過ごす場所として:17.0%
- 趣味ややりたい事に専念するため:15.2%
参考:PR TIMES
リモートワークや在宅ワーク等の働き方の変化により、地方移住を検討する人が多いようです。
また都会では得られない自然が多い環境で暮らしたかった、という理由も約4割近くを占めています。
Q.老後はどこの地方に移住するのがおすすめですか?
結論からいうと、ご自身の状況によって異なります。
リタイア生活を考えて地方移住を検討する人は多いですが、地域によっては病院が少なかったり、高度な医療を受けれない可能性もあります。
老後生活の拠点を地方で探す場合は、暮らしと医療に関してしっかりと事前調査を行い、自身に適した地域を探す必要があるでしょう。
Q.地方移住するならどこの県が住みやすいですか?
「住みやすさ」は人によって感じ方が異なるため、まずは気になっている地域で移住体験してみるのがおすすめです。
インターネット上の情報だけを過信して、いきなり地方移住してしまうのはリスクが大きいため、一度複数の地域で移住体験してみるとリアルに住みやすさを体感できます。
何よりも実際に自身の身体で体感してみて判断するのが、最も良い方法でしょう。
Q.子育てにおいて地方移住するメリットはありますか?
子育てにおいて地方移住するメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
・自然に恵まれた環境でのびのび遊べる ・生活コストが低い分、教育費に回せる ・地域の人とコミュニケーションが取れる ・遊び場が空いている ・地域全体で子育て支援をしてくれる | ・文化施設や遊園地まで遠い ・子供の習い事が限られる ・学校の選択肢が少ない ・学校に子供が少ない ・子供だけで気軽に遊びに行けない |
ピックアップしている項目はあくまでも一般的な話であり、移住する地域によってまた条件は異なります。
子育て支援に関しては力を入れている地域も多いため、移住先の候補が既に決まっている方は、一度問い合わせてみると良いでしょう。
まとめ
地方移住は一過性のブームではなく、長期的にみて今後も都会から田舎へ移住を検討する人は、増えていくことが予想されます。
働き方の多様化により、わざわざ物価が高い都会に住む理由も無くなってきている他、人混みを避けて暮らしたいというニーズが高まりつつあるからです。
その上、趣味としてアウトドアを始める人も最近は多くなってきているため、自然の中での暮らしに憧れる人も多いはずです。
ただ、実際に住むとなると別問題ですので、地方移住される際にはしっかりと情報収集を行い、一度移住体験してみてから判断しましょう。
地方では人口減少が問題となっており、より多くの移住者の受け入れを行おうと、今もなおさまざまな取り組みを行なっています。
都会での生活に疲れている方は、一度地方移住を検討してみるのも悪くないかも知れません。
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