公務員共働き世帯は、相当裕福な暮らしをしているのでは?
正直、公務員共働きはずるいし、世間的にみて羨ましい…。
公務員共働きであった場合、世帯年収は1,000万円を超える可能性が高く、退職金なども2人分を合わせると約4,000万円程受け取れます。
夫婦ともに定年まで勤め上げる前提で考えると、退職金を受け取るだけでもそれまでの貯金と合わせて、準富裕層の仲間入りを果たすことが可能です。
金銭面だけで考えれば民間企業に勤める会社員と比較すると、かなり公務員共働きの方が裕福であるといえます。
その上、子育て支援に関する福利厚生の充実や、途中で職を失うといった可能性も低いため、非常に環境にも恵まれているといえます。
本記事では公務員共働きの家計事情に関して、項目ごとに分かりやすくご紹介しています。
最後まで読んで頂くことで、公務員共働きの実態を詳しく把握することができるでしょう。
公務員共働き世帯は、世間的に見てもかなり金銭面で有利であり、家計管理がしっかりとできていればアーリーリタイアも夢ではありません。
公務員共働き世帯の年収・年金・住宅ローン等の家計事情調査
公務員共働き世帯の年収や年金、住宅ローン等の家計事情が、気になっている人も多いのではないでしょうか。
公務員という優位性を夫婦二人で受けると考えると、家計面では何も心配がないように思えます。
しかしながら、豊かな暮らしを継続させるためには、金銭面だけではなく健康面や生活の充実度等も加味すべきです。
それぞれの項目別に実際にどのような家計事情になっているのか、以下から詳しくみていきましょう。
公務員共働きの年収・退職金
総務省の資料「令和2年地方公務員給与実態調査」によると、一般行政職の平均月収が316,993円(平均年齢42.1歳)となっています。
計算しやすいように月収30万円で換算すると、ボーナス4ヶ月分が年2回で年収は600万円となります。
ざっくりとした計算ですが、夫婦2人とも公務員だった場合は、世帯年収1,200万円以上です。
公務員の給与には男女の違い等はありませんので、大体夫婦でも同じような給与額をもらっているケースが多いです。
また、公務員の退職金に関しては、平均的に2,000万円程度が受け取れます。
- 地方公務員:21,523,000円(行政職・定年退職)
- 国家公務員:22,195,000円(行政職・定年退職)
公務員共働き世帯だと、退職金だけで4,000万円以上は受け取れる計算です。
それまでの貯金額と合わせると世帯によっては、1億円に達する可能性も十分あります。
公務員共働きの年金・貯蓄
公務員が老後に受け取れる年金の種類としては、大きく分けて3つ挙げられます。
- 老齢基礎年金
- 老齢厚生年金
- 退職等年金給付(年金払い退職給付)
公務員といえば共済年金にも加入できましたが、2015年10月1日に「被用者年金一元化法」が施行され、厚生年金に統一されました。
加えて職域加算が廃止され、代わりに退職等年金給付が新設されました。
以下は、旧制度から新制度への移り変わりを、分かりやすく階層で示したものです。
年金払い退職給付とは、会社員でいうところの企業年金にあたります。
また、貯蓄額に関してですが一般的な世帯だと総務省統計局の調べでは、2020年度の貯蓄保有世帯の中央値は826万円です。
公務員共働き世帯の平均貯蓄額を算出するのは難しいですが、世帯年収を考えるとかなり中央値は少ないといえます。
公務員共働きの保険
公務員共働き世帯であれば、それほど多くの保険商品に加入する必要はないといえます。
そもそも公務員には共済保険等のお得な保険商品があるため、民間保険の必要性もそこまで高くはありません。
実際に公務員で民間保険を利用している人は、少数派です。
とはいえ、定期的に保険の見直しは必要ですので、公務員に限らず最低でも年1回程度は見直すようにしましょう。
また、老後資金の対策に関しては、iDeCoやつみたてNISA等を既に活用している公務員が、多い傾向にあります。
公務員共働きの住宅ローン
公務員共働きでは、住宅ローンを活用している世帯も比較的多いです。
そもそも公務員は会社員よりも失業リスクの低さや収入の安定さに加え、法律により規定された退職金制度があるため、ローンが組みやすいというメリットがあります。
その上、公務員共働きともなると独身の公務員と比べて返済にも余裕が出てくるため、住宅ローンを利用する世帯が多いというのも頷けます。
とはいえ、公務員共働きでも住宅ローンの返済が苦しいと感じている人たちも一定数いるため、現状苦しい場合は住宅ローンの見直しを行う必要があるでしょう。
住宅ローンの見直しでお困りの方は、お気軽にFPにご相談ください。
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公務員共働きのメリット
公務員共働きのメリットとしては、主に4つ挙げられます。
- 旅行等の計画が立てやすい
- 夫婦間で仕事に関して話し合える
- 育児が行いやすい
- パートナーが仕事を辞める可能性が低い
お互いに公務員だと休みの日は2人とも同じという場合が多く、旅行の計画等が非常に立てやすいというメリットがあります。
その上、夫婦間で自分達の仕事に関して本音で相談できるため、お互いに違った視点からアドバイスを行うことも可能です。
また、公務員は育児支援制度が充実している他、職場の人たちも比較的育児に対しての理解が深いため、育児と仕事の両立が行いやすいです。
結婚したり子供が産まれたり、といった大きなライフイベントに直面しても、公務員はパートナーが寿退職する可能性も極めて低い傾向にあります。
一般の会社員であれば結婚したら寿退職を行う人が一定数いますが、公務員の場合は結婚しても公務員を続ける人が大半です。
公務員共働きのデメリット
公務員共働きのデメリットは、大きく分けて2つです。
- 万が一離婚すると気まずい
- 一定期間ごとに移動がある
公務員という職業柄、組織内での人間関係は非常に狭く離婚等の話題はすぐに広まってしまいます。
万が一、公務員共働きの夫婦が離婚してしまった場合、同じ職場だったりすると非常に居心地が悪くなる可能性があります。
陰口等を言われることに対してある程度慣れている人であれば良いですが、人の評判や意見等が過剰に気になる方には、耐えられないかも知れません。
また、公務員は数年おきに人事異動がありますので、夫婦で別々の部署に配属される可能性が高いです。
せっかく住宅ローンを組んで新しい新居を購入しても、その後すぐに夫が単身赴任になってしまう等も考えられます。
公務員の中には安定を求めて職を選んだ人も多く、実際に仕事をしてみたらストレス高で辞めたいけど他にやる事もないから渋々続けている、という人も多いです。
公務員共働き世帯にありがちな悩み
公務員共働き世帯にありがちな悩みに関して、事例を交えて分かりやすくご紹介しています。
公務員共働きであっても、他の家庭と同じく様々な悩みを抱えているケースが非常に多いです。
「隣の芝生は青い」というように、一つの側面だけで物事を見て判断せず、何事も様々な方向から見て考えることが大事です。
公務員は残業代が付かず休日出勤もあるためしんどい
国家公務員共働きのAさん夫婦は、残業代がつかない上にイレギュラーな休日出勤があることに、かなりストレスを感じていました。
国家公務員の場合は、職種によっては連日残業に追われることも珍しくなく、民間企業の会社員みたいな残業代はそれ程支給されません。
筆者自身も元は国家公務員(航空自衛隊)でしたが、休日出勤して業務を行うことなどザラにありました。
時間外手当等も設けられてはいましたが、その金額は微々たるものであり、決して釣り合っているとは思いませんでした。
その上、日々の業務はかなり過酷でしたので、非常にストレスが溜まりやすく中途退職する人も多かったです。
近くに同業者がいるからこそ気持ちの切り替えができない
地方公務員共働きのBさん夫婦は、2人とも同じ職場で働いており、お互いにかなり激務だったそうです。
自宅に帰るとお互いに疲れた状態で、仕事に関する相談をパートナーにする事もしばしばありました。
特に奥さんの方は、旦那さんに仕事に関する相談をすることが多かったようで、自宅に帰っても気持ちの切り替えが上手くできていませんでした。
公務員共働きにありがちな悩みですが、お互いに同じ仕事をおこなっているからこそ、相談したい気持ちがあるのは分かります。
しかし、自宅に帰っても仕事の関係者がいるという状況は、プライベートと仕事の切り替えができない要因になりやすいです。
常に仕事のことしか考えていない状態だと、精神的な病に陥りかねません。
公務員共働きに関するよくあるQ&A
公務員共働きに関する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ分かりやすく回答をまとめてみました。
該当する内容で悩んでいる方は、参考にしてみてください。
Q.公務員同士の出会いのきっかけは?
公務員同士の出会いのきっかけの多くは、職場恋愛です。
他には研修会や同期の繋がりなども挙げられます。
公務員という職業柄、一般的な会社員や他の職業との接点が少なく、既に職場内に男女ともに安定した職業である公務員がいるため、公務員同士で結婚するパターンが大半です。
Q.公務員共働きですが貯金が貯まりません…
公務員共働きであったとしても、入ってくるお金と同じくらい毎月出ていくお金も多いと、貯金はたまりません。
まずは支出を見直し何にどの程度毎月お金を使っているのか、項目別に把握できるようにしましょう。
支出を見える化すると無駄な出費が把握でき、節約が行いやすいなります。
無駄な出費が減れば毎月の貯金額も増えるため、徐々に貯金も貯まっていくはずです。
また公務員の場合は、その安定性から他の職業と比べてライフプランを立てやすです。
まだ明確にライフプランを立てていない人は、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
将来の見通しをしっかりと立てて行動していくことで、より充実した人生を歩むことができます。
Q.公務員共働き世帯がFIREするにはいくら必要ですか?
FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の略語であり、経済的自立と早期リタイアを指します。
一般的にFIREの達成条件は、年間支出の25倍といわれています。
仮に公務員共働き世帯の毎月の支出額を30万円と仮定すると、年間支出額は360万円です。
FIREを達成させるためには、単純に25倍すると9,000万円必要となります。
公務員共働き世帯であれば正しい節約と投資を行えば、決して目指せない金額ではありません。
Q.なぜ公務員同士で結婚すると二馬力といわれるのでしょうか?
公務員に限らず一般的に夫婦がお互いに、扶養に入らず働いている状態を二馬力と表現します。
また、共働きであっても片方が他方を扶養している場合は、二馬力とは表現しません。
Q.公務員共働きでも副業はした方が良いのでしょうか?
公務員の副業は、基本的に法律で禁止されています。
FIREを無理に目指して隠れて副業を行うのは、かなりリスクが高いためおすすめしません。
ただし、副業とは異なり投資は禁止されていませんので、既存のサービス(つみたてNISAやiDeCo等)をうまく活用して、資産運用を行うのがおすすめです。
まとめ
公務員共働き世帯に関して、様々な角度から家計事情を詳しく解説してきました。
共働きといえどケースバイケースなので、必ずしも公務員共働きが裕福な暮らしをしているかといえば、そうではありません。
各世帯によって置かれている環境が全く異なるため、金銭面だけで比較して判断するのは間違った見方だといえます。
自分達の置かれている環境を把握して、適切なライフプランと貯金計画を練って取り組んでいきましょう。
ライフプランニングに関するご相談は、お気軽にFPへご連絡ください。
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