FP3級は国家資格でありながら合格率が8割を超えるコストパフォーマンスの良い資格ですが、「不動産」は学習範囲が広いため勉強方法に戸惑う方も少なくありません。
この記事では、日本FP協会の3級FP試験「不動産」分野における学科試験の勉強方法についてお伝えしていきます。
「不動産」の試験範囲や過去の出題傾向、出題頻度に加え効率的な学習方法を解説していきます。
不動産分野を効率良く勉強し、FP3級合格を目指しましょう。

FP3級「不動産」の試験範囲とは?
まずは不動産分野の試験範囲を日本FP協会のホームページで確認してみましょう。
<「不動産」の試験範囲>
- 不動産の見方、取引、不動産に関する法令上の規制
- 不動産の取得・保有に係る税金、譲渡に係る税金
- 不動産の賃貸・有効活用
- 不動産の証券化
- 最新の動向
「不動産の見方」では、不動産の権利や登記薄に関する知識、不動産の価格について学びます。
「取引」では宅地建物取引士や宅地建物取引業での売買に関する契約、そして土地基本法・都市計画法などの法律分野があります。
不動産を取得した時に課される不動産取得税や登録免許税など税金に関わる分野、譲渡に関する税金、有効活用や証券化なども学習します。
最後には不動産業界の最新の動向について学びます。
学習範囲は広いですが、全30問中、問題数は5問となっています。
FP3級「不動産」の過去の出題傾向とは?
「不動産」のFP3級試験で、過去に出題数が最も多かった項は「不動産に関する法令上の規制」となります。次いで不動産の取引、不動産の譲渡に係る税金、不動産の取得・保有にかかる税金、不動産の見方となります。
逆にこれまで一度も出題されていない箇所は「不動産の最新の動向」となります。
以下は項目別の不動産の出題数ランキングとなります。
1 | 不動産に関する法令上の規制 | 105 |
2 | 不動産の取引 | 87 |
3 | 不動産の譲渡にかかる税金 | 65 |
4 | 不動産の見方 | 54 |
5 | 不動産の取得・保有にかかる税金 | 45 |
6 | 不動産の有効活用 | 18 |
7 | 不動産の賃貸 | 14 |
8 | 不動産の証券化 | 2 |
出題無し | 不動産の最新の動向 |
「法令上の規制」では、特に接道義務や建ぺい率・容積率の計算は出題頻度が高いので、必ずおさえておきましょう。
不動産の取引では借家契約に関する問題、売主・買主の担保責任が多く出る傾向にあります。
FP3級・不動産の勉強方法
FPの勉強方法は、不動産分野に関わらず①テキストを読む、②内容を理解し、出題頻度の高い箇所を中心に暗記する、③過去問を解くという3つのステップで行います。
FP試験で特に重要な勉強は「過去問」です。過去問をおさえておけば合格の確率が高くなる傾向がありますので、過去問を解くことを重点において勉強していきましょう。
テキストを読む
まずはFP3級のテキストを1回通して読んでみましょう。
「容積率・建蔽率」「路線価」などの専門用語はとっつきにくいと感じるかもしれませんが、まずは意味を理解する事が重要となります。
語句を把握する事で、その後の学習がスムーズになりますので、読んでいる間に単語の意味を忘れてしまったら元のページに戻り、最後まで読み切る事をおすすめします。
内容を理解する・出題頻度の高い箇所を覚える
FP試験で合格のために重要なポイントは「過去問」です。
過去問で出題頻度の高い分野を繰り返し勉強する事で、要領よく得点を取れる可能性が高くなります。
一度テキストを通読したら、過去問で出される頻度の高い箇所を重点的に勉強しましょう。
暗記は「書く」「見る」「声に出す」のうち1番自分に合った方法をおすすめします。
なぜなら目で見る、声に出すといった五感を使って入ってきた情報を整理、理解、記憶する力を「認知特性」と呼びますが、得意な方法は人それぞれで異なるからです。
例えば「見て記憶する」事が得意である方は視覚に優れており見て理解、暗記すると効率的に学習できます。一方で「聴覚優位」である方は情報を「聞いて記憶する」事が得意です。
聴覚優位の方は自身で声を出して読む、読んだものを録音し再度聞くといった行為で暗記・理解などが早くできるでしょう。
自分で録音した声を聞くのは恥ずかしいかもしれませんが、その分記憶に残りますし誰にも聞かれない場所で行う分には問題ありません。
五感をフルに使い、効果的な学習を行いましょう。
過去問を最低3回解く
一度テキストを読み、内容を理解・暗記し落とし込んだ後には、アウトプットとして過去問を解きましょう。
先に書いた通りFP試験は「過去問」が重要ですので、過去10年の問題を最低3回は解きましょう
「過去問と答えを暗記してしまった」位のレベルに達する事がベストです。
FP3級・時間が無い方の勉強方法
FPは社会人の方が取る事が多い資格ですが、昼間は仕事をしており時間がない方にとっては勉強時間を確保する事が難しいでしょう。
忙しい方におすすめの勉強は、上記の1と2を並行して行った後、3に時間をかける方法です。
通読を行いながら内容を理解・暗記を同時に行い、ひたすら過去問を解きましょう。インプットよりアウトプットに重点を置くことがポイントです。
2020年9月に行われた3級FPの試験は学科試験の受験者数が31,247人に対し、合格者数が28,011で合格率は89.64%と易しめの試験となっています。
実技試験の合格率は88.04%となっています。
「認知特性」を把握し、効率的に学習する事で勉強時間が短くても合格できる可能性は高くなるでしょう。
FP3級・不動産は効率的な学習が大事
FP3級「不動産」の分野は学習範囲が広いですが、不動産に関する法令上の規制・不動産の取引・不動産の譲渡にかかる税金など出題頻度が高い箇所を重点的に理解し、過去問を解くことが合格への近道となります。
合格率は8割以上と決して難しい試験ではないため、すきま時間などを利用し、五感を活用しながら効率よく勉強していきましょう。
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